不動産投資は、成功すれば大きな利益を得られる可能性があります。
一方で、常に大きなリスクがついて回り、なんの準備や対策も講じずに安易に手を出すと、高い確率で失敗するもの。
特に、営業担当者の上手い営業トークに乗せられると、多くの場合、大火傷が待っていると言えます。
失敗したくないのであれば、他人の言うことに踊らされるのではなく、自分の目で、何が真実なのかを見極めることが出来ねばなりません。
ここでは、不動産投資で失敗したくないなら注意すべき営業トークを5つ、厳選してご紹介します。
不動産投資に安易に手を出すのは厳禁
不労所得の獲得や老後の資産形成のための手段にすることを目的として不動産投資を始める人が以前よりも増えてきているそうです。
しかし、十分な知識がないまま、業者に乗せられて初心者が安易に手を出してしまうと、大抵の場合、失敗に陥ってしまいます。
赤字が長期間続き、収益化の目処が立たないところまでいくと、大きな経済的損失に繋がってしまうことも。
そのような事態に陥らないためにも、不動産投資で陥りやすい失敗パターンについては予め把握しておくのが良いでしょう。
営業担当者に乗せられるのが失敗の王道
不動産投資を始めることによって、資金形成ができるだけでなく、節税効果があったり、生命保険の代わりになったりするというのは、確かに見方によってはそういった側面もあります。
しかし、不動産会社の営業担当者のセールストークを鵜呑みにして安易に手を出したりしてしまうのは高リスク。
営業担当者は、あなたのためを思ってアドバイスしてくれるのではありません。
会社が投下した広告宣伝費や諸々の投資を回収するために、そして営業担当者は、自身の営業成績を賭けて、アプローチしてくるのです。
それでは、気を付けるべき営業トークについて、具体的に見ていきましょう。
①「利回りが高い物件ですよ!」
不動産の取得においては、物件自体の価格だけではなく、物件価格の3~4%に相当する不動産取得税の他、仲介手数料、その後継続的にかかる固定資産税など、様々なコストがかかってきます。
それらを加味していくと、本当の利回りは、営業担当者が出してくる資料や、セールストークに比べると、かなり低いものだったりします。
割高なものを掴まされて失敗してしまうのは、最も典型的な失敗事例と言えるでしょう。
②「税金対策になります!節税できます!」
税金対策ができる、節税ができる、との謳い文句は、営業担当者からよく出てきます。
しかしその実態は、「単に支払いをタイミングを先延ばしするだけ」のこともあります。
税金の支払いが少なくなる、目先の数年のタイミングだけを都合よく切り取って「節税になります」と言ってきたりするから質が悪い。
「それ、30年スパンで見たらどうなるの?」
と鋭く突っ込みを入れることも必要かもしれません。
③「生命保険になりますよ!」
生命保険になるというよりも、生命保険を上乗せで契約する、というのが実態に近いのかもしれません。
「保険になる」と言いながら、結局のところ、払う金額に実質的に保険料が上乗せされているような形になっていたりします。
保険に入っているとみなすのであれば、自分の亡き後、残るのは、現金か、不動産か、という違いだけ。
経済条件を比べて、よくよく考えてみると、「普通に生命保険に入った方がお得なのでは?」と思うようなケースも少なくありません。
むしろ、現金ではなく不動産が残ってしまうと、面倒になったりすることもあります。
もちろんこれは、購入者が死亡したとしても不動産業者が損しないように言っているという側面が強くあります。
④「いい物件のいい立地です!サブリースもつきます!」
好立地の優良物件なら必ず入居者がつくという訳ではありません。
物件が古くなれば、当然家賃も下がっていくことになります。
せっかく需要がありそうな優良物件に見えたとしても、競合や周辺調査を怠ると、入居者がなかなかつかないということは当然に起こり得ます。
また、「サブリースだから安心」と思っていたとしても、家賃が下がっていくということも想定しなければなりません。
「サブリースだから安心」と思っていたところ、家賃減額を迫られてトラブルになっているケースは、少し検索してみれば山のように出てきます。
先行きの見通しが甘いと、思うように収入が得られず、自分の懐から持ち出すことの方が多くなってしまう、ということもあるでしょう。
そして、ローンの支払いよりも家賃が下がってしまうようなことが起こると、諦めて損切りするしかなくなるかもしれません。
そうなると、多額の借金だけが残る羽目に陥ってしまいます。
【参考】サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!(国土交通省)
⑤「全額ローンでいけますよ!」
今では、ローンの審査も厳しくなってきており、ある程度は自分で資金を用意しておく必要があります。
しかし、全額をローンで賄って投資するのは非常に危険。
自己資金が少ないと、金利も高くなりがちで、上手く言ったとしても、ほとんど利益が出ないということになりがちです。
「何とか満室を維持できそうだけど、利益が残るかと言うと、、、あれ?」
ということもあるようです。
リスクだけ背負って、成功したとしても旨味が小さいのであれば、「ハイリスク・ローリターン」ということになってしまいます。
よくよく考えずに突っ込んでいくと、失敗するべくして失敗する、ということになってしまいます。
失敗しないための心構え
「十分な知識を身につけたうえではじめる」ことは鉄則。
あとは「その知識は、誰が言っているのか」に注意することが必要です。
業者の営業担当者から言われたことを信用するというのは、失敗への道の最たるもの。
どの業者も、自分の利益になるように話を進めようとするものだと認識しておかねばなりません。
「節税になる」「保険になる」というセールストークを、営業担当者自身が、会社に騙されて信用していたり、誤解していたりするケースもあります。
そしてもっと酷い場合は、会社自身もよく理解しておらず、社長から担当者まで皆が「常識でしょ」「そういうものでしょ」と信じていたりします。
まとめ
大きなお金が動く話では、様々な関係者の、様々な思惑が入り乱れます。
営業担当者の言葉に振り回されないように、冷静に判断していくことが失敗を回避する上では最も大事であることを肝に銘じておきましょう。