遊休地をチラホラ、都心ですら見かけます。
コロナの中ですら不動産の価格が上がっているとされる都市部でも、そんな状況。
その多くは、高齢の方が持っているとも言われています。
そのような遊休地をふとしたきっかけで相続したりして、どうしようかと思っている人も少なくないようです。
この記事では、遊休地を活用する上で考えておくべきポイントや注意点について解説します。
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遊休地として土地を遊ばせておくのはもったいない
遊休地の活用とは、土地や空きスペースなど、所有している不動産を有効活用して収益を得ることを意味します。
不労所得が得られるだけでなく、節税につながることも事業を始めるにあたっての大きなメリットと考えられます。
遊休地を放置しておくと、固定資産税や都市計画税、また相続する際には相続税などの納税義務が発生し、また清掃など管理のための時間とコストもかかってきます。
しかし、資産として遊休地を有効活用できれば、収益源にすることも可能です。
アパートやマンションなどの賃貸経営が遊休地活用ビジネスの主流ですが、コインランドリー、コインパーキング、貸倉庫、太陽光発電など小さなスペースでも始められる事業も複数あります。
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遊休地の活用にあたり押さえておくべきポイント4つ
遊休地の活用による収益は、モノによっては不労所得という位置付けにもなるため、ラクして稼げるという印象がありますが、必ずしもイメージ通りに行くわけではありません。
事業を始める上で、考えなければならないポイントも複数あります。基本的なことではありますが、以下の4つについてはよく考えておきましょう。
①立地に適した事業ができるか
土地によってはあらかじめ使用目的が定められている用途地域の場合もあります。
用途地域になっていると、自分の土地だからといって何でもできるわけではありません。
遊休地の活用にも様々な制約が課されることがありますので、どのような制限があるのかを見た上で、どんな事業を始めるべきか、どんな事業が適しているのか判断します。
それを判断する指標としては、まずは都市部なのか地方なのか、人口は多いのか少ないのか、といった地域性が挙げられます。
人の往来が活発だがスペースが限られている都市部においては賃貸経営や、コインパーキングなどが適しているかもしれません。
レンタルスペースや、貸しロッカーも選択肢に入ってくるでしょう。
一方で、人の往来はあまりないけど広いスペースを利用できる地方においては、貸倉庫や太陽光発電などが向いています。
このように、立地条件に適した形態で事業を始められるかを見極めることは今後の事業展開において非常に重要です。
②初期投資の予算は十分に確保できるか
遊休地を活用するビジネスは、多くの場合、人件費や固定費、維持費など経営コストは店舗経営ほどかかりません。
しかし、設備を整えて事業を開始するためには、ある程度の初期費用については覚悟しておく方が良いでしょう。
規模によって異なりますが、コインパーキングの場合300万円程度〜、15坪のコインランドリーの場合2,000万円前後〜が目安となります。
貸倉庫に関しては、20坪屋内の場合250万円程度〜、50坪屋外の場合600万円前後〜の初期費用が発生します。
自己資金や融資、借入をした場合、どれくらいの資金が集められるのか想定した上で初期費用の予算を立てていきます。
③安定性のあるリターンが見込めそうか
事業を始めても実際に収益が発生しなければ初期費用が無駄になってしまいます。
また、一時的ではなく安定して継続的に収益が得られるかというのも事業を始める上で見極めるべきポイントの一つです。
アパートやマンションの賃貸経営など初期費用の額が高い事業ほど大きな収益を期待できますが、コインランドリーや貸倉庫などユーザーの定期的な利用がある事業形態の方がリスクは低いかもしれません。
④節税が見込めるか
収益化ではなく、節税対策の一環として事業を始める方もいます。
小規模の貸倉庫やコインパーキングの場合はあまり期待できませんが、比較的規模が大きい賃貸経営の場合には固定資産税、都市計画税などの一部を節税できます。
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遊休地を活用したビジネスにおける注意点
立地条件、初期費用、収益性、安定性、また節税効果など人によってそれぞれ重視するポイントは異なりますが、以下の3つはいずれの場合においても気をつけるべき注意点となります。
①中長期的な事業展開を想定する
土地活用ビジネスは原則として中長期的な事業展開を想定します。
特に初期費用を多く必要とする事業の場合、最低限元が取れるまで事業を継続しないと損失、負債を抱える状況に陥ってしまうからです。
ブームだからといって安易に飛びついてしまうのは禁物。
一時期ブームになって儲かっているように見える人がいたとしても、多くの人が同じビジネスに参入することで、競争過多に陥り、大損してしまうことがあります。
事業計画や経営プランを練る際には事業の継続性が見込めるかという点を必ず考えましょう。
②社会動向、ニーズにも注目する
土地や物件など不動産の価値やニーズは常に変動しています。
景気や社会情勢によって価値が大幅に下がることも然り、逆にニーズが増えて価格が高騰することもあります。
そのため、それらを考慮した上でいつう遊休地を活用した事業を開始するのかそのタイミングを見極めることも収益に大きく影響します。
③場合によっては売却も検討する
土地のある場所や状況によっては、事業を始めたとしてもあまり収益が見込めない、むしろ損失が発生するケースも珍しくありません。
かといって放置したままだと税金がかかってしまいます。
不利益を被るのがイヤな場合は、不必要に拘り過ぎず、土地を手放す、売却する選択も念頭に置いておくのが賢明です。
まとめ
以上、ポイントや注意点について解説しましたが土地活用ビジネスを始めるためには専門的な知識はもちろんのこと、ニーズの調査、分析が必要になります。
この手のビジネスは、一度失敗してしまうと、軌道修正するのに多大な労力と費用が必要になることが多いものです。
あまり自分に自信がないようであれば、誰かに相談しながら、慎重に進めたいものです。