不動産投資を始める際の第一の関門である、金融機関との融資面談。
もちろん、金融機関の担当者は、ファイナンスのプロ。
決して甘いものではありません。
徹底した対策、準備、そして心構えが必須になります。
ここでは、融資面談においてによく聞かれる質問の例や、その心構え、注意点について解説します。
融資面談、対策は入念に
不動産投資を始めるにあたり、ローンを組む人が大半でしょう。
そして、ローンを組むとなると、必ず金融機関の担当者による面談を受けることになります。
融資面談に臨む姿勢はもちろん、質問への回答によって、融資が実行されるのか、それとも見送りになるのかが決まると言っても過言ではありません。
聞かれる質問は、金融機関によって違いがあるでしょう。
しかし、ある程度のパターン、傾向は決まっています。
スムーズに受け答えをし、良い印象を持ってもらうためにも、対策を立てておきましょう。
【参考】サブリース契約とは?初心者の不安に付け込る手口の注意点!
融資面談時によく聞かれる質問
それでは、具体的に面接時によく聞かれる主な質問を見ていきましょう。
1. 投資の動機や目的
まず、なぜ不動産投資を始めようと思ったのか、その動機や将来的な目的を聞かれます。
- 「不労所得を得たい」
- 「安定した収入を得たい」
などありきたりな回答でも、特段問題はありせん。
しかし、
- 「退職後も現役で活躍していきたい」
- 「早いうちから資産形成をしていきたい」
など、ビジネス的な回答の方が、好印象を持ってもらえます。
2. 借主の属性や家族・親族に関して
また、プライベートなことも、もちろん聞かれます。
- 今現在、どんな仕事をしているのか
- どれくらいの収入があるのか
- 結婚はしているのか
- 配偶者は働いているのか
- 子どもはいるか
など借主やその家族・親族に関することも非常にスタンダードな質問です。
その意図としては、
- 事業が上手くいかなかった時に借主に返済能力があるのかを見極める
- 生活費がどれくらいかかるのかを推測する
といったのが理由です。
3. 投資する物件に関して
購入、投資する物件に関する、細かい情報も必ず聞かれます。
- 自宅からどのくらいの距離にあるのか
- どんなタイプの物件なのか
- 築年数はどれくらいなのか
- 設備の状態はどんな感じなのか
などの質問が出てくるでしょう。
中には実際にその物件を訪問しないと知り得ない情報についても聞かれます。
下見は必ずしておくようにしましょう。
4. 今の所有者が物件を手放す理由
新築物件ではなく、中古物件で、今のオーナーから譲り受けるにあたり、そのオーナーが物件を手放すことになった理由もよく聞かれる質問の一つ。
何かワケありで、劣悪物件を掴まされるのではないか、ということを心配するのです。
この質問についても、しっかりとヒアリングをしておきましょう。
もちろん、これには、本音と建前があります。
相手の言うことを鵜呑みにせず、しっかりと本音を見極めましょう。
5. 空室発生時の対応について
お金を貸す金融機関にとって、空室の発生は返済が滞ってしまう一つの要因。
ゆえに、万が一そのような状況に陥った際の対応についても注意深く質問してきます。
無難な回答としては、
- どれくらいの空室率まで持ち堪えられるのか
- 万が一全室空室になってしまった際、どれくらいの期間なら返済を続けていけるのか
- どれくらいなら家賃を下げても大丈夫なのか
について、具体的な対策と合わせて説明するようにしましょう。
6. 出口戦略について
購入した物件を将来的に売却する予定はあるのか、それとも永続的に所有し続けるのか。
いわゆる、「出口戦略」の有無や、その内容に関しても必ず質問されます。
売却する予定がある場合、「金融機関に迷惑を掛けたくない」と言ったニュアンスの回答だと、印象が良くなりますので、オススメです。
単にキャピタルゲイン狙いなど、投機的な理由を話すと、あまり好印象を持たれません。
【参考】空室保証とは?サブリース契約との違いや加入のメリット
融資面談に臨む際の心構え、注意点
質問に対する回答を考えておく以外にも、面談に臨む際の心構えや注意点があります。
1. カードローン含む借金は清算しておく
面談を受ける時点で、例えば、
- クレジットカードの支払い
- 光熱費
- 携帯料金等の通信費
などの滞納があると、審査において大きなマイナス要素となります。
また、住宅ローンや自動車ローンの残債が多く残っている場合も同様。
借金やローンに関しては、クリアな状態で臨めるように努めましょう。
2. 正装で、一人から少人数で参加する
面談に臨む際の服装は、モノトーンなスーツが良いでしょう。
面談の担当者と同じような服装を意識するだけで、距離が縮まりやすくなります。
また、スーツの方が、しっかりとしたビジネスパーソンであるとの印象を与えられます。
人数は、オーナーになる当人だけ、もしくはプラス配偶者など、なるべく少人数で参加しましょう。
子供を連れていくなどはNGです。
3. 少額でも自己資金を用意しておく
自己資金の有無、そしてその額は、金融機関が融資の実行を判断する上で非常に重要な要素の一つとなります。
サラリーマンが何千万も用意することは難しいかもしれません。
しかし、なるべく多くの自己資金を調達した上で面談に臨めるよう、早い段階からプランを立てておきましょう。
【参考】不動産投資ローンは繰上返済すべき?メリット3つと注意点3つ
融資面談を乗り切って融資を獲得しよう
融資面談は、不動産投資を始めるための第一の関門。
たとえ万全なプランがあったとしても、質問にしっかりと答えられなかったり、態度が悪かったりすると、融資してもらえないこともあるでしょう。
もちろん、融資は、金融機関にとっても非常に大きなリスクを伴うこと。
デリケートな内容まで容赦なく突っ込まれることも珍しくありません。
どんな質問をされてもしっかりと受け答えできるよう、事前調査とシミュレーションを徹底しておきましょう。