メンター無くして事業の成功はない、と言うと言いすぎでしょうか。
しかし、そのように言う人もいるほど、若手起業家にとってメンターは大きな存在。
人事制度や若手の育成制度が整った大企業であれば、メンターには馴染みがあるかもしれません。
制度としての定着も見せつつありますが、これ自体は、まだ世の中的には新しい言葉です。
ここでは、メンターの概要を踏まえた上で、有益なメンターを探す際の基準や見つけ方、上手な付き合い方について解説します。
【参考】メンター制度とは?定番になった仕組みのメリットと注意点は
メンターとはどんな存在?
「メンター」とは、良き指導者、優れた助言者、恩師、という意味があります。
経験の浅い若手起業家にとっては、経営のイロハを教えてくれたり、支援してくれたりする先輩の経営者や、師匠に該当する人でしょうか。
会社の設立、事業の開始のための手順くらいは、何とかなるかもしれません。
しかし、経営者としてやるべきこと、知っておかねばならないことは多岐に渡ります。
初めての場合は何かとつまずくことやできないことがたくさん出て来るでしょう。
そのような時、正しい方向に導いてもらい、事業を加速させるのにためにもメンターの存在は欠かせません。
メンターの探しの基準と見つけ方
先輩の経営者なら誰でも良いわけではありません。
自分に合った、良いメンターを見つける必要があります。
まず、良いメンターを見つけるための基準について見ていきましょう。
好意を持てるか、共感できるか
まず、メンターとなり得る人に直接会った際に感じる第一印象は、思いの外重要。
当たり前かもしれませんが、本当にこの人でいいのか見極める上で非常に重要な評価基準の一つ。
見た目や装い、話し方などをよく見てみましょう。
その人に対して好感をもてるでしょうか。
実際に話をする中で、その人の考え方に共感できる部分が多いかどうかを判断します。
経営者には、立派な人もいますが、胡散臭い人もたくさんいます。
言行不一致や、常識を踏まえての違和感がある場合は要注意です。
実績を出しているか、現在進行形で活躍しているか
次に、その人に経営者としての実績があるのかという点も忘れてはいけません。
実績のある経営者なら、何かしらメディアでも取り上げられているケースが多いもの。
試しにGoogleで検索してみるのも良いでしょう。
しかし、過去の実績といっても「遠い昔の話」ではない方がよいでしょう。
時代は、どんどん移り変わっていくもの。
変わらないものもありますが、変わってしまうものも沢山あります。
現在進行形で活躍しているわけでなければ、トンチンカンな意見がたくさん出て来る可能性があります。
自分がやっている事業領域に十分な知見があるか
そして、メンターになり得る人が、自分がやっている事業に精通しているか、十分な知見があるかという点も重要です。
たとえ有名な凄腕の経営者だったとしても、全く違う分野、関連のない分野で活躍している人の場合、的外れな助言しかもらえなかったり、精神論、根性論しか言わない場合があるためです。
書籍で見つける
世の中には無数の経営者が存在します。
あてもなくメンターになり得る人を探そうとしてもただ無駄に時間を費やすだけかもしれません。
少しでも効率的に見つけるために、まずは「書籍」を当たって見るのも良いでしょう。
オンラインのブックストアでも構いませんし、実際の書店でも構いません。
ビジネス書のコーナーに行けば、業種、業界、もしくはテーマごとに本がジャンル分けされています。
自分に必要な書籍を見つけることで、その著者についても知ることができるでしょう。
本を購入し、その書籍を読んでおくことで実際に会った際に話が盛り上がりやすくなるでしょう。
ブログやSNSで見つける
ブログやSNSで探すという方法もあります。
このご時世においては、このようなことをしている経営者は少なからずいそうなものです。
経営者のSNSにダイレクトメッセージを送ったり、ブログに返信したりしてファーストコンタクトを取り、徐々に関係を深めていくという方法もあります。
しかし、ネット上では、自称経営者や情報商材の販売など、勧誘目的で網を張っている人が多いのも事実。
本当に信用、信頼できる人なのか、十分に注意しましょう。
多くの人と交流して見つけ出す
また、最初から目的ありきで無理にメンターを見つけようとする必要もありません。
起業家や起業志望者が集まるイベントなどに参加し、多くの人と交流した上で、相応しい人を自然に見つけ出せることもあります。
【参考】アルムナイ制度とは?導入のメリット3つと成功のポイント3つ
素朴な疑問
何をもって「メンター」と認定するかは。人それぞれ。
良い人を見つけたら、直接的に、
「メンターになって下さい!」
と頼み込むのも良いです。
また、自分の中で、「勝手にメンター認定」するのでも問題ありません。
何か有益なことを教えてもらったとしてもそれに対して対価を払う必要はありません。
しかし、食事を同席した場合は、自分が支払いをするなど、何かしらの形で感謝を伝えることは最低限のマナーです。
【参考】メンタルヘルス対策は十分?心の健康を守るためにすべきこと
メンターとの上手な付き合い方
メンターはあくまでも一人のサポーターに過ぎません。
依存したり、過去に傾倒したりするのは考え物です。
自分の事業は、自分の責任で動かしていくもの。
あくまでも自分自身が主体的に動いて事業を進めていく、という姿勢が重要になります。
また、何か行動する前から質問したり助言を求めたりするのも控えましょう。
相手だって、商売でやっているわけではありません。
「面倒くさいな」
「相手にするだけ時間の無駄」
と思われてしまっては、元も子も有りません。
【参考】共同経営とは?「仲良し起業」の失敗パターンを知っておこう
まとめ
若くして急成長を成し遂げた起業家には、良いメンターがいた、とも言われます。
しかし、年配の経営者の中には、ただの意識高い系の人や、若い起業家を食い物にする悪い人もいるということも忘れてはいけません。
自分を子分のように扱おうとする人も、中にはいるかもしれません。
人格をしっかりと見極めて、学べる良いメンターを見つけましょう。