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法人化すべきか否か。
これから独立する人や、多くの個人事業主が、悩み考えるポイント。
考えるべき点は多数ありますが、「税金はどうか」というのは、重要な判断ポイントの一つとなることが多いようです。
ここでは、法人化を考える分岐点やメリット、デメリットについて考えてみましょう。
個人事業と法人の「税金」と切り替えの分岐点
まず、個人事業、法人において支払うことになる税金を見てみましょう。
個人事業主の場合
個人事業主は、主に
- 住民税
- 個人事業税
- 消費税
- 所得税
の4種類の税金を納めます。
このうち、所得税は1年間の収益に対して課せられ、所得額に応じて課税率が7段階で変化します。
- 195万円以下 → 5%
- 195万円超、330万円以下 → 10%
- 330万円超、695万円以下 → 20%
- 695万円超、900万円以下 → 23%
- 900万円超、1,800万円以下 → 33%
- 1,800万円超、4,000万円以下 → 40%
- 4,000万円超 → 45%
このように、個人事業主の場合、所得が増えればそれだけ税率も上がるため税負担が大きくなる可能性があるのです。
法人の場合
法人の納める税金は、
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
- 法人税
の主に4種類となります。
ネックとなる法人税は個人事業における所得税に比べて課税率が緩やかで、ほぼ一律となっています。
所得金額(単位:万円)と税率
- 800以下 → 15%
- 800以上 → 23.9%
数値からもわかるように、所得額が800万円ある場合法人税は15%の課税であるのに対し、個人事業における所得税は33%課税されるため割高になります。
つまり、個人事業の所得税よりも法人税の税率の方が緩やかであることから、一定額以上の所得が発生する場合には法人化した方が大きな節税効果が見込めるのです。
誤解を恐れず言い切ってしまえば、ズバリ、所得額が700万〜800万円を超える場合が法人化を検討するべき分岐点と言えるでしょう。
法人化するメリット
節税効果が見込めるという点が法人化する大きな利点ですが、そのほかのメリットについても詳しく見ていきましょう。
①社会的信頼、信用が上がる
法人化する最大のメリットは社会的信頼、信用を獲得できることです。
もちろん、個人事業が信用を得にくいとは、一概には言えません。
しかし、実績や肩書、知名度がない場合や、開業して間もない状態の場合、個人事業主だと何かと不利になることが多いようです。
例えば、銀行から融資を得る際や、取引先を拡大しようとする際など、信頼があった方が有利に進む局面は多いと言えます。
厳密な手続きを踏んで法人化することで、信頼の獲得に加え、資金や人材も比較的集めやすくなるということは言えるでしょう。
②老後の資金対策がしやすい
また、老後の資金対策がしやすいということも法人化の魅力となります。
個人事業主の場合、国民年金で足りない部分は他の年金制度や共済に別途加入し、自主的に積み立てを行わなければなりません。
【参考】個人事業主の老後資金対策!加入できる年金制度をざっくり!
一方、法人の場合には個人事業主が加入できない厚生年金や企業年金など各種制度に加入できることから、退職した後の老後の資金対策がしやすいのです。
③「低所得者」の恩恵を受けることができる
個人事業から法人に切り替えることで、単なる税制面以外の恩恵もあります。
例えば、法人とはいえ実質個人事業なら、自らの役員報酬を下げることで「低所得者」になることができます。
低所得者になることで、例えば、
- 保育園の利用料が割安になる
- 子供手当が満額もらえる
- 学費が安くなる
など、社会保障面での優遇を受けやすくなります。
税金が安くなるのに加え、社会保障面での各種優遇を受けられるようになるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
法人化にあたり気をつけたいデメリットや注意点
一方で、気をつけなければならないデメリットや注意点もいくつかあります。
①赤字、損失がある場合でも納税の義務が発生する
まず、赤字や損失がある場合でも納税義務が発生します。
所在地や資本金の額にもよりますが、法人住民税として、凡そ年間7万円以上、納税の義務が生じます。
これは、赤字であったとしても、法人としての活動が全くなかったとしても、原則として払わなければならない税金になります。
②会計、経理など事務作業が複雑化、増加する
個人事業なら、ワンオペ、もしくは数名の従業員を雇うだけで成り立つケースもあります。
しかし、組織を拡大していくとなると、個人事業主ではなかなか難しい局面に行き当たるでしょう。
法人化に伴い従業員や役員を雇い、企業規模が大きくなれば会計や経理、その他事務作業が複雑化、増加するのは当然とも言えます。
決算書の作成義務も生じ、経理業務の手間は増えてしまいます。
③交際費の経費計上に上限がある
また、業務における「交際費」の経費計上に上限がつくことも法人化のデメリットの一つです。
個人事業の場合、飲食店など外で仕事をした場合や取引先と会食する際にかかる飲食代や交通費、その他交際費は業務遂行に必要な支出として(もちろん適切であれば)全額経費として計上できます。
一方で、法人の場合は、内容の如何を問わず上限が決まっていることから一部交際費を費用計上できないことがあります。
資本金が一億円以上ともなると、交際費の費用計上自体が出来なくなってしまいます。
まとめ
ここでは、法人化することによるメリットとデメリット、法人化を検討する分岐点について見てきました。
検討するポイントは様々ありますが、ここで触れたものはあくまでの基準の一つとみなし、他の税負担や業務における手間、コストを考慮した上で慎重に決定するようにしましょう。