組織の一員として働いている以上、会社や同僚、上司との労働問題は起こり得ます。
これは、必ずしもブラック企業に限りません。
大手企業や、優良と言われる企業も、大なり小なり様々な問題を抱えているものなのです。
ここでは、労働問題適切に対処できるようにするため、必ず知っておくべき頼れる機関を段階ごとに分けて8つご紹介します。
労働問題で泣き寝入りしないように
決して他人事ではない、労働問題。
今は良くても、異動で上司が変わったりするだけで、状況が一変したりします。
然るべき対処方法を知らないと、何もできずに、ただ泣き寝入りするしかない事態に陥ることもあります。
当然ながら、社会人は、自分で自分の身を守る必要があります。
ここでは、いざという時頼れる機関を8つ選んでご紹介します。
【参考】長時間労働の定義や法的な規定は?放置するとリスクや弊害も
労働問題で頼れる社内の機関
まずは、社内から見ていきましょう。
1. 社内通報窓口
ハラスメントや賃金、雇用問題など、一口に労働問題と言っても様々。
しかし、トラブルに巻き込まれたら、まずは社内通報窓口を検討してみましょう。
従業員が301人以上いる会社の場合には、設置が義務付けられています。
また、それ以下の場合でも、設置されている会社は少なくないでしょう。
誰が、どんなことを通報したのか、プライバシーは必ず守られるようになっています。
そのため、基本的には安心して利用できると言えるでしょう。
2. 労働組合
もし、
- 社内通報窓口がない場合
- 対応が不十分だった場合
には、労働組合に相談するのも一つの手段です。
労働組合は、
- 労働条件の維持や改善
- 労働者の経済的地位の向上
を目的として活動する、労働者による労働者のための組織です。
会社から不当な扱いを受けたり、権利を侵害されそうになったりした際は、親身になって相談に応じてもらえます。
また、今後の適切な対応についてアドバイスしてくれたり、一緒になって問題解決に協力してもらえたりすることもあります。
【参考】労働組合とは?加入の前に知るべきメリット3つと注意点3つ
早期解決を図りたい際に頼れる公的機関
まずは、社内通報窓口や、労働組合に相談することが取るべき初動。
しかし、それでも解決できそうにないこともあるでしょう。
そのような時は、以下の対応を検討しましょう。
3. 労働基準監督署
労働基準監督署は、会社が労働基準法、労働安全衛生法、など労働関連の法律に違反した行為をした場合、それを取り締まるための国の出先機関の一つです。
各自治体に必ず設置されており、誰でも無料で利用可能です。
主に、残業代の未払い問題や不当解雇、労災関連の問題に対応してもらえます。
違反の疑いがあれば、労働基準監督署が会社に直接、指導や勧告をしてくれます。
そのため、精神的負担を感じることなく、問題解決を見込めます。
4. 労働局
各自治体の労働局も、国の出先機関の一つ。
会社と労働者との間で、何かしらのトラブルが生じた際に利用できます。
話し合いの仲介や、会社側に対する適切な指導をしてくれるでしょう。
これは、通常、労働基準監督署が対応する問題に加え、
- ハラスメント
- 社内いじめ
- 差別問題
といった民事紛争が起きた場合でも柔軟に対応してもらえます。
問題の早期解決が期待できるでしょう。
法的措置を検討したい
基本的には、労働基準監督署や労働局からの指導や行政措置が入れば、問題を起こした会社側は解決のための措置を取らざるを得なくなります。
しかし、悪質な会社の場合、それだけでは問題解決に至らないケースがあります。
その場合、あとは法的措置を検討するしかありません。
以下の方法を用いて準備を進めていきましょう。
5. 法テラス
法テラスは、国や自治体が運営する、法的トラブル解決の総合案内所です。
弁護士を雇って民事裁判を起こしたいけれど、経済的余裕がない方向けの機関。
弁護士に直接、無料で相談できます。
必要な場合には、弁護士や司法書士を雇うための費用を立て替えてもらうことも可能です。
6. 労働問題弁護士ナビ
労働問題弁護士ナビは、文字通り労働問題に強い弁護士のみを掲載している弁護士検索のポータルサイトです。
たとえば、労働基準監督署や労働局では解決できなかった、
- 残業代の未払い
- 不当解雇
など、刑事トラブルの早期解決を図るために最適な弁護士を見つけられます。
基本的に初回の相談は無料となります。
しかし、2回目以降の相談、着手金、成功報酬などは、依頼する弁護士が所属する事務所によって異なります。
7. 労働弁護団ホットライン
労働弁護団ホットラインとは、全国の弁護士によって結成された組織。
同じく労働基準法違反など、刑事トラブルに巻き込まれた際に問い合わせることで、弁護士からの適切なアドバイスを無料で受けられます。
他の機関とは異なり、個人での相談に加え、団体交渉も対応しています。
場合によっては、同僚と一緒に会社を訴えたい場合に利用できます。
8. 弁護士事務所
これは、最後の手段かもしれません。
上記のような専門機関を利用しなくても、親交のある弁護士に依頼したり、過去に同じようなトラブルに合った知人から弁護士を紹介してもらったりして法的措置を取るための準備を進めることも可能です。
検索すれば、ネットでもたくさん出てくるでしょう。
労働問題に上手く対処しよう
労働問題には、残業代未払いなど、時効が存在する問題もあります。
そのため、労働者としての権利や利益が侵害されたと気づいたら、我慢せずになるべく早めにアクションをとりましょう。