インサイドセールス、という肩書を最近耳にするようになりました。
横文字で、何か難しそうなことをしてそうだけど、一体どんな役割を担う人達なの?
普通のセールスと何か違うの?
と疑問を持っている人もいることでしょう。
ここでは、インサイドセールスの重要性や、実践の手順、コツについて解説していきます。
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インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議ツール等、オンラインで使用するツールを用いて行う営業施策の一つであり、原則として顧客と非対面式で(オフィスの中から=インサイドから)行う営業活動のことです。
対面式のフィールドセールスに比べ、出歩く時間がない分、1日により多くの顧客にアプローチすることが可能で、
- 顧客の場所を問わない
- 営業担当者の属人化が防げる
といったメリットがあります。
新規顧客を獲得を目指す、という点においてはフィールドセールスと共通していますが、インサイドセールスの場合、成約の可能性が低い見込み顧客を育成すること、また、成約後も関係を維持し長期的な収益を得ることも実施の目的となります。
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新規顧客獲得までの手順
インサイドセールスを活用して新規顧客を獲得するまでの具体的な手順、流れは以下の通りです。
- 顧客の情報収集
- 顧客リストの作成
- アポイント、ヒアリング
- 営業、成約、関係継続
まず、「1. 顧客の情報収集」についてですが、各種のマーケティング活動を通じて、Webサイトやランディングページ、SNS等から顧客情報を収集します。
次に、「2. 顧客リストの作成」ですが、収集された情報のその内容を精査し、成約見込みが高い顧客からランク付けするなどして、リストを作成します。
「リスト作成」とはいっても、単にスプレッドシートにまとめるのではなく、意味のある順に整理する等して価値のあるリストにしていくことが重要です。
その後、「3. アポイント、ヒアリング」として、成約見込みが高そうな顧客から順にアプローチをかけていき、アポイントやヒアリング機会の獲得を狙いましょう。
ZoomやGoogle Meetでも良いですし、インサイドセールスに活用できそうなツールは世の中にたくさんあります。
そして「4. 営業、成約、関係継続」ですが、実際に商談を行い、うまくいけば成約となります。最後のクロージングの部分だけをフィールドセールスが担う等、フィールドセールスを役割分担をさせることも少なくないようです。
そして、成約したからといってそこで関係を終了させるのではなく、長期的な収益の獲得のためにも、電話やメールでのコンタクト、新規ホワイトペーパーの発行等を行い、関係を継続していくことが大切です。
インサイドセールスの重要性
フィールドセールスは時代遅れである、というわけではありませんが、なぜインサイドセールスの実施が多くの企業で今求められているのでしょうか。
その重要性について考えていきましょう。
①顧客には購入の「タイミング」がある
まず、買い手には商品やサービスを購入、利用する「タイミング」が存在します。
あらかじめそれを想定し、営業をかけたとしても、顧客が抱える様々な事情や問題によって、そのタイミングは一様ではなく、日々変化し続けるため、どんなに営業力がある人がアプローチをかけたとしても、それが必ず上手く行くとは限りません。
顧客との関係を構築しながら定期的に情報収集し、的確なタイミングを見極めた上で、効率的に営業をかけるためにも、インサイドセールスが求められるのです。
②顧客によって「質」が異なるから
顧客と一言で言っても、成約の実現性や成約見込み等によって、その「質」は異なるのが常です。
真剣に購入を検討してくれる顧客もいれば、冷やかしや軽い気持ちで接近してくるケースも少なくないでしょう。
そういった様々な顧客の「質」を見極め、それぞれに適切なアプローチをかけていく上でも、インサイドセールスは重要となるのです。
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実施のポイントやコツ
それでは、インサイドセールスの実施にあたり押さえておくべきポイントやコツについて見ていきましょう。
①感覚ではなくデータを活用しタイミングや質を見極める
顧客の購買タイミングや質を見極めるにあたっては、提供側の思い込みや感覚ではなく、可能な限り、実際のデータや情報を活用します。
BtoBの場合には、買い手の業種、所在地、会社の規模、担当者の役職など概要を始め、その企業が今現在抱えている問題や課題、他社製品やサービスの入り込み具合などの現況について情報収集、データ化し、活用します。
くれぐれも「なんとなく」で見極めるのはやめましょう。
②スクリプトやQ&Aをマニュアル化して臨む
特に電話でファーストタッチを行う場合に顕著ですが、相手側が警戒したり疑念を持ったりして、スムーズなやり取りが難しいケースもあります。
そのような状況を未然に防ぐためにも、トークの流れやスクリプト、Q&Aを徹底的にマニュアル化して準備し、しっかりと対応できるように、そして、担当者によってアプローチの品質のばらつきがでないように工夫、改善を継続してインサイドセールスに臨みましょう。
③やり取りの内容をしっかりと記録に残す
成約を獲得できた/できなかった、いずれの場合においても、次の顧客獲得につなげるために、そして次回のアプローチに繋げるためにも、やり取りの内容はしっかりと記録に残しておきましょう。
成功もしくは失敗した顧客の会社概要や担当者の役職に加え、アプローチの手段や頻度、その他詳細に関して記録化し、そこから改善点を見出し、また、別の担当者がアプローチをするとしても、どういう経緯だったかがはっきりと分かるようにしておきます。
④社員の教育や入念な体制づくりを行う
また、インサイドセールスの実施にあたっては、社員の教育や入念な体制づくりも欠かせません。
そもそもインサイドセールスの意義とは何なのか、といった基礎認識を始め、実施目的や手段、目標についてメンバーの理解を深め、認識を共有します。
また、成果主義やインセンティブの導入など、社員のやる気を引き出すための体制づくりもスムーズな実施にあたり非常に効果的です。
まとめ
インサイドセールスを実施することで、これまでフィールドセールスで費やしていた人材やコストを削減しつつ、より多くの見込み顧客にアプローチができます。
成約見込みが低い顧客、また商品の価格が高い場合など、インサイドセールスだけでは対応しきれないケースもあるため、まずは教育や体制づくりに努め、うまく組み合わせながら実施していきましょう。