パレートの法則という言葉をご存じでしょうか?
元々は経済学の用語で、最近ではビジネスにおいても見かける用語・法則です。
不思議な現象ですが、ビジネスに活かすことで大きなメリットもあります。
この記事ではパレートの法則と、ビジネスにおける活用方法を解説します。
【参考】パーキンソンの法則とは?時間とお金に関する法則を解説
パレートの法則とは?
パレートの法則とは「ある特定の数値のうち、全体の8割は、全体を構成する要素のうちの2割の要素が生み出している」という法則です。
イタリアの経済学者、ビルフレッド・パレートが、1880年代の欧州の経済統計における「個人の所得額」と「その所得額以上の所得を得ている人の数」を分析した結果、見つけ出した法則。
この法則の面白いところは、根拠が明確でない場合でも成立することが多々あることです。
これは、いわゆる結果論のようなものですが、不思議なことに、様々な分野・場面で、この現象が見られます。
そのため、「法則」と呼ばれるようになったと考えられています。
また、必ずしも割合が8:2とも限りません。
分析すると、9:1、99:1、95:5というケースもあるのです。
そのため、より正確に言葉にするなら、「成果・意味のあるアウトプットのほとんどはそのための要素、インプットのうち、ほんの少しの要素が生み出している」という現象・法則と言うこともできます。
この法則は上記の通り、経済学から生まれた言葉。
しかし、ビジネスの分野でも応用されており、「週4時間だけ働く」の著者、ティモシー・フェリスも書籍内で紹介・活用しているのです。
【参考】ツァイガルニク効果とは?忙しい社会人は要注意の心理効果
ビジネスでパレートの法則を応用した例
ビジネスでも活かせそうな感じはしますが、具体的にどのように活用できるのでしょうか?
ここからは、ビジネスでよく見るパレートの法則とその活かし方を3つ解説します。
1. 売上・利益の8割は2割の上位顧客が生み出している
取引内容を分析すると、売上・利益の8割が、2割の上位顧客から生まれている、ということはよくあります。
その状況から、より売上・利益を楽に伸ばすなら、その上位顧客を分析し、共通点を導き出して集客すると良いでしょう。
また、サービスの提供を上位顧客に集中するのも有効です。
もし、売上・利益を分析して少数の顧客が大半を占めているのなら、あなたの売上・利益にはパレートの法則が働いていると言えます。
2. マーケティングの成果の8割はその全ての施策のうち2割が生み出している
パレートの法則をマーケティングで考えるなら、結果に繋がっている施策は2割だったりします。
つまり、その2割が、成果の8割を生み出している、ということです。
その2割を特定し、投資を増やすと、容易に成果を増やすことができます。
成果にほとんどつながらない残り8割の施策については、取りやめていくのも良いでしょう。
3. 自分の仕事の成果の8割は2割のタスクを生み出している
一般的な社長や、会社員だけではありません。
個人事業主やフリーランスにも、このパレートの法則は当てはまります。
「仕事は多いけど、成果に繋がっているか分からない」
そんな仕事があると感じていませんか?
そんな時、タスクと成果を分析してみると、意外な発見があるでしょう。
自分の仕事の成果(売上や成果物)の8割は、仕事と決めているタスクのうち2割が生み出している、ことに気付くかもしれません。
その2割のタスクを特定し、集中することで、働く時間を増やすことなく成果を増やせます。
もしくは、残り8割のタスクを捨てることも可能です。
どうしても必要な場合は、外部に委託するのも手でしょう。
【参考】会社の割れ窓要素5選!知らぬ間に会社に不幸をもたらす兆候
パレートの法則を活かす3つのステップ
ここからは、パレートの法則を実際に活かすための3つのステップをお伝えします。
ステップ1:結果を分析して、アウトプットとインプットを特定する
パレートの法則を適用して、改善したい活動の結果を分析します。
そして、アウトプットとインプットを特定しましょう。
例えば、「アウトプット:売上、インプット:マーケティングの施策」など、リストを作ることができます。
これには、ある程度の時間を取って、分析することをおすすめします。
ステップ2:アウトプットとインプットのつながりを整理する
アウトプットとインプットを洗い出すことができたら、両者の繋がりを整理しましょう。
つながりというのは例えば、「この分の売り上げはこの施策から生まれた」という原因と結果のつながりです。
もちろん、複数のインプットから1つのアウトプットが生まれている場合もあります。
逆に、1つのインプットから複数のアウトプットが生まれていることもあります。
実際にやってみようとすると、案外難しいと感じるところかもしれません。
ステップ3:2割のインプット、8割のアウトプットを特定してテストする
つながりを分析したら、2割のインプットと8割のアウトプットを特定します。
そして、その分析に基づいて、テストをしてみましょう。
例えば、マーケティングで「Web広告から莫大な売上が出ている」との仮説が出たら、それについてテストしてみます。
それで、もしうまくいけば、そこに経営資源を集中投下するのです。
パレートの法則は、
- 明確な根拠が分からない
- 特定に時間がかかる
ということが、少なくありません。
そのような時は、何かしらのテストをするのが望ましいでしょう。
パレートの法則をビジネスで生かして、効率よく稼ぐ
この記事では、パレートの法則について解説しました。
パレートの法則を活用することで、より効率よく稼げるようになります。
是非、パレートの法則を活かして、ビジネスを伸ばしましょう。