地方起業する人を、SNSでチラホラ見る人がいるかもしれません。
かくいう筆者の知人も、都会から田舎に帰って起業したりしています。
傍から見るとうまくやってそうにも見えるのですが、よく聞くと苦労も多そう。
起業する際、どこで事業を立ち上げるか、どこに拠点を設けるかは重要な経営戦略の一つ。
今回は、都会で起業する場合、地方で起業する場合、それぞれの魅力や必要な心構えについて比較しながら解説します。
【参考】田舎で成功を!注目を集める田舎起業のメリットと成功の秘訣
都会で起業するメリットと心構え
まず、都会で起業するメリットについて見ていきましょう。
便利なことが多い
都会でビジネスを始める最大の魅力は、なんと言っても便利なことが多いことです。
- 電車、新幹線、飛行機などの交通手段
- シェアオフィス、レンタルオフィスなどの施設
- 光回線などの設備
- その他の技術、インフラ
どれを取っても地方に劣ることはほぼなく、常に最新・最適な環境の中で事業を進められます。
常に新しい情報が入り、時代を先取りできる
市場のトレンドは都会から発信されることが多いもの。
そのど真ん中にいることで、常に新しい情報が入ってくるのです。
そのため、今世の中で求められていることや社会動向を見極めやすくなります。
それを事業に取り入れていけば、本当に求められるサービスをリアルタイムで提供できます。
地方でもインターネットで情報が入るとはいっても、都会には勝てません。
何より、情報の量や質、鮮度が圧倒的に違います。
街を歩いて見聞きする情報には、Webでは手に入らない者もたくさんあります。
人材が豊富
都会には多くの人や企業が集まり、また有名大学も密集しています。
そのため、新卒、中途を問わず、多様なスキルを持った幅広い人材にアプローチ可能。
とはいえ、最近は、オンラインによる採用活動やリモートワークも増えてきているご時世。
オフィスを構える場所は関係ないように思われるかもしれません。
しかし、実際に社員が入社し、働くとなるとやはりアクセスの良い都会に拠点があったほうが、事業者側にとっても、従業員側にとっても利便性が高いのです。
次に、都会で起業する上での心構えについて見ていきましょう
コストを抑えるための取り組みが不可欠
都会の場合、確かに利便性は高いですが、オフィスを構えるとなるとコストが嵩みがち。
特に、固定費が大きな負担になりがちです。
その負担によって経営が苦しくなってしまっては困るため、分散型オフィスやシェアオフィスの利用、リモートワークの推進などコストを抑えるための施策の検討が必要になることもあります。
競争が激しくなることを念頭に置いておく
都会の場合、他に競合も多いことから、必然的に競争は激しくなります。
業態にもよりますが、競争に勝てるとは限らないためその覚悟を持つことはもちろんのこと、競争に敗れた際どのような対処をするのか、事前に想定し、その案を考えておかねばなりません。
【参考】始めるならこれ!サラリーマン向け週末起業のアイディア3つ
地方で起業するメリットと心構え
次に、地方で起業する場合のメリット、について見ていきましょう。
起業にかかるコストを抑えられる
地方の場合、起業に必要な支援を関係各所から受けられることがあります。
よって、都会での起業に比べ、起業当初の資金の手出しを抑えられるメリットがあります。
例えば、
- 地方創生、町おこしのための国や自治体による補助金や助成金
- 移住、引っ越しに必要な資金の助成
等々、調べてみれば分かると思いますが、豊富な支援があるはずです。
【参考】地方でのチャレンジを応援!~地方へ移住、起業で最大300万円~(内閣府)
生活費も割安
オフィスの家賃も含め、住宅の家賃や食費、光熱費、その他費用も都市部より割安です。
ビジネスや生活にトータルでかかる費用を抑えられるのも地方で起業する魅力の一つです。
そのため、最初に貯めた資金で、より長期的な計画を立てやすいと言えるでしょう。
横のつながり、人脈を活かしやすい
地方の場合、既存事業者と地元民との間で既に強い横のつながりが形成されています。
そのため、新規参入する場合には、少なからず抵抗されたり、輪に入れなかったりすることがあります。
しかし、一度コミュニティに属してしまえば、そのつながりと人脈を事業の宣伝やPRに活かせます。
最初に根を張るまでが勝負で、そこから先は比較的安定的かもしれません。
それでは、心構えについて見ていきましょう。
各種支援制度や生活情報に関する事前調査をしておく
地方における起業に伴う補助金、助成金、その他支援制度は、各自治体によってその内容が異なります。
そのため、その対象になるのかどうか、事前に十分に情報収集しておかなければなりません。
また、今まで住んだことのないエリアに移住して起業する際には、事業に関することだけではなく、周辺環境や交通の便など生活に必要な情報についても、実際に起業する前にリサーチしておきましょう。
都市部へのアクセスが良いエリアを選ぶ
もちろん、業態によりますが、取引において、相手先企業に訪問する機会は必ずあります。
また、調査や講演等、様々な理由で都市部に行く機会が出て来るでしょう。
車しか移動手段がない場所や、人里離れた場所などに事業の本拠地を構えてしまうと、移動の際に何かと不便になります。
移動へのハードルが高いと、都市部で得られるチャンスを、みすみす逃してしまうことも多くなるでしょう。
そのため、公共交通機関が発達し、何かあった際に都市部にすぐアクセスできるエリアを選ぶことも重要です。
ITを活かしてデメリットをカバーする
地方で起業する場合、アプローチできる人材にも限りがあります。
人手不足に陥ったり、優秀な若手が集まらなかったりするデメリットが生じるでしょう。
移動するにしても、物を送ったり受け取ったりするのにも、ビハインドがあります。
そのデメリットをカバーできるとしたら、ITの力です。
リモートワークやオンライン採用を積極的に推進するなど、ITを活かした事業運営を心がけましょう。
【参考】ワーケーションとは?夢のような「未来の働き方」を先取り!
まとめ
都会には都会の良さ、地方には地方の良さがあります。
事業の内容や目標を十分に考慮した上で、起業する場所を決める必要があるでしょう。
どこに拠点を構えるかは、事業そのものの方向性、将来性を決めるための大きな要因となります。
十分な時間をかけて、じっくりと検討するのがお勧めです。