ここは日本。一般的には、日本語でビジネスが行われている国です。
しかし、日本のビジネスシーンにおいて、日常的に「ビジネス横文字」が社内コミュニケーションで使われています。
これは、ほとんどの業界でその傾向があると言われています。
もはや、自然なものとして浸透してきているともとれるでしょう。
しかし、日本語ではないため、
- 分かりにくいと思われる
- 拒否感を示される
- ウザいと思われる
- 陰口のネタにされてしまう
ということも起こり得ます。
ビジネス横文字を使用する際には、TPOを心がけた、最低限のマナーが必要になります。
ビジネス横文字は最早日常風景
ビジネス横文字には、便利な側面があります。
一方で、嫌悪感や不快感を抱えてしまう人が一定数存在するのも事実。
多用すると意識高い系と思われたり、ウザがられたりすることも。
また、「日本語でよくない?」とわざわざ横文字にする意味を問われたりするケースもあります。
最悪の場合、ハラスメントとして扱われることもあるようです。
よく使われるビジネス横文字の例
具体的な例をいくつか見てみましょう。
- フィックス (fix) する → (日程を)決める、確定させる、押さえる、
- アサイン (assign) する → 社員に仕事や役割を与える、業務内容を割り当てる
- アジェンダ (agenda) を作成する → 会議で扱う議題、テーマ、会議の進行表
- オンスケ (on schedule) → 日程通りに、時間通りに
- イシュー (issue) → 解決すべき課題や問題
- アサップ (as soon as possible = ASAP) → なるべく早く
- リスケ (re-schedule) → 日程を組み直す、変更する
- トゥドゥ (to do) → やるべきこと
- エスカレーション (escalation) → 組織の上の方に意思決定を委ねる
- レポート (report) する→報告する
- ベストエフォート (best effort) → 最大限努力する
【参考】ITリテラシーを高めてIT介護の問題を解決する【前編】
ビジネス横文字はなぜ使われるようになったか
それでは、ビジネス横文字が普及した理由を見ていきましょう。
便利だから
面倒な言い回しを端的に表現できるということがあります。
特にIT業界など、仕事柄カタカナ語や英語を多く使う職場では、わざわざ日本語に変換して言葉を使っているとおかしな言い回しになったりすることもあります。
そのため、不快に思う人がいるからとビジネス横文字の使用が悪いとは一概に言い切れません。
かっこいいから
ビジネス横文字を使う人の多くは、
- 何となくかっこいいから
- できる人と思われたいから
という理由で使っています。
確かに、
「日程を調整して確定させておいて。」
と言うよりも、
「日程をフィックスしておいて。」
と言った方が、何となく聞こえが良いもの。
また、
「今日の会議の議題は〇〇です。」
と言うよりも、
「今日の会議のアジェンダは〇〇です。」
と言った方が、何となく仕事ができる人のように思えます。
これには、マウンティング的な意味合いもあるかもしれません。
そもそも日本語に訳しづらい、訳せないから
普段何気なく使っている言葉の中には、もともとカタカナ語として輸入されたものがたくさんあります。
その場合、日本語に訳しづらかったり、訳せなかったりするケースもあります。
たとえば、
- ハラスメント
- SDGs
- PDCA
など、無理に日本語にしようとすると逆に意味がわかりにくくなるものもあります。
【参考】IT介護の問題を解決!ITリテラシーを高める5つの習慣【後編】
ビジネス横文字の使用上の注意点
ビジネス横文字を使った方が良いシーンや正当な理由で使われるシーンはあります。
よって、一方的に使用を規制したりすると逆効果になることもあります。
しかし、トラブルを起こさないためにも留意すべきことはいくつかあります。
1. ビジネス横文字の理解を浸透させる
まず、ビジネス横文字の意味をしっかり把握し、理解を浸透させておくことが重要。
ただ「かっこいいから」という理由だけで使っていると、使用法を間違えてしまうこともあります。
すると、
- 周囲から「おかしな人」「イタい人」と思われて評価が下がる
- 間違った意味のまま使用され混乱を生じてしまう
といったことが起こります。
2. ビジネス横文字を無理に多用しない
ビジネス横文字には、確かに便利な側面もありますが、多用し過ぎには要注意です。
特に年配社員など横文字に疎い人に対してわざと使って困らせたり、馬鹿にしたりする行為は「ヨコハラ」と呼ばれます。
嫌がらせだと思われると、結局自分も損をすることになってしまいます。
皆が便利だと思う範囲で使うのが良いでしょう。
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ビジネス横文字を上手に使いこなそう
IT業界や外資系企業など、横文字が広く普及している業界もあります。
そのように共通認識がある場合には特に問題はありません。
しかし、そうでない場合は、なるべく皆がわかりやすい表現にするよう心がけましょう。
話す時、メールなど文面で伝える時、それぞれ捉え方が異なる場合もあります。
使い分けができるようになることも大切です。