リモートワークの普及に続く、新しい通信技術である5G時代の到来。
これを目前に控え、VR技術がビジネスシーンでも注目されつつあります。
今回は近い将来、新たな会議のあり方として期待されるVR会議について、その魅力やメリット、またデメリットや課題について解説します。
【参考】MyDigitalOfficeとは?仮想オフィス構築ツールの特徴と評判
VR会議とは?
VR会議とは、オンライン上に作られる新たな世界、空間とされるVR、仮想現実の技術を利用して行う会議のことです。
ZoomやGoogle Meetなどのツールを用いて、パソコンやモニター上でお互いの顔を確認しながら行われるWeb会議とは異なります。
VR対応のゴーグルを装着し、そこに映し出される映像を見ることによって、まるでリアルの会議に出席しているような擬似体験を味わえます。
まだまだ新しい技術で、導入している企業の数はわずかなのが現状。
しかし、これから5Gの時代が到来し、映像伝送、映像配信の技術が向上したり、今よりもテレワークが普及したりした際の新しい会議の在り方として注目されています。
【参考】miroとは?ホワイトボードのようなアイデア共有ツールを紹介
VR会議の魅力、メリット
それでは、VR会議の魅力やメリットについて見ていきましょう。
現実性が高く、コミュニケーションが取りやすい
一番の魅力は、通常のWeb会議よりも現実性が高くいことです。
そのため、コミュニケーションが取りやすいことが魅力と言えます。
Web会議の場合、基本的に上半身しか映し出されません。
そのため、ちょっとしたジェスチャーや仕草が見えにくいのが難点。
また、大人数の参加者がいる場合には、映し出される顔が小さくなるため、表情もわかりにくいという難点があります。
しかし、VR会議では、まるで本当の会議のように全身が映し出されます。
表情や仕草も確認しやすいため、支障なくコミュニケーションを図ることができます。
出席者の場所を厭わない、リモートワークに対応している
また、どこにいても会議に出席できることも一つの魅力です。
事前準備と、専用の機器は必要になります。
しかし、会議のためだけにわざわざ出社する必要はありません。
そのため、リモートワークとの相性も抜群。
業務の効率化や生産性のアップも見込めるでしょう。
会議の新しい可能性を見出せる
VR会議では、専用の機能を使うことで、従来の会議にはない新しい試みを実現できます。
そして、より革新的で有意義な会議を創り上げることも可能となります。
たとえば、
- 自分の代わりに、アバターで会議に出席する
- 発言内容を即座にテキストとして表示する
- 背景にさまざまなエフェクトを盛り込む
など、工夫次第で全く新しい会議を実現できるでしょう。
【参考】テレワーク導入に際し気を付けるべき6つのリスクと3つの対策
VR会議のデメリット、現状の課題
一方、VR会議を実施するにあたり現状としての課題やデメリットもあります。
初期費用、導入費用が高い
まず、VR会議を実現するためにはそのための環境、設備を整え、専用の機器を買い揃える必要があります。
そのため、ある程度の初期投資、導入費用がかかります。
具体的には、
- VR会議システムを提供するソフト、ツール
- VR会議システムに対応するパソコン
- HDMと呼ばれる参加者が装着することになる専用のゴーグル
などが挙げられます。
また、手間とコストを費やして導入しても、期待通りの成果が出ないリスクもあります。
通信環境の影響を受けやすい
VR会議実施時には、短時間で多くの情報が処理されます。
そのため、通信環境によっては
- ラグが発生する
- 機能が正常に動かない
といった事態も発生し得ます。
円滑に実施するためにはもちろん高性能なサーバーや通信環境が必要となります。
会社のオフィスでは万全な体制を整えられたしても、自宅から出席する社員にはそれが難しい可能性もあります。
実施目的が確立されていないと意味がなくなる
何かしらの実施目的や達成課題が既にあれば、コストをかけて導入する価値があります。
しかし、ただ単に新しい体験をしたい、機能を使ってみたいという動機だけでは、結局無駄になってしまうこともあります。
エンターテーメント性があるため社員の関心を引きやすいもの。
しかし、通常のWeb会議やリアルの会議でできることを、わざわざVRを導入して実施したところで、新しい何かが生まれる保証はありません。
漠然と導入しても、「楽しかったね」で終わってしまう可能性もあります。
導入するにあたっては、しっかりとした目的や動機を確立した上で検討しましょう。
まとめ
導入までに時間とコスト、手間がかかるといったデメリットがあるのは事実。
しかし、新しい技術をうまく使いこなすことによりビジネスの幅が広がる可能性があります。
VR技術を会議だけではなく営業や商談、また採用にも取り入れることで、一層可能性は広がるでしょう。
是非実施目的や体制をしっかりと整えた上で導入を進めていきましょう。