登記事項証明書とは?取得方法は?不動産業の基礎知識

不動産の事業に携わっていると、「登記事項証明書」という言葉を頻繁に耳にします。

これは、

「不動産は誰のものか?」

「誰がどのような権利を持っているのか?」

について証明する、重要な書類。

不動産の権利関係で裁判になった時に、有力な証拠となる最後の拠り所と言えます。

今回は、不動産投資や不動産売買に従事する際に必ず知っておくべき、登記事項証明書の主な使途や記載されている内容、取得の仕方について解説します。

【参考】媒介契約とは?不動産売却の前に知っておくべき種類と選び方

 

登記事項証明書

 

不動産の登記事項証明書とは?

登記事項証明書とは、所在や面積、構造など不動産の基本的な情報や所有者、抵当権などの権利情報が記載されている公的な証明書です。

その登記事項証明書にも、いくつか種類があります。

  • 不動産に関する全ての情報が記載されている「全部事項証明書」
  • 現在有効となっている情報だけが記載されている「現在事項証明書」
  • 特定の情報だけを抜粋して記載されてる「一部事項証明書」
  • 過去の不動産に関する「閉鎖事項証明書」

の4種類あります。

投資や売買など、不動産関連の事業を行っている場合、登記事項証明書の取得が必要となるシーンがあります。

そのため、使途やアクセスの仕方など最低限のことは知っておかなければなりません。

  • 不動産を売却する時
  • 不動産を相続する時
  • 金融機関のローンを組む時
  • 登録免許税の減税申請

等々、様々な状況で取得する必要が出てくるでしょう。

【参考】サブリース契約とは?初心者の不安に付け込る手口の注意点!

 

登記事項証明書の見方と内容

登記事項証明書の内容は、主に3つの項目に分かれています。

  1. 表題部
  2. 権利部(甲区・乙区)
  3. 共同担保目録

基本的には、これらが全て記載されているケースが多いでしょう。

しかし、場合によっては表題部のみ、もしくは表題部と権利部甲区のみの記載になっていることもあります。

 

1. 表題部

まず、表題部は、不動産の物理的現況が記載されている項目です。

土地の場合は、

  • その土地が実際に在る場所を示す「所在」
  • 不動産登記においてその土地に付与された番号を示す「地番」
  • 土地の用途や種類を示す「地目」
  • 土地の広さを示す「地積」
  • アパートなど建物の場合は、建物の用途を示す「種類」「構造(木造・鉄筋・コンクリート)」「床面積」

などが記載されています。

また、建物の場合、車庫や倉庫など、主たる建物と一体となって使用される可能性がある建造物が同じ敷地内にある場合、「附属建物」として記載されます。

 

2. 権利部(甲区・乙区)

次に、権利部は、その不動産の権利関係を記した項目となります。

この部分は、

  • 所有権に関する情報が記載されている甲区
  • 所有権以外の情報について記載されている乙区

の2つに分かれています。

甲区には、

  • 現在も含め、過去の所有者の住所、氏名、登記を行った原因や理由について記されている「登記の目的」と「権利者とその他事項」
  • 登記が行われた際の「受付年月日」「受付番号」

が記載されています。

乙区は、所有権「以外」の権利に関する事項が記されている箇所。

具体的には、

  • 抵当権の設定など「登記の目的」
  • 登記が行われた「受付年月日」「受付番号」
  • 債権額や債務者、抵当権者などが詳しく記載される「権利者とその他事項」

が含まれます。

 

3. 共同担保目録

権利部の乙区に記載されている抵当権について記載されています。

担保として設定されている土地や建物など不動産が複数ある場合、共同担保目録として記されます。

【参考】遊休地を有効活用する上で考えるべきポイント4つと注意点3つ

 

登記事項証明書へのアクセス

登記事項証明書は、法務局に行けば取得することができます。

法務局は、普通に生活していると馴染みのない場所にあることが多いかもしれません。

しかし、行ってみれば、どうすれば取得できるかは容易に分かります。

「不動産の登記事項証明書取得はこちら」と堂々と看板が出ていたりします。

 

オンラインでも取得できる

もちろん、このご時世、オンラインでも取得可能です。

登記情報提供サービスを使えば、証明書を取らなくても、見ることだけでもできます。

ちなみに、取得費用は1件当たり数百円で、クレジットカード決済も可能です。

そのため、例えば、近所にある空き家や空き地の登記情報について知りたい時、そこの住所さえ分かれば、登記情報を見ることが出来るのです。

【参考】一歩踏み出す前に知るべき賃貸経営のメリット5つとリスク4つ

 

登記事項証明書を使いこなそう

不動産の取引を行う場合には、登記事項証明書の取得が必ず求められます。

必要な時にすぐに取得し、内容をしっかり理解できるよう、その方法や見方について把握しておきましょう。

【参考】不動産投資詐欺の主な手口4パターンと騙されないための対策

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