「PDCAを回して…」
ビジネスの現場で、しばしば耳にする言葉。
この手の「英語で●文字」の略称に慣れていない人は、「???」と感じるかも。
しかし、この「PDCA」は、今やビジネス界の超重要ワードともいえるのです。
この記事では、全てのビジネスパーソンが知っておくべきアクションプラン、「PDCA」について、その概要や実践のコツについて紹介します。
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PDCAとは?
PDCAとは、
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
の略称で、それぞれの頭文字を取ったものです。
上記のサイクルを、繰り返し行う取り組みのことを指します。
非常に汎用性のあるフレームワークとしてビジネスシーンで広く用いられています。
業種・業態を問わず、企業における新入社員研修や教育の際に教わることも多いのが実情。
現代のビジネスパーソンなら、知っておくべき常識の一つと言えるでしょう。
PDCAの役割
例えば、自社の商品やサービス開発など、マーケティング事業から、人材の育成などのマネジメント事業、また、経営状況の改善まで。
PDCAは、あらゆる場面で活用されます。
効率的に業務を遂行し、成果につなげるために、このサイクルをいかにして活用できるか。
その素質が各部署の担当者やリーダーに求められます。
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PDCAの実践と成功の秘訣
それでは、対企業向けの「勤怠管理システム」のサービスを事例として想定しましょう。
Plan(計画)
まず、計画段階において、具体性のある数値や指標、目標を掲げます。
誰が、いつ、どこで、何を、どれくらい、どのように、いくらで、など「5W2H」を用いることで、より現実味のある計画を立案できるでしょう。
例えば、
- リモートワークやフレックスタイム制度の導入を検討している中小企業向けに(誰に)
- 自社が開発した勤怠管理システムを(何を)
- 1社あたり10万円で(いくらで)
- 50社以上契約獲得する(どれくらい)
- ホワイトペーパーやインサイドセールスでアプローチをかける(どのように)
と言った感じで計画を立てます。
Do(実行)
次に、計画を踏まえて、「実行」フェーズへ移行していきます。
その際に、
- 実際にアプローチをかけた企業の業種や業態
- アプローチした数
- 相手側担当者の役職
- 成約を獲得できた企業の割合
- 獲得できなかった企業の詳細、敗因
等を、しっかりと把握し、記録するようにします。
Check(評価)
実行段階で収集した記録や、成約を獲得しサービスを提供した企業からのフィードバックなどのデータをもとに、これまでのアクションプランに関する「評価」を実施します。
- 計画通りにアプローチできたか
- 成約数値目標は達成できたか
- 自社の勤怠管理システムのサービス内容や規模は適切か
- 不具合や利用者による不満はないか
など詳細を客観的に評価します。
Action(改善)
計画の段階で立てた数値目標が達成できていない場合には、対応策を考えます。
そして、改善策を踏まえて、再び実行に移します。
また、
- 目標数値は達成したが更なる顧客獲得が見込める
- 中小企業だけでなく大手企業も狙える
など可能性が見込めるのであれば再度計画を練って、実行し評価、改善といった感じで、同じサイクルを回していきます。
目標数値と実際の結果に大きなギャップがあり、再度サイクルを回してもなかなか改善できない場合は、プロジェクト自体を中止することも一つの選択肢でしょう。
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一歩先のPDCAを目指すためのポイント
以上がPDCAのアクションプランにおける主な流れ、コツになります。
しかしただ手順に沿って実行するだけでは効果を十分に発揮できないこともあります。
一歩先のPDCAを目指すためのポイントについても見ていきましょう。
一度で終了させず何度も回す
そもそもPDCAサイクルはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)というサイクルを何度も繰り返して回すことで本来の効果を発揮します。
そのため、一旦「改善」の段階まで到達したからといって、そこで終了ではありません。
そして、あくまでも、重要なのはそのプロセスではなく、結果です。
サイクルを回すことだけに固執せず、業務やプロジェクトの結果にその効果がしっかりと反映されているのかチェックしながら進めましょう。
なるべく小規模体制で取り組む
サイクルを効率的に回すためには、
- 各部署の担当者や責任者がチームの先導に立って実施すること
- なるべく小規模体制で取り組むこと
この2点が重要になります。
- リーダーの所在が曖昧である
- チームの規模が大き過ぎる
といった場合、今いる段階や進捗状況の把握が困難になり、形骸化のリスクが高まります。
それらを未然に防ぎ、効率的かつ効果的にPDCAを実施するためにも、なるべく小規模体制で取り組むのが望ましいでしょう。
無理な計画を立てすぎないこと
PDCAを実行する上で、事前に実施の意義や期間を明確にしておきましょう。
いきなり無理な目標を立てたり、実現が難しい壮大な計画を立てると、失敗のリスクが高まります。
計画を実行できない、負担が大きいという状況に陥ると途中で諦めムードが蔓延します。
サイクル自体が消失してしまう恐れもあるでしょう。
そのため、継続して実行していくためにもクリアしやすい計画から始めることが大切です。
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PDCAを使いこなそう
PDCAはあらゆる業界においてビジネスパーソンが活用すべきフレームワークの一つです。
しかし、PDCAはあくまでも業務を遂行し目的を達成するための施策の一環に過ぎません。
サイクルを回すことに力を入れるのでなく、いかにして実際の業務、業績の改善、向上につなげられるか意識することが重要です。