リスキリングとは?DXの到来で注目!事例や実施課題

雇用を維持するためのリスキリングに注目が集まっています。

デジタル革命が加速する中、求められる人物像やスキルも変化してきているからです。

特に、時代に取り残されやすい、スキルのアップデートを怠ってきた人達。

簡単に解雇もできない手前、企業は人材の活用方法を模索に頭を悩ませています。

ここでは、必ず押さえておくべきリスキリングについて、その意味を踏まえた上で、主な事例や実施のための準備について解説します。

【参考】eラーニングとは?社員研修に用いるメリットと注意点を解説

 

リスキリング

 

リスキリングとは?

リスキリングとは、新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを再獲得することであると経済産業省に定義づけられています。

直訳での意味としては、リ・スキリング(re-skilling)で、再度、スキリングする(スキルを得る)ということになります。

 

リスキリングが広まってきた背景は

いわゆる第4次産業革命に伴い、loTやAI、ビックデータの活用が広まってきました。

これにより、従来手作業で行っていた仕事や業務のデジタル化、自動化が進んできていること、また、それらの技術を使いこなせる人材の需要が以前よりも増えたことがきっかけで、リスキリングという言葉が広まるようになりました。

たとえば、モノの製造や、データ入力などの事務作業、その他の肉体労働。

これらは今後ますますロボットに取って代わられると言われています。

一方で、システムのプログラムの設計や、その管理、管理に携わっている社員を取りまとめる業務、役割が、これからの時代ますます重要になります。

リスキリングはビジネスの環境変化に対応し、時代に合った働き方をするために、すべての働く人が持っておくべき概念と言えます。

 

リカレント教育との違い

働きながら新たな知識を身につける、学びを続けるという点で共通する要素があります。

しかし、リカレント教育とリスキリングとは、実は似て非なるものなのです。

リカレント教育は働く→学ぶ→働くのサイクルを回すことが目的。

それに対し、リスキリングは失われる可能性のある仕事から、これから必要とされる仕事に移行することが目的となっています。

【参考】リカレント教育とは?大人が学び続ける仕組みの課題と対策は

 

主な事例

リスキンリングの概念は、日本国内に限らず、世界中で浸透してきています。

そして既に、リスキリングのための具体的な取り組みを行っている企業も多数存在します。

事例をいくつか見ていきましょう。

 

Amazon

ご存知、アメリカの流通大手、Amazon

2025年までに、従業員10万人にリスキリングを実施すると発表しました。

  • 在庫管理や仕分業務などを行う非技術人材を技術職に移行させるための「アマゾンテクニカルアカデミー」
  • IT系技術者向けの更なるスキルアップを目的とした「マシン・ラーニング・ユニバーシティ」

等々の開校の準備を進めているとされます。

 

マイクロソフト

こちらもご存知、アメリカの通信、IT大手のマイクロソフト社。

グループ傘下のLinkedInGitHubと共同して、コロナに伴う失業者2500万人の再就職支援を目的とした、知識、スキルアップのための教育コンテンツの無償提供を始めました。

もちろん、失業者だけではありません。

グループ会社の社員や関係者向けに自社ソフトのMicrosoft Teams上で3社の教育コンテンツを配信するなど、社外に向けたリスキリングの取り組みも行っています。

 

日立製作所

日本の大手電機メーカーである日立製作所グループ。

「デジタル対応力を持つ人材の強化」を重点課題の一つとして掲げ、そのためプロジェクトを立ち上げています。

  • 全社員向けのDXの基礎に関する教育の実施や
  • グループ会社である日立アカデミーにおけるDXを推進する人材育成
  • DXリテラシー研修

等々、精力的に取り組んでいるとされます。

【参考】ポータブルスキルとは?転職先で通用するスキルを手に入れる

 

リスキリング実施のための準備

リスキリングは、単に従業員に対し研修を受けさせたり、コンテンツを配布したりすれば良いというわけではありません。

より有意義なものにするためにも事前に入念な準備をしておく必要があります。

もちろん、丸ごと外注する場合は、その限りではありません。

 

コンテンツの選定

リスキリングと言ってもその手段は多様。

身につけるスキルや知識、また移行する職種によって、その内容は異なります。

実施者は、まずは相応しいコンテンツを選び、それを利用できる体制づくりから始めます。

 

社員の現状のデジタルリテラシーレベルを可視化する

社員の中には、既に自分でリスキリングや転職の準備を進めている人もいるでしょう。

よって、社員によって、現状のスキルや知識に差や偏りが生じていると思われます。

「既に知っていること」を教えても効果は低いでしょう。

また、「難しすぎること」を教えても、定着は悪いでしょう。

よって、より効果的、効率的に実施するためにも、社員の現状のデジタルリテラシーのレベルを可視化したいところです。

 

リスキリングに抵抗のある社員への動機付け

社員には、新しい技術の知識に疎い年配層や、長年、専門的な仕事に従事してきた人もいるでしょう。

そのような方の中には、より需要のある職に切り替えることに抵抗を感じる人もいるはず。

そのような人たちの仕事に対するモチベーションをどう維持するか。

それを考えながらリスキリングを促すためにうまく動機付けをすることも求められます。

【参考】テクノ失業とは?今後無くなりそうな職種と個人が取れる対策

 

リスキリングを上手く実施しよう

リスキリングを効率的に実施できれば、時代が変わっても、不景気でも、雇用の維持が可能になります。

最先端の技術に精通している人を新規で雇う機会も減るかもしれません。

そして、採用コストの削減にもつながるでしょう。

プログラムの開設や体制作りなど、ある程度の費用や手間はかかってしまいます。

しかし、人が資産の企業にとっては、重要な将来への投資。

積極的に実施していきましょう。

【参考】社内失業とは?発生原因や効果的な対策・予防策について解説

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