プロ人材とは?政府も進める地方創生の切り札について知ろう
- 2022/1/28
- 業界・動向
プロ人材、という言葉を聞いたことがあるビジネスパーソンは少なくないでしょう。
プロ、と聞くと、競技選手を思い浮かべてしまう人もいるかもしれませんが、それだけではありません。
ビジネスパーソンとして高いスキルを持った人も、「プロ」と称されます。
そして、そのような「プロ」は、都市部の大企業に集中していると言われます。
この、都市部に偏ったプロを地方の復活に振り向けられれば、日本はもっと良くなるはず。。。
ここでは、プロ人材や、政府が推進するプロ人材を使った戦略について、その概要や注目される背景、働く上での注意点を解説します。
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そもそも「プロ人材」って何?
プロフェッショナル人材、通称プロ人材とは、個人能力が高く、専門スキルを持つ人材を指します。
その中でも更に、各地方における中小企業などの経営者の右腕として、企業の成長や地域の経済発展に貢献できる者、その見込みがある者が、プロ人材戦略の中における「プロ人材」として位置付けられています。
プロ人材戦略とは、プロ人材の力を地方の中小企業で発揮させ、経済や人の循環を生み出し、地域創生や社会全体を活性化させるための、内閣府による国家プロジェクトの一つです。
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拠点は全国にある
政府は、各企業にプロ人材を派遣するため、東京と沖縄を除く全国45の都道府県にその拠点を設置しています。
プロ人材には、地方企業での新商品の開発や販売、経営コンサルティング、生産性アップ、社内環境の美化など、さまざまな役割があります。
プロ人材の理想的な人物像
内閣府は、
- 経営人材・経営サポート人材
- 新事業立ち上げ・販路開拓人材
- 生産性向上人材
という主に3つの分野で貢献できる者を、プロ人材の理想的な人物像として定めています。
詳しく見ていきましょう。
1. 経営人材・経営サポート人材
- 将来の経営者としての素質やスキルがある者
- 即戦力として経営に携われる者
- その他全体的なサポートを背負って立てる人材
とされます。
2. 新事業立ち上げ・販路開拓人材
- これまでに培った経験やスキルを生かしてアイディアを生みだせる人材
- 新しい商品やサービスの企画、プロジェクトの立ち上げなど企業に新しい風を吹き込めるような人材
です。
3. 生産性向上人材
- 業務におけるあらゆる無駄を削減できる人材
- 効率化のためのツールを導入したり、施策を考案、主体的に実行できる人材
を指します。
プロ人材戦略が地方の中小企業に求められるワケ
そもそもなぜ地方の中小企業にプロ人材戦略が求められるのでしょうか。
その主な理由は以下の通りです。
1、解決すべき課題が多い
地方都市には、都市部には無い特有の課題や問題が山積みになっています。
例えば、
- 高齢化の進行
- 若年層の都市部への流失による地方の過疎化
などが挙げられます。
その他にも、
- インバウンドの恩恵を受けづらい
- 土地柄、アクセスが悪く都市部に比べてビジネスにおいて不利になりやすい
- 情報通信インフラの整備が遅れている
など、これらの課題を解決するための手段としてプロ人材の活用が求められるのです。
2、優秀でリーダーシップの取れる人材が不足している
優秀な人材ほど、大学等卒業後にそのまま都市部に残る傾向にあります。
そして都市部で就職するため、人材に偏りが生じるということも深刻な社会問題の一つとなっています。
たとえ、優秀な人材が残っていたとしても、彼らを活かし切れるリーダーや人材が地方に少ないのも事実。
少しでも人材の偏りをなくしたい。
日本の優秀な人材を最大限に活かすためにも、プロ人材戦略が求められています。
プロ人材になる上での注意点
プロ人材戦略を導入する企業にとっては、デメリットはあまりありません。
しかし、プロ人材として地方の企業へ就職、もしくは転職するには、いくつかのリスクを伴います。
後悔しないためにも、以下3つの注意点についてはあらかじめ留意しておきましょう。
年収が下がることが多い
地方企業に移ることによって高待遇を受けられる場合もあるため一概には言えません。
しかし、給与は地方水準になるため、大抵のケースでは年収が下がってしまいます。
もちろん、プロ人材を必要とする企業の大半は経営が上手く行っていなかったり、多くの問題や課題を抱えていたりします。
また、先行投資も考えねばなりません。
そうなると、人件費に充てるための十分な予算が無い、ということもあります。
一方、生活費や物価などは都市部に比べて地方の方が割安。
よって、多少年収が下がったとしても生活に困ることはないでしょう。
しかし、年収の絶対額を誇りにしているような方だと、物足りなく感じるかもしれません。
企業文化が全く異なることも
特に多くの従業員を抱える都市部の企業から、小規模の地方企業に移った場合、企業文化に大きなギャップを感じることも多々あります。
従業員同士、経営者、取引先、もしくは近隣住民との距離が近かったり、独自の社風があったりして、初めの内は上手く馴染めないこともあるかもしれません。
簡単に引き返せない
プロ人材として働くとなると、当然地方に移住しなければなりません。
そのため生活の基盤自体が大きく変わってしまいます。
もし、上手くいかなかった場合、再就職、転職をしようにも、地方ではなかなか仕事が見つからないこともあります。
再び都市部に戻ろうとしても、簡単ではないでしょう。
そうなると、簡単に以前の生活に戻れないこともあります。
まとめ
環境を変え、プロ人材として働くことで、新たな発見が生まれたり、スキルを磨けたりすれば、プラスになることも多いでしょう。
しかし、生活の基盤そのものがガラッと変わってしまうため、それなりに覚悟が必要となります。
プロ人材として働くことは、社会的に見れば大変意義のあることです。
しかし、自分自身の人生を台無しにしてしまうことがないよう、慎重に見極めた上で判断しましょう。