無料レポートの配布はリード獲得の中でも古くからある手法。
「ホワイトペーパー」「お役立ち資料」とも呼ばれることもあります。
「いやいや、流石に無料レポートは時代遅れでしょ」と思うかもしれません。
ですが、CRMのオールインワンツールを提供している海外の企業「HubSpot」は、今もレポートの配布で多くの顧客を獲得し、急成長しています。
この記事では、HubSpotの無料レポート活用事例とそこから学ぶ活用のポイントをお伝えします。
【参考】BtoBマーケティングとは?実践の流れや主な手法を解説!
HubSpotの成長を支えた大量の無料レポート
HubSpotは、企業向けにWebマーケティングに必要なツールをまとめて提供する会社です。
急成長しており、2021年2月には有料顧客数10万社に到達したそうです。
年間経常収益も10億ドルに達したのだとか。
この成長を支えたのが、無料レポートによる見込み客の獲得です。
かなり具体的なノウハウ・知識をまとめた無料の資料が、数え切れないほど掲載されています。
無料レポートを請求した会社や個人がHubSpotの顧客になる理由
「具体的なノウハウや知識を無料で提供したら、有料プランに加入してくれないのでは?」と思うかもしれません。
確かに、ノウハウや知識の提供がメインの商品なら売れなくなってしまいます。
しかし、重要なのは、HubSpotはノウハウや知識ではなく、ツールやサポートを提供している会社だということです。
具体的なノウハウ・知識を得たら、「正しく実践」しなければいけません。
そして、多くの人が、「自分達では実践しきれない…」とも思うものです。
その時に、一番頼る可能性が高くなるのがHubSpotになる、というわけです。
つまり、無料レポートでノウハウ・知識を提供することで「ノウハウや知識を、効果的に正しく実践するためにはHubSpotが必要だよね、便利だよね」という流れを作っているのです。
だからこそ、ツールの有料顧客が増えていきます。
また、無料レポートのDL数といったデータや、具体的な感想からツール改善のリサーチもできるため、より効果的なアップデートが可能です。
これは、HubSpotだけが行っている施策ではありません。
多くのツール開発・販売会社が、現在でも資料の配布を行って見込み客を獲得しています。
無料レポートは時代遅れではなく、今でも通用する王道に近い手法なのです。
【参考】ホワイトペーパーとは?BtoBマーケ必須ツールの成功のコツ
日本で同じような事例はある?
日本でも同じように無料レポートを配布してビジネスを伸ばしている会社は存在します。
株式会社basic
マーケティングに関するWeb記事や講座、ツールの仲介を行っているbasic社。
ferret oneやferret、といったBtoBのマーケティングサービスを展開しています。
無料で入手して活用できる資料が2021年時点で117件もあり、情報を入力すれば自由にDL可能です。
DLした顧客にに対してメルマガを配信し、記事を読んでもらったり、講座やツールを購入してもらったりしています。
株式会社シンフィールド
また、一風変わった「マンガを活用したマーケティング」を専門とするSHINFIELD社。
こちらは、マンガをマーケティングに活用するための知識・事例を基にレポートを作成。
ニッチな商品・サービスへの需要を創り出してサービスを販売しています。
SO Technologies株式会社
SO Technologies株式会社が運営するLISKULというメディアの事例は少し特殊かつ興味深いです。
たくさんレポートがあるように見えますが自社で製作したレポートは7つだけです。
自社のサイトをSEOで上位表示させた上で、RentaLISKULという月額5万円のサービスで他社の無料レポートを掲載しています。
コンテンツが充実すればLISKULのサイト自体の評価も向上するため、非常に良いモデルと言えるでしょう。
このように、日本でも企業・個人問わず無料レポートを活用している事例は多く存在します。
【参考】リードジェネレーションとは?Webマーケ入門者向け必須知識
無料レポートを活用するポイントは?
最後に、無料レポートを活用するときのポイントについて解説します。
ツールやサービスを提供しているならやらない手はない
事例からもわかる通り、無料レポートの配布は、ツールやサービスを提供している会社と相性が良いと言えます。
具体的なノウハウを伝えることで、そのツールやサービスの需要を創造して、販売を楽にできるでしょう。
- ツールを販売するベンチャー企業
- クライアントに合致したアドバイスをするコンサルタント
- 業務を代行するフリーランス
にはおススメの手法と言えます。
レポートのテーマは具体的にすぐ役立ちそうな物を
資料集を確認すると、テーマはかなり具体的。
今すぐにでもすぐ使えそうな印象を受けます。
「すぐに役立ちそう」と思ってもらえる無料レポートなら、迷わずDL・実践されるので強力。
情報・事例を単に詰め込むのではありません。
特定の問題を解決するか、複数の解決策を提示するなどして、使いやすく即効性のあるレポートにしましょう。
チェックリストやテンプレートという形式もおすすめです。
独自性の強いビジネスほど必要
独自性の強い商品・サービスは、競争は少ないものの価値が伝わりにくくなります。
見込み客から「価値がありそうだけど、ウチの役に立つのかわからない…」と思われがち。
そのため、無料レポート等のコンテンツで商品・サービスへの需要を作る必要があります。
見込み客に「この商品は私に必要だ!」と思ってもらえれば、買われる傾向にあります。
独自性が強い商品・サービスを販売しているのなら無料レポートはおすすめです。
【参考】ペルソナ分析とは?現代のマーケターには必要不可欠のスキル
無料レポートで集客してみませんか?
この記事では、HubSpotを中心に無料レポートの活用事例と活用のポイントを解説しました。
無料レポートは今でも効果があり、個人・企業問わず実践できるリード獲得の手法です。
集客だけでなく、顧客教育も行い需要を作れる点が特に優れています。
「時代遅れ」と思わずに、試してみてはいかがでしょうか?