リクルーターとは?メリット・デメリットと候補者の選考基準
- 2022/5/23
- 就転職・人事
優秀な新卒を集めるための戦略である、リクルーター制度。
様々な採用手法が発達し、また、旧来型の採用手法に対する批判もあり、最近では影を潜めているとの話もあります。
しかし、リクルーター制度は、一部の大企業を中心に、以前として根強い採用手法として定着しています。
今回は、リクルーターの主な役割や活動内容を踏まえた上で、その制度を利用するメリットやリクルーターの選考基準を紹介します。
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リクルーターとは?
リクルーター(制度)とは、自社の社員を「リクルーター」として起用し、学生や就活者に直接アプローチして採用活動を行うことです。
起用されるリクルーターは、主に、
- 入社2~3年目の若手社員
- 後輩と親交のあるOB、OG社員
など、候補者との歳が近く親しみやすい人材が抜擢される傾向にあります。
リクルーターの活動
では、リクルーターは、どのような活動をするのでしょうか。
主な活動内容としては、
- 自身の出身大学に出向いてサークルやゼミの後輩たちを集めてセミナーを開催し、自社の魅力をアピールする
- 学生の就活に関する相談に乗る(…ところから自社への採用に繋げていく)
- 初期段階の面接を実施し、良い学生に辞退されないようコンタクトを取り続ける
といったものです。
企業によって、リクルーターの役割や権限は異なります。
しかし、実際の会社説明会や採用面接前の段階における人材募集活動のフォローや調整役、時にはスカウト担当者としても機能します。
具体的にどうアプローチされるのか
かくいう筆者も、学生時代リクルーターから声をかけられたことがあります。
筆者が大学3年生の時、いきなり知らない番号から電話がかかってきて、
「〇〇大学出身で〇〇銀行に勤めている〇〇という者です」
「〇〇大学の学生と〇〇(大学の近く)でお話したりしているのですが、お茶でもしませんか」
みたいな感じで、誘い出されます。
行ってみると、他の学生や若手の社会人が大勢集まっていて、色々と話を聞くことが出来ました。
(※私は、一度は選考プロセスに乗ったものの、興味がなく途中で辞退しましたが)
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リクルーター活用のメリットとデメリット
まずは、リクルーターを活用するメリットについては見ていきましょう。
リクルーター本人が愛社精神を持ちやすくなる
採用活動は、企業の成長に決して欠かせない業務の一つ。
その活動次第で、企業の将来が大きく左右されると言っても過言ではありません。
そしてリクルーターは、自社がターゲットとする学校の学生にアプローチしていきます。
ゆえに、「その大学出身で、会社を代表する存在」として立ち振る舞うことになります。
その役割は採用戦略上、非常に重要なものとなるのです。
「自分は〇〇大学出身で、〇〇会社を代表する社員なんだ!」
そのような意識を強く持つことで、愛社精神を強くするようになります。
(※尚、リクルーターの活動は、通常業務とは別の形で、課外活動的に行われるのが一般的)
ミスマッチを減らせる
リクルーターによる採用活動は、セミナーや説明会より学生との距離を縮められます。
また、雑談等を交えながら、フランクに意思疎通を図ることもできます。
そのため、自社の良い面や悪い面など細かな情報を的確に伝えられるだけでなく、職場の雰囲気や社員の様子など、普通なら学生が知り得ない情報も伝えることができます。
ゆえに学生も、その企業について、より具体的なイメージを持つことが出来ます。
そのため、採用後のミスマッチを未然に防げるのです。
書類や面接だけではわからない学生の側面が分かる
学生との距離を縮めながら接することで、書類や面接だけではわからない学生の側面を見ることができます。
何気ない会話や雑談を通して、学生の本来の姿を見ることができます。
そのため、自社のニーズに合致した人材、有能な人材を見つけやすくなります。
一方で、良いことばかりではなく、デメリットもあります。
リクルーターの管理が難しい
まず、リクルーターの管理が難しいということが挙げられるでしょう。
学生と不適切な関係に陥るなどの不祥事が起きることは、しばしば報道されている通り。
不祥事が起きると、当然企業イメージに傷がつきます。
そして、その会社のリクルーターが敬遠されるようになり、採用活動に支障を来すようになることもあるでしょう。
また、
- 誰に、何を、どこまで任せるのか
- 通常業務との棲み分けをどうするのか
といった管理も難しくなります。
人によっては、リクルーター活動を言い訳にして仕事をサボろうとする人もいるのです。
社内に学閥ができることもある
採用のほとんどをリクルーター制度に頼ると、社内に学閥が出来る可能性があります。
学閥ができることによってチームワークや連携が強化されるという側面もあります。
しかし、その裏返しとして、学閥同士の対立が起こったりすると厄介。
また、一般的なルートで入社した社員のモチベーションを下げてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
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リクルーターの選考基準
リクルーターは誰でも良いわけではありません。
選考する際には、以下の3つ基準を参考にしましょう。
1、人柄、ルックスなど候補者が魅力的だと思ってくれそうな人
内面的なスキルや日頃の働きぶりも大切。
しかし、人柄やルックスなど、入社候補者が魅力的と思ってくれそうな人を選ぶのが鉄則。
「人柄ならともかう、ルックスだなんて、、、」と思うかもしれません。
しかし、残念ながら、学生を惹きつける上では、ルックスは非常に強力なのが現実。
もちろん、学生の長所や短所を上手く引き出すため、という理由もあります。
しかし、何よりもリクルーターのイメージがそのまま会社のイメージに繋がることが多いと認識しておきましょう。
2、会社や候補者の悪口を言わない、会社に不満を持っていない人
学生からの深い納得感を得るためには、会社の良いところだけではなく、現実的な要素を正直に伝える必要もあります。
しかし、かと言って会社に不満を持っている人をリクルーターにするのは禁物。
会社や候補者の「単なる悪口」を容易に言ってしまう人は、企業の品位を落とすことになります。
「単なる悪口」は、「現実を正直に伝える」のとは異なります。
会社に不満があると、単なる悪口がついポロリとこぼれてしまうもの。
そのため、会社に対する不満の小さい人を選ぶ必要があります。
3、候補者に対して偏りなくフェアに接することができる人
人柄やルックスだけではありません。
当然コミュニケーション能力や採用者としてのスキルも、リクルーターには求められます。
そして、候補者に対して偏見を持たずに接することができ、公平に評価できる人を抜擢しましょう。
そうでなければ、単に「気が合う人」だけが優遇されることになってしまいます。
会社の目的や狙いを正しく理解し、遂行してくれる人材であることが必須なのです。
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まとめ
リクルーター制度を利用し学生にアプローチしたとしても、自社の魅力を十分に伝えられなかったり、力不足だったりすると悪い印象を与えて逆効果になってしまうこともあります。
そのため、リクルーターの人選も慎重に行う必要があります。
コネクションやコミュニケーション能力があることは当然。
「こんな人が増えたらいいな」と思うような人をリクルーターとして抜擢しましょう。