マーケティング・コピーライティングで成果を出すには、リサーチが必須です。
そのリサーチに含まれるのは、商品のことだけではありません。
その商品・サービスを使う見込み客や顧客のことも含まれます。
そんなユーザーのリサーチに役立つフレームワーク・法則がOATHの法則です。
この記事では見込み客や顧客が抱えている悩みのレベルを分類するOATHの法則について、具体的な例を交えて解説します。
【参考】GDTの法則とは?ライターが学ぶべきタイトル作成方法
OATHの法則とは?
OATHの法則は、アメリカ屈指のコピーライター、マイケル・フォーティン氏が考案した、顧客の問題意識レベルを分類したフレームワークです。
尚、「OATH」は、以下の頭文字を取ったものです。
- Oblivious(無知)
- Apathetic(無関心)
- Thinking(関心)
- Hurting(悩み)
あなたがアプローチしようとしている見込み客や顧客が、
「商品サービスで解決される問題について、どの意識レベルにいるのか?」
を見極めて、ターゲット設定を行います。
それを元にマーケティングを行えば、成果が出やすくなるのです。
そのため、マーケッターやコピーライターにとっては必須の法則とも言えるでしょう。
なぜ?意識レベルを見極める必要があるのか?
その理由は、意識レベルが異なれば、伝えるメッセージやアプローチする手段が異なることが多いからです。
例えば、マーケティングに関する書籍や教材を売ることを想像してみましょう。
- マーケッターやマーケティングに必要性を感じている社長に向けて売る
- マーケッターでない人やマーケティングに興味がない人に売る
上記は、同じような伝え方でいいのでしょうか?
マーケティングに関心や悩みがある人に向けては、
「マーケティングがなかなか上手くいかないあなたへ」といった短文から始めます。
よくある悩みを羅列して興味を惹き、商品の説明と共に実績を示します。
しかし、マーケティングに興味がない人はこの方法ではなかなか響かないでしょう。
マーケティングがうまくいかないと悩んでいるわけではないので、
「上手くいかないと言われても…」と思われてしまうのです。
興味や関心が弱い人、ない人に向けて売る場合には、もっと別の角度からアプローチする必要があります。
意識レベルによってアプローチを変えると売れる
関心が低い場合
例えば、
- 「ただの会社員だったAさんがマーケティングのスキルを学んで独立できた理由」
- 「社長の罪はマーケティングを知らないこと」
といった言葉で、まず関心や興味を持ってもらいます。
その上で、「そもそもマーケティングとは?」ということを伝える必要があるのです。
また、知識がない場合、ホワイトペーパー(知識をまとめたWeb上の資料)や対面営業などで知ってもらい、その価値に気付いてもらう必要があるでしょう。
関心が強い場合
一方で、関心が強ければWebページ1枚でも商品・サービスが売れることがあるでしょう。
このように、意識レベルによってアプローチや手段は変わります。
ターゲットの意識レベルを知ることは効果的なマーケティング、プロモーションに繋がるのです。
OATHの法則の要素を詳しく解説
それでは、具体的にOATHの法則の要素を詳しく見ていきましょう。
Oblivious(無知)
問題やその解決策についてまったく知らない層です。
この層に対しては、まず知ってもらう必要があります。
- テレビCMなどで大々的に宣伝する
- SNSでバズを狙う
などの施策が考えられるでしょう。
この層は非常にアプローチが難しいのが特徴。
マーケットは大きいものの、多くの労力とお金を費やす必要があります。
そのため、基本的に中小企業や個人事業主であればこの層は狙わない方がいいでしょう。
Apathetic(無関心)
問題や解決策などについてはある程度知ってはいるものの、
- 「自分には関係ない」
- 「そこまで興味がない」
と思っている層です。
あるいは、
- 実際は問題を抱えているものの不利益を感じていない
- 予測・認識できていないために関係ないと思っている
といった層になります
この層なら、現実的なアプローチが可能になってきます。
ホワイトペーパーや書籍など、しっかりとしたコンテンツを用いて問題や解決策を引き出すことが可能です。
また、「この層の悩みや願望と自分の商品・サービスを結びつける」ことで、興味・関心を持ってもらうこともできます。
例えばWebマーケティングに関する書籍・教材なら、
「マーケティングスキルを手に入れる」
といったものではなく、
- 「在宅で人に感謝されながら多くの報酬を得るスキルとは?」
- 「倒産した大企業、このスキルがないことが原因でした…」
と、間接的にアプローチすることで興味・関心を抱かせることが可能です。
Thinking(関心)
問題が顕在化しており、「解決する必要がある」と考えている層です。
多くの場合、この層に対してアプローチするのが最も効果的でしょう。
この層の場合、ターゲットを定めたWeb広告やSEOが効果的。
伝えるメッセージも「社長のためのマーケティングスキル」など、かなり具体的です。
そして、他の競合との違いをしっかりと伝えて選んでもらえるようにします。
また、「その問題を放置しておくとどうなるのか?」を伝えて、強く問題意識を持ってもらうことも有効です。
Hurting(悩み)
問題が顕在化し、実際に痛みを負っている層です。
この層に対しては、商品の説明だけで売れてしまうこともあります。
すでに痛みを背負っているためそれを解決したいという気持ちが強いからです。
マーケティング(需要の創造)が達成されているので、この層に対しては商品やサービスの案内をなるべく多く行いましょう。
なるべく早くアプローチしないと競合に流れていってしまうので、素早く進める必要があります。
【参考】QUESTフォーミュラとは?ライター用フレームワーク
OATHの法則にある2つのルール
ここまでで、OATHの各要素、その段階を見てきました。
次に、OATHの法則にある2つのルールを解説します。
この2つのルールを知らないと、上手く使うことはできません。
早速見ていきましょう。
1. OからHにかけて、その段階にいる全体の母数は減る
1つ目のルールは「OからHにかけて、その段階にいる全体の母数は減る」ということです。
簡単に言うと、
- Oの段階にいる人が一番多い
- Hの段階にいる人が一番少ない
ということです。
もちろんHにアプローチするのは重要です。
しかし、見込み客を増やすということは、
「AやTの段階にいる人を、Hの段階に変える」
ということになります。
どうすれば需要が生まれるのか?を考えましょう。
2. OからHにかけて手法が変わる
潜在層(OやA)であればあるほど、アプローチにかかる労力や費用が増えます。
広告やコンテンツを通じた、多くの教育が必要になります。
逆に、顕在層(TやH)は、労力が少なく顧客を獲得できます。
Web上のセールスレター1つで商品を案内すれば、すぐに売れるような状態です。
OATHの法則を活かすコツ
最後にOATHの法則を活かすコツを2つ解説しましょう。
1. どこまでカバーするかを決める
現実的に、OATHのすべてをカバーするのは難しいもの。
そのため、「どこまでをカバーするか?」を決める必要があります。
起業したてなら、まずはTやHをカバーしましょう。
そして、その後売上が増えたら、Aにアプローチして売上を増やすのがおすすめの戦略です。
2. どの層に対してどんな手法を用いるのか?を明確にする
どの層に対してどんな手法を用いるのか?をはっきりと決めるもの重要です。
それぞれの層でアプローチを変えて、しっかり管理しましょう。
まずは顕在層から整えるのがおすすめです。
OATHの法則で、効果的なマーケティングを
この記事では、OATHの法則について解説しました。
問題・悩みに対しての意識レベルを把握することで、費用対効果の良いマーケティングを実践できます。
改めて、見込み客や顧客をリサーチして分析しましょう。