DEIという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
日本ではあまり馴染みのない単語かもしれません。
しかし、海外では最近急速に広まりつつある組織・働き方の価値観を指す言葉です。
社会のグローバル化が進む昨今においては、基本となる考え方と言えるでしょう。
この記事では、海外の企業が推進している働き方の価値観「DEI」について解説します。
【参考】IT業界の人は特に注意!差別をなくすInclusive Namingとは?
DEIとは?アメリカの大企業も進めている
DEIとは、3つの単語の頭文字を並べた言葉で、それぞれ、
- ダイバーシティ(Diversity、多様性)
- エクイティ(Equity、公正性)
- インクルージョン(Inclusion、包括性)
の略称です。
これは、D&Iが主流だった時期もありました。
しかし、近年、「Equity=公正性」が加わることも増えてきています。
アメリカで、女性やマイノリティの人々が雇用機会の改善を訴えた結果広まってきています。
そして、今の日本では「多様性の受け入れ」という広い考えになっています。
この考え方は、Amazonをはじめ、海外の企業ではかなり一般的。
一方で、日本ではあまり目立った動きはありませんでした。
しかし、日本でも、人口減少による働き手の不足を解消するために、DEIを政府が推し進めています。
【参考】ダイバーシティ&インクルージョンとは?先進的な企業の常識
DEIの要素をそれぞれ解説
次に、DEIのそれぞれの要素について解説しましょう。
ダイバーシティ(Diversity、多様性)
様々な人が集まり、そしてお互いに受け入れていこうという考え方、施策です。
性別、人種、宗教、年齢、身体や精神の障がいなどの違いを互いに受け入れて、1つの組織で活躍することがゴールの1つになります。
これによって、様々な考え方、スキル、知識が会社に集まってくることになります。
そうすると、売上・利益の面でも良い恩恵を得られるかもしれません。
事例としては、外国人の採用、女性のリーダーを増やすなどが挙げられます。
エクイティ(Equity、公正性)
社内の手続きや方針、リソースの配分に、正当性と公正さ持たせようという考え方、施策です。
重要なのは「公平、平等ではない」ということです。
同じリソースを同じだけ与えるのではなく、個人が十分活躍できるようにそれぞれに適した物を与えることが重要になります。
このエクイティに代表的なのが、人事。
皆が皆、同じ部署で同じように活躍できるわけではありません。
営業が得意な方もいれば、マネジメントが得意な人もいます。
これらの状況を見抜き、個々の適正に合わせた部署に配置するのは、エクイティの取り組みの一つです。
また、最近日本でも話題に上がるジョブ型雇用もエクイティの実現に役立つかもしれません。
インクルージョン(Inclusion、包括性)
個々の多様性、違いを個人や組織がしっかりと受け入れるという考え方です。
これは具体的な施策に落とし込むというよりは、理念に落とし込むことになります。
実現には、組織での取り組みはもちろん、各個人の協力が欠かせません。
違うからで否定しない、差別しないことが基本です。
【参考】ブラインド採用とは?多様化社会に必要な施策のメリットとは
DEIの具体的な取り組みとこれからできること
これは、法律やルールで決まっているというものではありません。
また、今すぐに対応しなければならない、というわけではありません。
ただ、特に人材確保やマネジメントにおいては、いずれ対応する必要が出てくるでしょう。
そして、価値観に基づく取り組みのため、急に変えられるものでもありません。
そのため、DEIに取り組むなら長期的に、緩やかに変化させていく必要があります。
マネジメント担当、人事、社長の立場なら、DEIについて良く知り、社風や仕組みへの改善策を検討しておきましょう。
個人レベルなら、色々な人と合う、DEIについて調べるなどをして、多様性を受け入れる経験や意識を持つのがおすすめです。
【参考】ホラクラシー型組織とは?多様化社会で期待される組織の特徴
DEIで誰もが働ける社会へ
この記事では、DEIについて解説しました。
決して、単なる綺麗ごとや、社会貢献、企業の責任だけではありません。
人材確保や最大限の利益を出すためにも欠かせない取り組みです。