ホワイト企業とは?認定されるための7つの指標と取り組み

経営者と労働者が相対立する存在だという考え方なんて過去の話。

これからは、企業が従業員を大切にして、ホワイトな経営、つまり従業員ありきの経営を心がける時代です。

今回は、ホワイト企業を目指すために是非とも知っておきたい、ホワイト企業認定のための7つの指標と、具体的な取り組みについて紹介します。

ホワイト企業

 

「従業員あっての経営」が求められる時代へ

世の中には、様々な経営スタイルがあります。

利益偏重主義的な、社員を単なる労働力としてしか見ていない企業。

「会社は従業員のためのもので(も)ある」と定義し、従業員の一人一人を大切にする企業。

「企業は人なり」という言葉もありますが、長い歴史を振り返ってみても、前者のような会社が長きに渡って栄えることはなく、やがては淘汰されていくものです。

これからの時代、いかにして従業員の満足度や健康を維持し、従業員から支持される存在になっていけるかは、これからの時代の企業経営を考える上でも、非常に重要なことだと言えるでしょう。

働き手の不足や定着率の低迷、また、仕事のストレスによる心身の不調などが社会問題化している昨今において、ホワイトな経営を目指し、労働者に快適な環境を提供することは企業にとってもプラスになることです。

 

うちはブラック?それともホワイト?

従業員が快適に働けるような配慮や環境づくりをしているつもりでも、側から見ると全然そう見えない、というケースも珍しくありません。

そこで、ブラックかホワイトか、客観的に自社を捉えるためにも、今回はホワイト財団が実施する「ホワイト企業認定」を参考に、その概要をみてみましょう。

 

ホワイト企業に認定されるための7つの指標と取り組み

ホワイト財団によると、ホワイト企業に相応しい経営を行なっていると認定されるためには、主に以下の7つの指標をクリアする必要があります。

そのための具体的な取り組みも合わせてみていきましょう。

 

1、法令遵守

まず、労働基準法など従業員を守るための法律、法令をしっかり守っていることが認定の大前提となります。

  • 不当なサービス残業を強制していないか
  • 賃金の未払いが発生していないか
  • 従業員が安心、安全に働ける環境づくりができているか

等を主に判断します。

違反があれば労働局や労働基準監督署から通告がありますが、本当に違反しているのかどうか、グレーなケースもあります。

クリアにするためにも、コンプライアンスマニュアルの作成、相談窓口の設置、研修・教育の実施を徹底するようにしましょう。

 

2、ビジネスモデル/生産性

また、企業のビジネスモデルや展開している事業が、時代のニーズに合致しているものか、社会的に価値のあるものか、という点も重要になります。

  • 持続可能性があり、高い安全性、安心性を有した事業を展開しているか
  • 生産性アップの取り組みを積極的に行なっているか

などが主な評価項目です。

具体的な取り組みとしては、脱プラスチックや脱炭素、リユースなど、環境に優しいエコマーケティングの実施などが挙げられます。

また、生産性の向上という点では、各種業務のデジタル化や、フリーアドレスの導入を検討して見るのも良いかもしれません。

【参考】実際どう?フリーアドレスのメリットと導入のポイント

 

3、ワークライフバランス

3つ目の指標として、社員が仕事と私生活の充実を図れているか、つまりライフワークバランスの確立が挙げられます。

  • 仕事と子育て、プライベートとを両立できているか
  • 社員各々のライフスタイルにあった働き方が実現できているか

を元に評価されます。

それらを実現するための主な施策としては、フレックスタイムやリモートワークの導入、各種休暇制度を実施し、社員それぞれのライフスタイルに合致した雇用、勤務形態を提供できるように努めることが挙げられます。

【参考】フレックスタイム制とは?メリットとデメリットを解説!

 

4、健康経営

従業員の心身の健康に気を配り、そのための施策を実施しているかどうかも非常に重要です。

  • 従業員の健康増進のための取り組みを経営戦略の一環として実施しているか
  • 従業員の心身の健康が維持できているか

が評価されます。

健康経営をするためには、医療機関への定期検診の受診推進、費用負担はもちろんのこと、健康イベントの開催など企業独自の取り組みが求められます。

【参考】経営の新常識「健康経営」を実施するメリット4つと事例3つ

 

5、人材育成/働きがい

人材育成や、働きがいも、非常に重要です。

  • 企業と従業員が対等な立場に立ち、お互いに成長できる取り組みがなされているか
  • 自分の従事する仕事に対しそれなりの意義を見出せているか

が評価されます。

なかなか客観的に判断しづらい項目ではありますが、OJT、オンボーディング、メンター制度の導入、1on1ミーティングなどが、有効的な施策として挙げられます。

【参考】オンボーディングとは?OJTとの違いや導入するメリットは

【参考】メンター制度とは?定番になった仕組みのメリットと注意点は

 

6、ダイバーシティ&インクルージョン

男女平等や人種差別反対が叫ばれる昨今。

  • 人種や性別、また役職で差別せずに多様性を尊重できているか
  • それぞれの個性や特性を活かして働ける環境が整っているか

という点についても、クリアする必要があります。

とは言っても、いきなり企業の方針やビジネスモデルの転換は難しいため、ポリコレ意識の向上や、産休、育休の取得に関する周知、理解の獲得のための研修や教育から始める必要があります。

【参考】知らないと炎上するかも?経営の新常識「ポリコレ」の重要性

【参考】先進的な企業の常識!ダイバーシティ&インクルージョンとは

 

7、リスクマネジメント

労働者を取り巻く各種問題の中で、近年最も深刻化しているのが、パワハラやモラハラ、セクハラといった問題です。

  • パワハラやモラハラ、セクハラをいかにして防止できるか、またはうまく対処できるか
  • リスクマネジメント力はあるか

といった点も、ホワイト企業認定に求められる要素となります。

各種問題について早期に発見、対処するためにも通報窓口や社内サポートセンター等の設置を始め、ハラスメントをしない、させないための教育体制の確立も必要です。

 

まとめ

以上がホワイト企業に認定されるために満たすべき指標となります。

認定されることは、あくまでも一つの目標に過ぎません。

また、いずれの項目も白黒はっきりつくものではないため、認識に差が出て、従業員がシラケてしまうようでは意味がないと言えるでしょう。

「認定」に重きを置くのではなく、あくまで、いかにして従業員の満足度や支持、そして健康を維持できるか、そして、それに取り組む過程や姿勢が最も重要なことを忘れないようにしましょう。

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