日本でも一時期とても話題になった SNS「Clubhouse」。
完全招待制だったこともあり、略称「クラハ」と呼ばれネット上で盛り上がりました。
中には、招待コードを高額で転売している事例もあるくらいです。
しかし、今ではその名前をほとんど耳にしなくなってしまいました。
「なぜあれだけ盛り上がっていたClubhouseがすぐ飽きられてしまったのか?」
その背景には、私たちのビジネスで教訓にしたい点もあります。
この記事では、Clubhouseのブームの流れとそこから学べる教訓をお伝えします。
Clubhouseとは
Clubhouseは、米国企業であるアルファ・エクスプロレーションが開発している、音声配信を軸にしたSNSです。
特徴は大きく2つあります。
1. 完全招待制(初期)
初期のClubhouseは、完全招待制でした。
既にアカウントを取得している人の紹介でのみ、参加することができたのです。
アカウント所有者も、「2人まで」招待できるという、紹介だけで広げていく仕組みでした。
(※今は一般開放されています)
尚、これは、SNSの黎明期に、実は多くのSNSが取り入れていた手法。
日本のSNSの先駆けであったGREEやmixiも、当初は完全紹介制SNSでした。
どちらも、今はゲーム会社のようになってしまっていますが。
2. ルームによるプライベートな配信がメイン
ルームを立ち上げて、話を聞きたい、参加したい人が入るといった形式がメインになります。
閉鎖的な発信・視聴ができたので、他のSNSとは異なる体験ができていました。
アメリカからブームが広がり、日本にもそのブームが2021年1月に到来。
著名なインフルエンサーの言及や招待券の転売まで、良くも悪くもかなり盛り上がりました。
Clubhouse、1ヶ月でブーム終了(オワコン)に
しかし、招待制が終了し、一般登録できるころにはブームは過ぎ去っていました。
Googleトレンドでは、明らかに流行から1ヶ月で検索ボリュームがガクッと低下。
その後も回復の兆しはなく、予測変換には「オワコン」の文字も見つかるくらいで、今では名前をほとんど聞きません。
CEOは長期的に考えていると諦めてはいない様子ですが、難しそうです。
また、この流れはかつて流行していたSNS「mixi」のブームの過ぎ去り方とよく似ています。
【参考】SNSで詐欺?悪質な勧誘やアカウント”あるある”を一挙公開!
なぜ、Clubhouseのブームは過ぎ去ったのか?
初期のClubhouseには、流行時点において、他の音声配信、SNSと決定的に異なる点がありました。
それが、「完全招待制」だったということです。
この完全招待制は、確かにユーザーの増加を抑えていましたが、
- 完全招待制という特別な体験への憧れ
- ユーザーの質が高い状態を維持
- ユーザーが増えにくいので管理が容易
という、ユーザー・運営の両方から見て魅力的な状況であったと言えます。
特に、完全招待制というのは、希少価値を感じさせるもので、多くの人がClubhouseへ注目していた大きなポイントでもあります。
しかし、ブームの陰りを受けてか、ユーザーを増やすために招待制を廃止。
これでより盛り上がるかと思いきや、いつでも誰でも入れる環境になったため、そこに特別感はなくなってしまいました。
完全招待制が無くなったことで、注目が薄れてしまったとも言えます。
そして、ユーザーの多くは、音声SNSとしての利便性や価値より、完全招待制という特別感やそこにある希少性に注目し、熱中していたのではないかとも考えられます。
【参考】SNS炎上!予防策と発生時の適切な対処法について解説
Clubhouseから学べる教訓
このことから、私たちが学べる教訓があります。
1. 人は希少性のあるものに惹かれる
日本でClubhouseが注目されていたのは、完全招待制であったという希少性が大きいと言えます。
これは、影響力の武器にもある要素で、「限定など、手に入る機会が少なければ少ないほど手に入れたいと思う心理」です。
私たちの商品にも、希少性は出せないか?ということを考えてみてください。
タイムセール、限定生産などがよくある事例です。
2. 強みは捨てない
Clubhouseも、招待制という空間を活かした運用をしていれば、まだ注目されていたかもしれません。
しかし、参加者が増える中で、「招待制」の価値も希薄化し、運営側も難しい判断を迫られていたのかもしれません。
招待制という空間ならではの戦略やマネタイズをして、他のSNSとは違うポジションになれていた可能性もあります。
周りに合わせて強みを捨てずに、強みを活かした戦略や収益化を目指しましょう。
【参考】朝活とは?成功のカギは朝!社会人必見”朝活”のすすめ
Clubhouseの凋落から学ぶこと
この記事では、Clubhouseのブームについての考察と、そこから得られる教訓についてお伝えしました。
Clubhouseのブームが過ぎ去った原因については、様々な見解があります。
しかし、一番大きいのは、強みを失って、他のSNSと変わらなくなってしまったことです。
是非、強みを活かしたビジネスをするようにしましょう。