「なかなか商品やサービスが売れない」
「けっこう広告費使ってるのに」
そう思っている方、少なくないのではないかと思います。
それってもしかすると、ペルソナ分析を商品やサービスの開発、広告の運用等に活用することで解決できるかもしれません。
この記事では、今の時代、マーケターの間では常識ともなりつつあるペルソナ分析の概要やメリットとデメリット、実践の手順について解説していきます。
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ペルソナ分析とは?
ペルソナ(persona)とは、企業が提供することになる商品やサービスの典型的かつ象徴的なユーザー像を指します。
よく「ターゲット」と同一の意味として認識されがちですが、ターゲットがざっくりとした想定顧客層であるのに対し、ペルソナは非常に細かい複数の項目からイメージされる顧客を指すため、その点において意味合いが若干異なります。
この「ペルソナ」を設定し、ユーザーのニーズや需要を満たす形で商品の開発、提供、また販促戦略を進めることをペルソナ分析、ペルソナマーケティングと言います。
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ペルソナ分析をするメリットとデメリット
ペルソナ分析を実施するメリットやデメリットについて見ていきましょう。
■メリット
ではメリットについて見ていきます。
①WEBマーケティングにおいて集客がしやすくなる
まず、ネット広告やWebコンテンツ、サイトの作成、運営などのWebマーケティングにおいて、集客がしやすくなります。
よりリアリティのあるユーザー像を描くことができれば
- その人がどのような生活を送っているのか
- どのようなライフスタイルなのか
- 今抱えている問題や悩みは何か
- どのようにすれば解決策できるか
等を特定できます。
それらに即した各種Webサービスを提供することで、顧客のニーズをより深く理解でき、マッチング率が上がり集客がしやすくなるのです。
②顧客の視点を意識しやすくなる
Webマーケティングに限った話ではなく、サービスの開発から販促、集客において顧客の視点を意識することは非常に重要です。
とは言っても、提供者側には予算、人員に制限があることから、どうしても企業側の都合が影響してしまうこともあるでしょう。
しかし、予めペルソナ分析した上で事業に取り組むことで、否が応でも「顧客ファースト」のサービス展開ができるのです。
③社内で共通の認識を持つことができ、そのズレを防げる
比較的大規模なチーム、もしくは複数の担当者がマーケティング事業に携わる場合、理解しているつもりでも想定顧客に関する認識のズレが生じてしまうことがあります。
ざっくりした言葉だと、それぞれが違ったイメージを持ってしまうこともありますが、顧客イメージが詳細に綴られていると、誤解や認識違いが生じる余地がなくなります。
ペルソナ分析によって、社内で共通のユーザー像を事前に特定、共有することでそのズレを防止しつつ同じ認識を持ちながら事業に取り組めます。
■デメリット
ではデメリットについても見ていきましょう。
①分析項目が細かいため情報収集に時間がかかる
典型的なユーザー像を特定し、ペルソナを描くためにはあらゆる要素、項目に関する入念な情報収集や調査が欠かせません。
ペルソナは、リアリティがあり、納得感のあるものでなければならないからです。
その結果、次のステップに進むまでに、何度も練り直したり、調べ直したりで、相当の時間や手間が発生してしまうことがあるでしょう。
②気づかずに間違ったユーザー像を描いてしまうことも
かと言って時間やコストを惜しみ、調査、リサーチ不足の状態でペルソナ分析をすると、不正確なユーザーを描いてしまう危険性があります。
顧客の視点に立っているつもりでも、いつの間にか企業側の都合や偏見が影響し、そのままサービスを展開した結果、なかなか思うような成果が出ないというケースにも陥りかねません。
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ペルソナ分析、実践の手順とポイント
それでは、実際にペルソナ分析する際の実践手順とポイントについて紹介します。
ステップ1:ある程度ターゲットを絞って情報収集する
ペルソナ分析は細かくする必要があるとはいえ、いきなり詳細に行くのではなく、まず、ある程度大まかなターゲットとして描きます。
そして、顧客のイメージを始め、思考や行動パターンについて情報収集をした上で細かくリストアップしていきます。
その際、インタビューやアンケート調査など、直接的にヒアリングすることでより理想的な顧客像を描けるでしょう。
Webコンテンツ作成の場合には、Googleアナリティクスなどツールを用いてサイトに訪れるユーザーの情報を把握していくのもおススメです。
ステップ2:収集したデータをもとに情報の整理、グルーピングする
収集したデータをもとに情報の整理をします。
その際には、
- 年齢、性別、世帯、職業、学歴など量的・質的な値が変化する「デモグラフィック」
- 価値観や嗜好、性格など心理的特性を表す「サイコグラフィック」
この2つの要素を参考にします。
また、ネットの検索ワードを分析することでグループピングがしやすくなります。
例えば、「〇〇大学 偏差値」の場合にはその大学へ進学希望の高校生、もしくは浪人生、「顔 シワ 改善」の場合、およそ30代以降で美容意識のある女性、と大まかな仮定ができます。
ステップ3:ペルソナを設定する
情報の整理、グルーピングができたら実際にペルソナを仕上げていきます。
先ほどの例を参考にすると、「〇〇大学 偏差値」で検索するユーザーは「大学受験を控えている高校生、もしくは予備校生で、自分の学力に少なからず不安があり、進学のための予備校や塾を探している」など、ストーリーテリング、シナリオ風に仕上げると社内における認識の共有もしやすくなります。
まとめ
ITの発展に伴い、顧客の購買行動や選択肢が複雑化している今日において、ペルソナ分析は積極的に活用すべき施策の一つです。
マーケティングを成功させるためにも、コストや手間を厭わずに社内一丸となって取り組んでいきましょう。