ダイレクトソーシングとは?「攻めの採用」成功のコツ

人の優秀さが企業や事業の成否を左右する時代。

優秀な人材を獲得したければ、求人を出して、応募を待つだけではダメです。

欲しい人材を狙って、時には、企業側から積極的にアプローチしていくことも必要。

そして、そのための施策として昨今注目を浴びているのが、ダイレクトソーシング。

ここでは、ダイレクトソーシングのメリット、デメリットを踏まえた上で、成功のコツを解説します。

【参考】タレントプールとは?重要性や運用のコツを解説

 

ダイレクトソーシング

 

ダイレクトソーシングとは?

ダイレクトソーシングとは、人材紹介・転職エージェントを介さずに、会社の人事、採用担当者が自ら人材を探し、直接アプローチする採用方法です。

具体的にはLinkedin等のSNSや、会社のデータベースを活用し、優秀そうな人材を選んでスカウトします。

一般的な採用は、候補者からの応募を待ち、その中から選考するため受動的。

しかし、ダイレクトソーシングはその逆で、企業側から能動的にアプローチする手法。

そのため、「攻めの採用手法」と呼ばれることもあります。

【参考】採用アウトソーシングとは?利用のメリットや注意点

 

ダイレクトソーシングのメリット、デメリット

それでは、まず、ダイレクトソーシングのメリットについて見ていきましょう。

 

候補者との意思疎通が図りやすい

ダイレクトソーシングは、意思の疎通を図りやすいという利点があります。

しかし、転職エージェント等、第三者の利益が絡むと、そうはいかないことも。

情報にフィルターをかけられたり、意図的な強調や取捨選択が入ったり。

その点、直接的にコミュニケーションを取ることで、妙なバイアスのない、フラットな情報を伝えることができます。

そして、候補者の情報についても、同様。

直接的に意思の疎通を図り信頼関係を深めれば、候補者の資質や会社との相性をより見極めやすくなります。

採用してからのミスマッチの防止にもつながるでしょう。

 

採用活動の最適化、効率化、コスト削減が見込める

また、採用活動の最適化や効率化を見込めるというメリットもあります。

最初から候補者を絞って採用活動を進めれば、無駄な費用や手間を費やす必要もありません。

もちろん、社外に払う費用も必要ありません。

そのため、大幅なコスト削減が見込めるでしょう。

 

面接用ではない「素」の相手を知ることができる

一般的な採用の場合、候補者は入念にエントリーシートを作成し、準備して面接に臨みます。

そのため、着飾った情報がやたらと目につき、本質を見抜くことが難しくなることも。

その点、ダイレクトソーシングでは、所謂一般的な面接とは違ったアプローチになります。

堅苦しくない雰囲気を演出出来れば、「素」の相手を見ることができます。

 

それでは、デメリットについても見ていきましょう。

 

企業独自の採用プロセスを構築する必要がある

ダイレクトソーシングを実施するためには、独自の採用プロセスを構築する必要があります。

  • 人材の情報収集
  • データベースの構築
  • スカウト・声がけ
  • 選考マニュアルの作成

等々。

一度作ってしまえば、あとは運用するだけではあります。

しかし、導入にあたっては、それなりの手間とコストを要することになるでしょう。

 

採用担当者の負担が大きくなることも

人手に余裕があれば特に問題はありません。

しかし、人手が不足している場合、採用担当者の負担が大きくなってしまうこともあります。

また、担当者は誰でも良いというわけではありません。

優れた情報収集スキルやスカウトスキルが必須なのは当然、人間的な魅力も必要でしょう。

ファーストコンタクトから、選考、採用まで、各プロセスにおいて経営陣や現場の人間の協力を仰ぎましょう。

 

採用を見送った際にリスクを被ることも

多くの手間と時間を費やしてアプローチしたとしても、実際に入社してもらいたいと思うかどうかは別問題。

当然、人物像にギャップがある場合には、採用を見送りにすることもあるでしょう。

その際、関係が拗れたり、場合によっては悪評が拡散されたりしてしまうリスクもあります。

【参考】リクルーターとは?メリット・デメリットと候補者の選考基準

 

ダイレクトソーシング成功のコツ

より有意義に実施するためにも、以下の3つのポイントに留意しておくのが良いでしょう。

 

1、欲しい人材の人物像、ターゲットを明確にし社内で共有しておく

ダイレクトソーシングでの採用は、通常と違ったアプローチ。

慣れない業務で、担当者の視野が極端に狭まることもあります。

そのため、求めている人材の人物像やターゲットをより明確にしておく必要があります。

人事など採用に直接携わる部署だけではなく、経営陣や他の部署ともその内容について共有しておきましょう。

 

2、ノルマにしない

採用をノルマにしてしまうと、候補者の質ではなく数に重点が置かれてしまいます。

その結果、ダイレクトソーシングでの採用自体が目的化してしまうこともあります。

そうすると、意図しないタイプの人が入社してしまい、後処理が大変になることもあります。

ダイレクトソーシングは、そもそも、大人数を採用できる手法ではありません。

そのことを理解した上で目標を設定し、極力ノルマ化しないことが重要です。

 

3、コミュニケーション能力が高い人をアサインする

実施する企業によって必要な人材は異なります。

しかし、極力コミュニケーション能力の高い人をアサインするよう心がけましょう。

コミュニケーション能力が高く、ネットで発信力がある人を担当にするのが良いでしょう。

そうすることで、企業の認知度も高まり、希望する人材の獲得に繋がり易くなります。

【参考】コンピテンシー面接とは?フレームワーク「STAR」を活用

 

ダイレクトソーシングで攻めの採用を成功させよう

手短に整理はしてみたものの、これは、開始してすぐに成功させられる施策ではありません。

体制構築やノウハウの蓄積など、成功までには一定の労力を要することになるでしょう。

しかし、この時代、優秀な人材を競合他社に先んじて獲得するためには欠かせない施策。

上手く活用して、攻めの採用活動を成功させましょう。

【参考】ポテンシャル採用とは?経験の浅い若手向け中途採用枠を紹介

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