開業届とは?基礎知識と個人事業主が提出すべきメリット2つ

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開業届は、起業や新規事業の立ち上げに伴い、個人事業主になるとまず提出をすることになる書類です。

これは円滑に事業を進め、納税義務を確実に果たすために重要な書類の一つ。

しかし、開業届とはどんな書類なのか、どのように作成し提出するのか、また、提出の重要性や意義についてはっきりと分からない方もいるでしょう。

この記事では、個人事業主としてこれから事業の立ち上げを検討されている方、もしくは将来的に起業したいと考えている方のために、開業届の基礎知識や提出するメリットについて詳しく解説します。

【参考】起業の準備一覧!14項目の最低限やるべきことをリストで整理

開業届

 

開業届とは?

開業届

開業届とは、新規事業の立ち上げや開業をした際に、その事実を最寄りの税務署に知らせるための書類で、正式には「個人事業の開業・廃業届出書」と言います。

所得税法により個人事業主は開業日から1ヶ月以内に開業届の提出が義務づけられています。

提出しなかったとしても罰則はありません。

また、開業届には「個人事業の開業・廃業届出書」に加え、都道府県税事務所に提出する「個人事業税の事業開始申告書」や「青色申告承認申請書」も含まれます。

※個人事業税の事業開始申告書

個人事業税の事業開始申告書

※青色申告承認申請書

青色申告承認申請書

これらの書類は管轄の都道府県によって提出の有無や提出期限が異なるため、事前に調べた上で手続きをしましょう。

 

開業届は税金を滞りなく納めるため書類

会社や事業の従業員として働く場合、納めるべき各種税金は給与から自動的に引かれます。

よって、サラリーマンとして働いている限りにおいては、納税に関して気にする機会は少ないでしょう。

しかし、一事業の主として事業に携わる場合、納めるべき税金の把握、そして納税の徹底は個人事業主が果たすべき重要な責務となります。

税務署と連携し、その責務を全うするためにも開業届の提出は必要となるのです。

【参考】副業から起業へ!段階を踏んだ起業のメリット3つと注意点3つ

 

開業届の入手方法と提出方法

各種開業届の書類は国税庁の公式ホームページからのダウンロード、もしくは最寄りの税務署で入手できます。

記入事項は主に、事業所もしくは事務所の屋号、所在地、事業の種類や内容に加え、事業主の住所や氏名、電話番号などの個人情報が含まれます。

提出方法は基本的に管轄の税務署に持参する形となりますが、e-tax(国税電子申告・納税システム)を利用すれば、オンラインでの提出も可能です。

e-taxは、最初は使い方が分かりにくくて面倒に思うかもしれませんが、慣れてしまえば大幅に時間が節約でき、「こんなに素晴らしいシステムがあるのか!」と思ってしまうほどです。

e-tax

是非、e-taxについても使いこなせるようになることをおススメします。

 

開業届を提出するメリットとは?

事業開始の通知、そして納税義務を果たすことが開業届を提出する主な目的となりますが、実は、提出することによって個人事業主に以下のメリットがあります。

 

①青色申告で節税が可能になる!

開業時に「青色申告承認申請書」を提出している場合、青色での確定申告を選択することができます。

青色申告を利用することで、

最大65万円の特別控除の利用

最長3年間の赤字を所得税額から差し引くことも可能です。

また、従業員に親族や配偶者がいる場合には、

給与などを経費として計上することもできるので、節税につながります。

 

②屋号を名義にした銀行口座が作れる!

開業届の提出は、個人事業主として事業を行なっていることを正式に証明してもらうという意味合いもあります。

そのため、法人の登記のような証明制度がない個人事業の場合でも、銀行口座開設時に事業の屋号を名義として認めてもらえる可能性が高まります。

屋号名義の銀行口座があれば個人名義の口座との区別が容易になり、収支報告や帳簿付け、また確定申告の際に手続きがスムーズになるでしょう。

【参考】税金対策してない?知らないと損する個人事業向けの対策9つ

 

開業届提出時の注意点

開業届を実際に提出する際、事前に以下の2点について注意しましょう。

 

①失業手当が受けられなくなる

会社を退職し失業手当を受給中の方が個人事業主として開業届を提出すると、失業手当がもらえなくなります。

そもそも失業手当とは、以前勤めていた会社から退職し現在離職中、もしくは求職中の方が生活費などに困らないようにするための制度です。

しかし、個人事業主として開業届を提出し、正式に事業者として承認されると受給資格がなくなり、失業手当は廃止になります。

安定した生活を維持しながら事業設立を測るためにも、会社員として転職するか、事業主として事業を始めるかその判断を明確にし、しっかりと時期を見極めた上で開業届の提出をしましょう。

 

②健康保険料納付義務の発生

もともと親や配偶者の扶養に入り、健康保険料の納付が免除されていた方が開業届を出し個人事業主になった場合、扶養から外れる可能性があります。

扶養から外れてしまった場合、健康保険料の納付義務が発生するため、別途その手続きをしなければなりません

年収が一定額以下の場合には扶養に入れる、自営業の場合には扶養から外れる、など加入している健康保険組合によってその条件は異なるため、事前に確認しましょう。

 

まとめ

事業立ち上げのための準備や諸手続き、納税など、個人事業主の責任は従業員に比べて圧倒的に大きくなります。

開業届の作成と提出は、事業を円滑に進め利益を得るためにも大変重要な手続きです。

個人事業主としての責務を全うするためにも、以上の内容をぜひ参考にし事業に役立ててください。

【参考】週末起業のアイディア3選!サラリーマンが始めるならこれ!

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