人間なら誰しも持っている心理作用、カリギュラ効果。
「やったらダメ」「見たらダメ」と言われて、もっとやりたくなった、もっと見たくなった、という経験をしたことがある人は、少なくないはず。
このような心理を巧みにマーケティングに用いることによって、より効率的、効果的にユーザーを集めることができます。
今回は、カリギュラ効果とはそもそもどんな作用なのか、実例を挙げつつマーケティングにおける活用法を解説します。
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カリギュラ効果とは?
カリギュラ効果とは、禁止や制限をされるとかえって興味や関心が湧いて、ついついやってしまう、禁止を破ってしまうという心理現象です。
この「カリギュラ」とは、1980年にアメリカで公開された映画「カリギュラ」に由来します。
この映画はあまりにも過激な暴力シーンや生々しい性的描写のシーンが多く含まれるため、一部の地域のみでの上映となりました。
しかし、上映禁止となった事実が全米に知れ渡るや否や、多くの人が物珍しさにまだ禁止になっていない劇場に殺到。
この社会現象から映画のタイトルをそのまま取って「カリギュラ効果」と名付けられたのです。
カリギュラ効果のメカニズム
しかしなぜ人は禁止されたものや制限されたものにそれほど魅了されてしまうのでしょうか。
そのメカニズムは非常に単純なもので、「心理的リアクタンス」が作用しているからです。
自由な意思決定、行動、思考を実行したいという欲求を人間誰しも持っています。
しかし、「これはやってはいけません」「〇〇しなさい」と他人によって行動や思考を制限された時、それらに反発したいという心理的リアクタンスが生じるのです。
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カリギュラ効果のマーケティングにおける活用例
カリギュラ効果は本来行動心理学で使われる用語ですが、マーケティングの分野においても幅広く活用されています。
実例1:ホラー映画の宣伝キャッチコピー
カリギュラ効果は、特にホラー映画の宣伝キャッチコピーに頻繁に用いられ、「禁止」を示唆するようなフレーズを盛り込むことによって集客します。
例えば、1977年のイタリアのホラー映画「サスペリア」の「決してひとりでは見ないでください」や、2009年のアメリカのホラー映画「ムカデ人間」及び同シリーズ作品には「良い子は見ちゃだめ」というフレーズがあります。
両方とも観客の心理的リアクタンスをうまく狙ったキャッチフレーズで、実際に映画も多くの観客を動員し大ヒットしています。
実例2:スマホゲーム「モンスト」の宣伝
スマホゲームの「モンスターストライク」、通称モンストのテレビCMでは「絶対にモンストするなよ!」というフレーズが使われていました。
絶対にやるな、という禁止に対するユーザーの反感を狙ってプレイしてもらうための非常にシンプルなカリギュラ効果の例です。
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カリギュラ効果の活用法と集客のコツ
カリギュラ効果をマーケティングで活用し、広告や宣伝キャッチコピーを作る際、ただ単に「禁止」というフレーズを盛り込めば良いわけではありません。
カリギュラ効果の正しい活用法と集客のポイントについて見ていきましょう。
ポイント1:「禁止」のハードルを低く見積もる
カリギュラ効果を用いるマーケター本来の目的は、消費者やユーザーが「禁止」や「制限」というハードルを乗り越えてサービスや商品を使ってもらうことです。
宣伝やキャッチコピーを作る際、そのハードルが高すぎると効率的にユーザーを集めることが困難になるだけでなく、禁止・制限事項を真に受けてしまうことがあり、マーケター自らが収益に至るまでの導線に障壁を立てしまう恐れもあります。
ポイントはターゲットとしているユーザーが容易に乗り越えられる禁止・制限条件を設定することです。
実例で挙げた映画「サスペリア」の「決してひとりでは見ないでください」というキャッチフレーズには、「友人や家族を誘って複数人で見に来て欲しい」というマーケターの思惑が隠されています。
一方でお客側も、「怖そうだからひとりでは見たくない、でも友達となら・・・」という心理作用が働きます。
このように、容易に超えられる程度のハードルを正確に見積もった上でカリギュラ効果をマーケティングに用いると多くの集客を見込むことができるのです。
ポイント2:禁止・制限する理由が分かるようにする
カリギュラ効果を宣伝やキャッチフレーズなどに用いる際、場合によってはマーケターが禁止・制限する理由を消費者がわかるように表現する必要があります。
というのも、宣伝する商品やサービスの種類によってその理由を表現しないと逆に消費者側が不安や不信感を感じてしまい、購入をやめてしまうケースが生じるからです。
例えば、健康食品やサプリメント、化粧品や医薬品が挙げられ、商品そのものの効能や効果、信頼性を担保するためにも、禁止・制限する理由を明確にしましょう。
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まとめ
正確にカリギュラ効果をマーケティングに用いることができれば、効果的な消費者、ユーザーの獲得につながります。
しかし、逆に購買意欲を喪失させてしまうリスクもあることから、実例や活用法をしっかりと踏まえた上で実践していきましょう。