フリーランスの契約書で確認すべき必須の7項目

フリーランスのあなた、契約書をちゃんと交わしていますか?

クライアントに何となく言い出し辛く、契約書がないまま業務を請けていませんか?

「よく分からないから」という理由で、そのままにしていませんか?

フリーランスとして組織に属さず生計を立てている方にとって、契約書はとても大切なもの。

トラブルになった時、自分を守ってくれるものでもあるのです。

今回は、フリーランスが契約書を交わす時、必ず確認しておくべき7つの項目と注意点について解説していきます。

【参考】源泉徴収とは?フリーランスや副業者のために基本から丁寧に

 

フリーランスの契約書

 

フリーランスにとっての契約書

契約書は、フリーランスがクライアントとの取引で権利と利益を守る上でとても大切なものです。

書面等による契約をしっかり交わさずに仕事を請けると、何かあった際に困るかもしれません。

そして、契約を交わしていれば良い、というだけでなく、その中身もとても重要。

  • 必要事項がしっかり記載されているか
  • 不利な内容になっていないか
  • 不備がないか

その中身をしっかり確認することも決して忘れてはいけません。

弁護士にお願いすると高くつくので、ある程度は自分で理解しなければならないのです。

【参考】副業者、フリーランス必見!青色申告と白色申告の違いまとめ

 

契約書で確認必須の7項目

それでは、契約を交わす際に必ず確認すべき7つの項目について見ていきましょう。

 

1、契約の形態

まず、クライアントと締結することになる契約の「形態」をクリアにします。

基本的には「業務請負契約」を結ぶことになるでしょう。

しかし、業務請負契約は、厳密に言うと

  • 請負契約
  • 委任契約

の2つの種類があります。

請負契約は、例えば、ライター職やデザイン職など、成果物を作成し、完成させることを目的とした契約です。

一方、委任契約は、業務の遂行を目的としており、講師や研究職の仕事でよく交わされる契約となります。

契約の形態がはっきりしていないと、報酬の支払い等でクライアントとトラブルになるリスクも。

仕事を完成させて、ようやく報酬の対象になるのか。

それとも、遂行すれば、その行為が報酬の対象になるのか。

ここは慎重に判断しなければなりません。

 

2、契約期間と解約

そもそも契約期間が設定されているのか、その有無を確認するのも必須です。

いつからいつまでの契約なのか、具体的な日付、期間が記されているかを確認しましょう。

また、延長や解約の条件についても忘れずに確認します。

契約期間は、契約書の必須記載項目。

期間が契約書に記されていないと、不備があるとみなされ、契約そのものが無効になる恐れがあります。

 

3、報酬金額と支払い条件

仕事に対する報酬と、その支払いに関する項目も決して見逃してはいけません。

  • 報酬金額の決定の仕方
  • 具体的な金額
  • 報酬の支払い期日
  • 支払方法

について、抜け漏れがないようにチェックします。

これが曖昧だと、計算方法で揉めたり、支払日で揉めたりすることもあります。

「支払日は半年先、これが業界の常識。」

なんて言われたら、フリーランスはたまりません。

また、経費や消費税、源泉徴収などの詳細についても、必ず実際に業務が始まる前に、お互いに認識を共有しておきましょう。

 

4、業務内容とその範囲

これも、フリーランスとして仕事を引き受ける際に最も重要な項目の一つ。

受注することになる業務の内容とその範囲、です。

特に、金額が月額で固定されていたりする場合に要注意。

これが契約書にしっかり記載されていないまま仕事を始めてしまうと、「あれも、これも」とクライアントから仕事を押し付けられる可能性があります。

何が業務範囲内で、何が業務範囲外なのか。

自分の権利と利益を守るためにも、しっかり確認しておきましょう。

 

5、成果物の権利

主に請負契約において、納品した成果物の著作権や知的財産権などの法的権利は、基本的に納品と同時にクライアント側に譲渡されることになります。

それを知らないまま、成果物を勝手に扱うと、クライアントから訴えられたりすることもあります。

権利関係がどのようになっているのかについても、注意が必要です。

 

6、秘密保持に関すること

秘密保持に関する項目も、契約書に盛り込まれているか必ず確認しましょう。

契約を結ぶ両者が業務上知り得た情報をお互いに守る上で必要なことなのです。

基本的には、

  • 個人情報
  • 顧客情報
  • その他機密情報

となりますが、その他に勝手に使われたくない情報がある場合には、クライアントに直接問い合わせ、契約書に記載してもらうように依頼します。

また、自分の仕事について、知人にペラペラと喋ってしまうと、秘密保持に抵触する可能性もあるので、注意が必要です。

 

7、損害賠償と所轄裁判所

万が一、損害を伴うトラブルが生じてしまった際の対応について記載されている項目も、必ず確認しましょう。

  • 情報の流出や納期の遅れ等で損害賠償が発生するケース
  • 裁判になった際の、管轄の裁判所

について記載されています。

【参考】下請法とは?フリーランスが最低限知っておくべき法律の基礎

 

その他注意事項

以上、主要な7項目について解説しました。

しかし、これら以外の注意事項として、当然のことではありますが、

  • クライアントの事業者名
  • 住所
  • 連絡先
  • 署名

が正確に記載されているか確認します。

事業者名や住所は、国税局の法人番号公表サイトから確認することができます。

契約書は、書面、もしくは専用のオンラインサービス上のいずれかで発行されることになるでしょう。

媒体を問わず、いつでも見たい時に見られるように保管しておきましょう。

【参考】フリーランスのトラブル予防策は?事前に備えておくべきこと

 

まとめ

フリーランスにとって契約書は、スムーズに業務を遂行し、クライアントとのトラブルを防止するために非常に重要なものとなります。

契約書に不備があったり、契約書無しで、口約束だけで仕事を受けてしまうと、トラブルが生じた際に自分の権利と利益を守ることができません。

数千円等、本当に規模の小さなものであれば、不要と判断することもあるかもしれません。

しかし、一定額以上の取引になる場合は、契約内容の確認は徹底して行いましょう。

不明点がある場合や悩んだ時は、詳しい人に助けを請うのも一考です。

【参考】地雷クライアントとは?フリーランスを悩ませる取引先の特徴

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