不動産投資は「アパートローンを利用して始めるもの」というイメージが強いでしょうか。
実際、ローンを組んで始める人が多いということはあります。
しかし、方法はそれだけではなく、資金を調達する方法はいくつかあるのです。
今回は、その一つであるプロパーローンについて、概要を踏まえた上で、利用のメリット、デメリット、また利用時の注意点について解説します。
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プロパーローンとは?
プロパーローンとは、アパートローン同様、不動産投資を始める際の初期費用を調達するために利用できる金融商品の一つです。
しかし、金融機関の独自の審査が必要になるのが一般的。
特に、貸し倒れが起こるリスクを覚悟の上で貸し出すという点において一般的なアパートローンとは異なります。
審査はどのようなものか
アパートローンなどの金融商品は、
- 利用者自身に返済能力や信用はあるのか
- 事業に将来性があるのか
- 収益化が出来て、利益が出ると期待できるのか
- 担保は取れるのか
という点を、保証会社も含めて審査を行い、融資を決定します。
しかし、プロパーローンの場合、金融機関は保証会社を介さないのが通例。
独自の審査基準でそれらを判断するのです。
そのため、プロパーローンの審査は、保証会社による審査よりも厳し目になるでしょう。
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プロパーローンを利用するメリット
プロパーローンは、貸す側にとってはリスクを伴う融資手段。
しかし、一方で、借りる側には非常に魅力的だったりします。
1. 借入の際に柔軟に対応してもらえる
プロパーローンの最大の魅力は、その審査要件の柔軟性にあります。
年収や勤続年数、返済比率等について、一般的なアパートローンの要件を満たしていなかった場合でも利用できる可能性があります。
また、交渉次第で、融資の内容について柔軟に対応してくれるケースもあります。
利用者に信用があり、また事業の将来性、収益性が大いに見込めると判断されれば、融資額や金利などを優遇してくれることもあるでしょう。
2. 保証料が一切掛からない
通常、アパートローンの場合、保証会社をつけることが融資を受ける際の条件の一つとして課されます。
そうなると、融資が決定したら、手数料と合わせて保証料を支払うことになります。
しかし、前述したようにプロパーローンは保証会社を利用しません。
当然、その保証料もかからないのです。
コストが安くて済むでしょう。
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プロパーローンを利用するデメリット
それでは、プロパーローンのデメリットについても見ていきます。
1. 審査がアパートローンよりも厳しく、決済まで時間がかかる
プロパーローンのデメリットは、一般的なローンよりも審査が厳しいことです。
金融機関に「リスクを背負ってでも融資したい」と思わせるほどの材料がなければ、審査には通りません。
場合によっては、審査内容が一般的なものよりも複雑になります。
それゆえ、結果が出るまでに多くの時間がかかることもあります。
2. 融資期間が短く、額も少ないことが多い
金融機関側は、貸し倒れのリスクを最小限に留めようとするもの。
そのため、一概には言えませんが、審査に通ったとしても、少額かつ融資期間が短い内容になりやすい傾向にあります。
よって、
- プロパーローンだけでは必要な資金が十分に集まらない
- 返済時の負担が増えて利回りが悪化したりする
というリスクも想定しておく必要があります。
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プロパーローンの利用における注意点
それでは、プロパーローンの利用を実際に検討する際、知っておくべき注意点について見ていきましょう。
1. プロパーローンが必ずしも良いわけではない
確かに、プロパーローンには魅力的な側面があります。
しかし、必ずしも他のローンよりも優れているとは限りません。
当然、金融機関によってローンの種類、融資額、金利など、その内容は異なります。
プロパーローンよりもアパートローンの方が好条件というケースもあり得ます。
最初からプロパーローン一択とせず、各金融機関が提供しているローンの中身を比較した上で最適なものを選びましょう。
2. 連帯保証人が必要となる可能性が高い
プロパーローンを利用する際、連帯保証人が必要となるケースが多々あります。
借入までの手続きをよりスムーズに済ますためにも、あらかじめ連帯保証人の候補を見つけておきましょう。
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プロパーローンを上手に使おう
プロパーローンは初めて賃貸経営を始める人向けの制度、というよりはすでに経営を始めており、追加で投資物件を増やしたい方向けの制度という側面があります。
アパートローン、プロパーローン、いずれも不動産投資を始める際に便利な融資制度。
それぞれ内容が異なるため、その違いや詳しい内容をしっかりと理解した上で利用しましょう。