コロナ禍で厳しい状況に立たされてしまった飲食業界。
コロナも一段落したとの話もありますが、引き続き業界は苦戦しています。
ですが、悪いニュースばかりではありません。
世の中の動きを変える可能性のある、大きなブームも起きつつあります。
それが代替食品の市場拡大です。
ニュースでもたびたび取り上げられているため、気になっている方もいるかもしれません。
ここでは、海外の投資家も注目し、ブームになりつつある代替食市場について解説します。
【参考】スマート農業とは?農業をITする施策の可能性と課題とは
代替食品とは?
代替食品とは、特定の食材の代わりとなるように作った加工食品のことです。
- 蒲鉾を使った「カニカマ」
- 豆腐を使った「豆腐ハンバーグ」
も、代替食品の一種と言えます。
これまでも、家計でのコストダウンやアレルギー回避などに役立っていました。
しかし、「偽物」との印象を持つ方も少なくありません。
なぜなら、「本来の食材が食べられないから、代わりに食べている」といったイメージも強いのが実際のところ。
しかし、近年、海外を中心にブームになり、日本にも再びその流れが来ています。
実際、アメリカでは、豆腐を肉の代わりに食べたいという人も増えてきている様子。
あのマクドナルドですら、アメリカで大豆肉のハンバーグを販売開始しています。
市場はここ5年で10倍になったとも言われています。
代替食品ベンチャーが多くの資金調達を成功させているのです。
また、これには、「環境問題への配慮」という視点もあります。
昨今、世界的に拡大しているSDGsにも繋がりつつある市場でもあります。
飲食に関わるのであれば、多くの人にとって無視できない存在となっているのです。
なぜ?代替食品がブームになったのか?
ではなぜ、また代替食品がブームになっているのでしょうか?
それには3つの理由があるとされています。
理由1:健康・環境志向の人が増加したから
健康や環境に気を遣いたい人が、若者を中心に増えてきています。
特に海外では、その傾向が強くなってきているとされます。
肥満に悩む人でも大豆肉なら気にせずに食べられますし、ダイエットにも活用可能です。
また、牛肉を生産する過程で発生する二酸化炭素の排出を抑えることもできます。
これらの背景から、代替食品に対しての期待やニーズが増しています。
理由2:食の多様性に応えられるから
食の多様性に応えることで、市場が拡大している背景があります。
昨今の代替食品の多くはヴィーガン(完全菜食主義者)やベジタリアン向けに開発されている食品も多くあります。
彼らのニーズを満たしながら、より多くの商品を売れる市場が世界規模で大きくなっているのです。
他にも、
- 宗教上の理由から肉を食べられない人向けの代替肉
- 糖尿病でも食べられるアイスクリーム
など、病気で食べられない人向けの代替食としても可能性があります。
食に関する多様性に応えられる存在として、代替食品が注目されているのです。
理由3:代替食の品質が向上したから
これまで、代替食品は「代わりであるがゆえに、品質が微妙」なものも多かったのも事実。
しかし、加工技術の向上やフードテックなど、技術面での進歩から品質が向上してきました。
代替食でも普通に「美味しい!」と思える製品が増えてきています。
本来の食材とほとんど変わりないため、食べる側の抵抗も限定的です。
モノによっては、代替している食品と変わらないレベルにまで到達しているものもあります。
【参考】ウォーキングアプリで健康になりながらお小遣いを稼ぐ方法
興味深い代替食品を提供している会社6選
記事の最後に、代替食品を提供している興味深い会社を6つご紹介します。
DAIZ
DAIZは大豆から肉を作っている日本のベンチャー企業です。
落合式ハイプレッシャー法という独自の加工技術で大豆を「ミラクルミート」にして販売しています。
物語コーポレーションが提供している焼き肉チェーン店「焼肉きんぐ」とのコラボもあります。
日本発の代替肉として注目されています。
マクドナルド
あのマクドナルドも大豆肉を使ったハンバーガーを販売開始しています。
日本でも今後提供される予定とされています。(2023年11月時点情報)
マクドナルドは一度、「サラダマック」で失敗していることもあります。
今後の展開が気になりますが、
- カロリーを抑えられること
- 時代が追いついたこと(皆の認識が変わってきた)
で上手くいく可能性も十分ありそうです。
また、マクドナルドだけでなく、植物性ハンバーガー自体、今や多くのハンバーガーチェーン提供されているのです。
Perfeggt
Perfeggtはドイツ、ベルリンの企業。
卵のいらない卵製品を開発しています。
ヴィーガン向けの需要があり、2021年に、3億円規模の資金調達を成功させています。
Stockeld Dreamery
Stockeld Dreameryは、スウェーデンのストックホルムにある企業。
2021年、約22億円の資金調達に成功しています。
創業者のSorosh Tavakoli(ソロシュ・トヴァコリ)氏は、一度動画広告のスタートアップを創業して売却した実績のある起業家。
牛乳を使わないチーズのベンチャー企業である同社を設立しました。
従来の代替チーズの主原料は、でんぷんとココナッツオイル。
この点、タンパク質が少ないことに不満を持っている人も多かったのですが、同社では発酵させた豆類を使っています。
そのため、タンパク質も十分な代替チーズとなっており、期待が高まっています。
AKUA(アクア)
AKUAはある特別なハンバーガーの開発するアメリカ企業。
2021年、約6億円の資金調達に成功しています。
海藻類(昆布)を中心に、マッシュルームやエンドウ豆、黒豆、キノア、トマト等をブレンドした肉を使ったハンバーガーを開発・販売しています。
代替肉の中でも、大豆中心でないのは珍しく、注目されている企業と言えるでしょう。
同社は他にも、環境へ配慮した製品を販売しています。
Eclipse Foods(エクリプス・フーズ)
Eclipse Foodsは、植物性の素材で乳製品の代替食を作っているアメリカの会社です。
植物由来の素材を使ったアイスクリームを開発し、人気の高級アイスクリームブランドと契約しています。
高度な技術や高い材料を使っていないのが特徴的。
価格帯が高めのものが多い中、手に取りやすいリーズナブルな代替食品になっています。
2021年にはWhole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)と提携しています。
アメリカへの進出に力を入れているようです。
【参考】ソーシャルビジネスとは?世界的なトレンドの概念と事例4選
代替食はクールなものに!?
この記事では、代替食品の市場について、拡大している背景と会社をご紹介しました。
技術の進歩で、代替食品は単なる「代わり」ではなくなりつつあります。
代替食品を食べることが「カッコ良い」時代も来るかもしれません。
もし、飲食に興味がありましたら、チェックしてみてはいかがでしょうか?