取り込み詐欺とは?被害のパターンと回避するための習慣4選

企業間の取引では、多くの場合納品やサービスの提供と対価の支払いにはタイムラグがあります。

商品の納品と代金の支払いが同時に行われるのは、どちらかというと少数派といえるでしょう。

タイムラグが生じても、しっかりと支払いが行われるのであれば問題ありません。

しかし、世知辛い世の中、「支払いは後」という商習慣を狙った詐欺があるのです。

ここでは、コロナ禍で増えたとも言われる古典的な詐欺である「取り込み詐欺」について解説します。

【参考】資金繰りが行き詰った!?待って、まだファクタリングがある

取り込み詐欺

 

取り込み詐欺とは?

取り込み詐欺とは、手形や掛け払いなどの後払い方式で商品や資材を大量購入し、商品だけ受け取った後に、計画的に支払代金を踏み倒すという詐欺の一種です。

「パクリ屋」とも呼ばれることもあります。

主に米や肉などの食品を始め、PC、タブレット、エアコンなどの電化製品など換金性の高いものがよく狙われるとされます。

詐欺によって手にした商品を他社に転売したり、ディスカウントショップや、通称「バッタ屋」と呼ばれる現金問屋に流して換金します。

元々健全な事業者が経営不振に陥り、計画倒産の手段として支払いを踏み倒すケースもあります。

しかし、実態としては、プロの詐欺グループによる犯行が大半とのようです。

 

コロナ禍に便乗した事例も増加している

近年、コロナ禍に便乗した取り込み詐欺の事例も急増しています。

特に、テレワークの普及に伴いPC、OA機器、その他周辺機器や機材などの需要が高まっていることから、それらを取り扱っている企業がよく狙われるようになったとも言われます。

また、対面式の商談から、オンライン上での商談が増えてきているとの報告も。

直接対面せずとも取引がしやすくなったのも被害拡大の一因として挙げられるようです。

【参考】知らないとペナルティ発生も?源泉徴収ってどういう仕組み?

 

取り込み詐欺の主な手口

まずはその主な手口について見ていきましょう。

 

1、相手を信用させる

最も典型的な手口として、相手の信頼を得てから犯行に及ぶというケースがあります。

まず、怪しまれないように最初のうちは少額の取引を複数回繰り返し、支払いもします。

ある程度信頼関係が構築できたと判断した段階で、高額な取引を持ちかけてくるのです。

「Webページを見て、共感した」

「過去に貴社の顧客だったという人から紹介してもらった」

といって、心理的な距離感を近くしようとすることもあります。

 

2、早くするよう急かす

次に、この手の詐欺にはよくありますが、判断する時間を与えまいとします。

急に大きな取引を持ち掛けると、取引先としては不安になるもの。

ちゃんと支払われるのか、普通の企業は様々な方法で調べるものです。

そこを、「めったにないチャンス」「時間がない」尤もらしい理由を言って急かしてきます。

この辺りの管理が杜撰そうな会社は、よく狙われやすいと言えるでしょう。

 

3、資金援助を持ちかける

商品の発注し代金を踏み倒すというのが取り込み詐欺の一般的なパターン。

しかし、個人事業主や中小企業を狙って資金援助を装う更に悪質なタイプもあります。

資金繰りが厳しそうな事業者に目星をつけ、資金援助を装ったりしてアプローチしてきます。

そのあとは同じで、商品やサービスを提供した後に音信不通になるというパターンです。

【参考】始めるならこれ!サラリーマン向け週末起業のアイディア3つ

 

取り込み詐欺を回避するための4つの習慣

取り込み詐欺の被害が発覚した後で、その損害を取り戻すのは実際のところなかなか難しいのが実情。

裁判を起こそうにも、既に姿を眩ましていたり、計画倒産で会社がなくなっていたりします。

もしくは、尻尾を捕まえたとしても損害額が裁判費用と変わらないといったケースも。

そうすると、泣き寝入りするしかありません。

被害に遭わないためには、事前にしっかりと対策し、習慣づけておくしかないのです。

 

①Webで情報を確認する

まず、この時代に最初にやることはこれでしょう。

Webページを探し、社名や代表者名で検索をかけてみます。

それなりに活動していれば、色々なところで名前が出て来るもの。

過去に遡って情報が色々とでてくれば、ある程度信憑性があると言えるでしょう。

しかし、いかにも即席のWebサイトに見えたり、何も出て来なかったりすると、要注意です。

 

②登記を確認する

次に、新規の相手の場合、必ず登記の確認をしましょう。

登記されているかどうかは、法人番号を調べれば簡単に分かります。

法務局で登記情報を調べれば、創業年数や住所、所在、代表者の氏名や住所を確認できます。

もちろん、オンラインでも取得でき、手数料も450円程度と、気軽に取得できます。

設立して間もない、もしくは住所や社名が頻繁に変更されている場合は要注意。

出来れば、実際に訪問して、その実態を確認しておきましょう。

 

③調査会社のレポートを見る

次に、相手の経営状況を把握します。

これはWebや登記情報からはなかなか伺い知れない情報。

それなりに実績のある会社であれば、信用調査会社が調査を行っているはず。

帝国データバンクや、東京商工リサーチのレポートを探してみましょう。

登録が必要ですが、レポート自体は2万円程度で取得できます。

最新の情報が取得出来れば、安定性は高いと言えるでしょう。

 

④売掛金保証サービスを利用する

また、売掛金保証サービスを利用するのも一つの対策となるでしょう。

加入していれば、万一被害に遭い、代金の回収が困難になった場合でも保証してもらえます。

しかし、一般的な保証会社は、大手企業を対象としているのが実情。

中小企業など比較的小規模な事業者は加入ができないこともあります。

たとえできたとしても保険料の負担が大きくなることがあるため、注意が必要です。

【参考】悪徳フランチャイズを避けるために知っておくべきノウハウ集

 

まとめ

「取り込み詐欺」の相手は、ほとんどがプロの詐欺グループ。

巧妙な手口で仕掛けてくるため、対策していたとしても騙されてしまうこともあります。

特に、こちらの弱みに付け込むかのように近づいてくるのです。

少しでもおかしいとおもったら、すぐに調べる習慣をつけておきたいものです。

【参考】不動産投資詐欺の主な手口4パターンと騙されないための対策

関連記事

最新の記事

  1. 不動産投資に資格
  2. 経年劣化、通常消耗、特別消耗
  3. 短期賃貸
  4. 固定金利と変動金利
  5. 家賃債務保証
  6. 再建築不可物件
  7. 駐車場経営
  8. 不動産投資でカモ
  9. 家賃の値下げ交渉
  10. 木造・鉄骨造・RC造

ピックアップ記事

  1. スノッブ効果
  2. 転勤のデメリット
  3. クリエイティブ職
  4. 出版マーケティング
  5. 働き方改革の成功事例
  6. 自己肯定感
  7. みなし残業
  8. REITのタイプ
  9. 空室保証
  10. QUESTフォーミュラ

おすすめの記事

  1. 起業前の準備
  2. ホラクラシー
  3. ヘッドハンター
  4. 嫌われる上司
  5. ドロップシッピング
  6. ストレスチェックは義務
  7. 飲食店開業準備
  8. 登記簿謄本
  9. ロイヤルカスタマー
  10. 出版マーケティング
ページ上部へ戻る