不動産投資の場合、投資する物件のタイプによって必要となる資金の額、事業計画、そして収益性が大きく異なります。
当然、世の中の動きに対する感応度も異なるでしょう。
今回は、事業者向けのオフィスビルに投資する場合を想定し、一般的な居住用マンションに投資する場合と比較しながらそれぞれのメリット、デメリットを解説します。
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オフィスビルに投資するメリット・デメリット
それではまず、オフィスビルに投資するメリットについて見ていきましょう。
1. 居住用よりも賃料、利回りが高い
オフィスビルに投資する一番の魅力は、賃料が割高であることです。
一般的な居住用とは異なり、テナント事業が営まれることがあらかじめ想定されています。
そのため、付加価値が生まれやすいのです。
賃料が高ければ、それだけ毎月の家賃収入の額も高くなります。
利回りの良い経営が見込めるでしょう。
デメリットについても見ていきます。
1. 投資を始めるためのハードルが高い
オフィスビルは、ビジネス街など好立地に位置しているケースがほとんど。
規模も大きいことから、物件を購入するとなると億単位の費用が発生するのが常です。
融資を利用するにしても、資金が高額になるため、それだけ審査も厳しくなります。
また、居住用物件に比べ、オフィスビルの物件情報は素人向けにはあまり出回っていません。
情報を手に入れるのも大変でしょう。
2. 景気の影響を受けやすい
オフィスビルの場合、借主である各テナントの事業者が、景気悪化によって業績不振に陥った際に、次々に撤退するという事態に陥ることがあります。
景気が悪いと、不動産の価値も下落し続けるリスクがあるでしょう。
その点に関わるリスクについて、あらかじめ注意しておかなければなりません。
3. 借主が限られるため売れにくいことも
オフィスビルは、あらかじめその物件を利用できる事業者のタイプが構造上、立地上の理由で限られます。
そのため、一度空室になると、次の利用者が見つかるまで時間がかかることがあります。
借主が見つからないと、収入が減り、場合によっては赤字になったりしてしまいます。
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居住用マンションに投資するメリット・デメリット
対して、居住用マンションに投資するメリットについて見ていきます。
1. 景気の影響を受けにくく、安定した収入を見込みやすい
居住用アパートの一番の魅力は、景気の影響を受けにくいこと。
景気が良かろうが悪かろうが、人がいる限り、住居には需要があるのです。
ゆえに、安定した収入を見込みやすいと言えます。
借主がオーナーに対して支払う家賃は、契約時に決めた額となります。
それから、解約まで、その額が変動するケースはほとんどありません。
2. 投資額が比較的小さい
投資額に関しては、オフィスビルに比べて圧倒的に小さいところから始められます。
アパートローンなどの融資も受けやすいことから、初期費用の負担を抑えられるでしょう。
区分投資の場合、数千万円、場合によって数百万円から始められるケースもあります。
もちろん、物件によって異なるため一概には言えません。
3. 空室リスクが小さい
居住用アパートの場合、オフィスビルに比べて借主の契約期間は比較的短め。
一部の入居者が退去してしまっても、新しい入居者は比較的見つかり易いと言えます。
よって、長期間空室が発生し、収入源になるリスクは低めと言えます。
次に、居住用マンションに投資するデメリットについて見ていきます。
1. 経年劣化による費用負担が大きい
オフィスビルの場合、修繕費、原状回復のための工事費用は、基本的にそのテナントを利用していた借主が退去する際に負担することになります。
居住用アパートの場合も、借主の過失による傷の修繕費用は借主が負担します。
しかし、経年劣化に伴う各部屋、共有部分の修繕、リフォーム費用はオーナー負担。
そのための資金対策を別途しておく必要があります。
2. 利回りが低い
居住用物件で投資を始める際は、その利回りの低さについて十分に注意しておく必要があります。
投資を始めてから、ローンの返済が終了するまでの数年間、もしくは数十年間は、赤字か、赤字に近い状態が継続しやすいもの。
資金繰りをしっかり行わないと、すぐに失敗してしまいます。
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賢く投資して着実に儲けよう
オフィスビルへの投資は、居住用よりもビジネスという側面が強いもの。
また、ある程度まとまった資金と事業計画が必要で、敷居が高いことは確かです。
また、投資事業を開始した後もオフィスビルはハイリスクハイリターン。
よって、初心者向けと言うよりはプロ向けかもしれません。
初心者の方がオフィスビルの投資を始めるのであれば、まず居住用アパートで経験を積んだ後で、オフィスビルへの進出を検討するのも良いでしょう。