未来を切り開いてくれるような若い人材を獲得したいなら、若い人たちの生活や仕事に対しての価値観を知り、
「ここで働きたい!」
と思ってくれるような会社にしないといけません。
じゃあ、実際に若い世代はどんな生き方や働き方を望んでいるのか?
今回は、Z世代をはじめとする若者との交流も深く、Twitterでも積極的に就活について発信しているりんさんに、Z世代の価値観や就職したい会社・したくない会社について本音を聞きました。
前編のこの記事ではZ世代の価値観と、ちょっと残念に感じる会社の特徴についてお送りします。
ゲスト:りん さん
大阪の大学へ通う23卒の学生で、体育会運動部に所属し、昨年の10月から女子部主将を務める。
総合人材系の会社に内定が決まっている。
趣味はライブ遠征
学生として残り1年で、セールスやマーケティングを含めたビジネスのさまざまな知識・スキルを学びたいと思い、先輩内定者の紹介で仕事塾に入塾。
広報を担当し、広報知識ゼロの状態から、Twitterでの情報発信、note執筆、企業や学生団体との連携、運営側のインターン生と、塾生限定の外部でのインターンの紹介など幅広い活動を行っている。
Twitter
仕事塾とは
働く学生のサードプレイスとして、マーケティング戦略を考えるワークや長期インターンを提供している学生限定のビジネスコミュニティ。
就活を終えた23卒生はもちろん、
- 個人のスキルを上げたい!
- 仕事に関する知識を獲得・共有したい!
という目的の学生が多く在籍している団体になります。
記事は、りんさんだけでなくこちらの団体に所属している方たちの意見も含まれています。
Ueda
当WebメディアBISCUITのライター。
本記事の取材と作成を担当。
Z世代が望むライフスタイルとは?
まずは、Z世代の価値観、望むライフスタイルについて聞きました。
Ueda:仕事は人生の全てではありませんが、多くの時間を費やし、人として成長する重要なものです。
そのため、まずは、りんさん含めZ世代の方たちの「こういう人生・生活を送りたい」を送りたいということをお聞きしたいと思います。
りん:大きく2つの価値観があります。
1つが「一人でも多くの人の人生のキャストとして出演できるような人になりたい」です。
人生で数々の人に出会うのに、振り返って一瞬で思い出す人は本当に大切な人や人生に本気で関わったごく僅かな人。
その中でも、なるべく多くの人に「あの人のおかげで今がある」と強く思い出に残るような人になりたいと思っています。
そのためには、事実や根拠に基づいた論理的な思考かつその人の心情や本音に向き合う感情的な思考を両方持ち合わせて人に接する事を大事にしたいです。
もう1つが、「自分の意思で仕事をして、自分の考えでワークライフバランスを決断できるような生活」になります。
仕事に全力になるも良し、趣味や人との交友関係とのバランスを自分なりに保つのもよし、自分で選択して生きていきたい、というのが大切にしていることです。
さらに、様々な業界・役職・年齢の人と接する機会を逃さず、それぞれの人からどんな事を吸収したかを必ず明確にして知識を得ていきたい。
Ueda:かなり興味深く、素晴らしい考え方だと思いました。
多様性と人間関係を重視している印象です。
りん:おっしゃる通り、多様性と人間関係を意識して私自身も含め塾生は活動しています。
営業やマーケティングのグループワークでも、人の心情の変化や商品ではなく人で買いたいと思ってもらえるようにはどうするか?を考える機会が多いです。
「若い人は」とひとくくりにできない志望キャリアの多様性
Ueda:ちょっと仕事にも関わってきてしまうのですが、フリーランスになりたい、独立して生きていきたいというのも人それぞれな感じでしょうか?
りん:働き方に関しては、フリーランスや独立するという考えや身につけた力をさらにどう活かすかという視点を持って、ファーストキャリアだけでなくその先まで見据えている塾生が本当に多い印象です。
Ueda:ファーストキャリアの表面的な形態(正社員など)へのこだわりは薄く、全体的なキャリアプラン、ライフプランの理想に沿う形で最初のキャリアを選んでいる、という感じでしょうか?
りん:もちろん、就職活動のグループワークや面接のために、仕事塾で培った経験を生かすという目的で在籍している塾生もいます。
それはファーストキャリアを重んじるが故に、仕事塾を就職活動で強くなるための手段としているとも言えると思います。
しかし、仕事塾内にはやはり社会人としての個人の経験や能力を高めようという目的で参加している学生が多いので、所属先へのこだわりよりも、自分が社会人として、キャリアプランやライフプランをどうして行くか、という事を考えている者が多いと思います!
Ueda:他に生き方・人生について、追加で話しておきたいことはありますか?
りん:代表の高村の思いである、「学生↔社会人のギャップをなくし、学生に職歴を」というものです。
海外では、学生や我々と同世代の若い人材でも企業に参画したり、社会経験を積んでいるのに対し、日本ではそういった機会が少ないことに疑問を持ったことがきっかけだったそうです。
自分で自分のキャリアを主体的に選択していくためには、そのための経験と選択肢が必要だと考えたという思いがあったことを追加で補足させていただきます。
ここがポイント!
- 人間関係と多様性、自主性を重視している
- ファーストキャリアへのこだわりも人それぞれ
- 長期的なキャリアプラン、ライフプランを重視している
- そのために経験を積むこと、選択肢を知ることが大事だと考えている
あなたの会社は大丈夫?不安に思われてしまう企業の特徴
次に、残念に感じて不安に思う会社の特徴を聞いてきました。
Ueda:ここから会社や仕事についてお聞きします。
まずは、「こういう会社はちょっと…」と感じた会社について教えてください。
りん:塾生と私自身の意見を総合すると..
- 説明会のスライドが分かりにくくて長い会社
- インターンや会社説明会の段取りやトークがもたつく
- スーツ出社
- 挑戦させてもらえない会社
- トップのいいなりになっている会社
の5つが、挙がりました。
説明会のスライドについては、3,4枚程度で1時間話している例もあり、わかりにくく退屈でした。
また、インターンや会社説明会でもたついている場面を見て、準備が十分になされていないと感じることもありました。
その場合は、他の仕事でも中途半端なのかと思ってしまい、信用できなくなったという意見もありました。
採用の現場でのスムーズさが会社への評価に直結する
Ueda:やっぱりインターンや説明会、採用の現場がスムーズでないと、他の仕事もスムーズにできなさそうな印象を持ってしまいますか?
りん:これは私個人の意見にもなってしまいますが、やはりそのような印象を受けてしまいます。
その中でも、学生への対応を怠っている場面を見てしまうとやはり志望度は下がってしまうかのように感じます。
インターンなどで進行がもたついていても、その間学生とのコミュニケーションを行ったり、誤ったメールを送信してしまった際にも、その後しっかりとしたフォローがあれば大幅に信頼が下がることはありませんでした。
むしろ、しっかりと学生と向き合って採用活動を行っているという印象を持ちました。
自分の会社を紹介するという会社のブランドを左右する大切な場面での対応が良くない会社さんは、やはり普段の仕事でもそのような傾向があるのかなと感じてしまいます。
スムーズでない以外に、横柄な態度なども同様かと感じます。
報連相での不安や疑問ががっかりポイントに…
Ueda:他に、説明会やインターン、採用の場面で特に見ている部分、ガッカリしたエピソードがありましたら、教えてください。
りん:私だけでなく知人から聞いた話を含めますと…
- 最終面接前という大事な局面で、「今から来れる?」という断れないような連絡が来た
- 対面面接で集合時間から40分以上待たされた
- インターンシップで、進行役の社員の方が話している最中に割って上司の方が話し、進行を曲げていた
- 面接に合格したのに次回の連絡が一向に来ず、こちらから連絡した
というものを聞きました。
やはり報連相関連の不安や疑問ががっかりする原因になるのかと考えています。
常時スーツ出社が嫌な理由とは?
Ueda:「スーツ出社、挑戦させてもらえない会社」「トップのいいなりになっている会社」についても質問させていただきます。
この特徴が何となく嫌、というのはとても共感できるのですが、具体的なエピソードや理由があれば、教えてください。
りん:まず、「スーツ出社の会社」について回答させていただきます。
こちらは仕事塾の塾生からの意見なのですが、業務上・マナー上必要な時ではなく常時スーツ出社という意味合いだと考えています。
常時スーツ出社だと、
- 真夏にスーツは暑く体温調節がしにくいこと
- 着数が少ないことから洗濯やクリーニングの時間や金銭面での負担が大きいこと
を懸念にしているのではないかと思います。
マインド的な話ですと、自分のスタイルに合った服装や動きやすい服装の方が仕事に対しても高いモチベーションで臨めるということだと思っております。
トップの言いなりだとモチベが下がる
りん:続いて「トップの言いなりになっている会社」についてですが、こちらは我々が重視している、自らのキャリア選択を自分自身のワークライフバランスと相談しながら主体的に行うに反しているからかと思います。
もちろん上からの指示に対して働くことが会社に従事するということだとは思います。
ですが、行き過ぎると仕事に対してのモチベーションが下がるきっかけにもなり、人生の幸福度を下げてしまいかねないということかと考えています。
ここがポイント!
- インターンや会社説明会、採用活動とそこに関連する報連相から、会社やそこで働く人を評価している
- もたつくと「大丈夫かな?」と思われる
- スムーズに進行できるよう練習は必要!
- 失敗してもフォローアップがあれば好印象
- 採用に臨む志望者に対しても、顧客と同じように丁寧に
- 可能なら服装自由にすると、Z世代からは好印象
- スーツを着用する場合でもクリーニング代の支給や暑い日のカジュアル化など、負担を軽減すると納得してもらえる
- トップダウンばかりではなく、社員全体で働ける環境にすると好印象
多様性への対応と安心がカギ
ここまで、りんさんにZ世代が望む望むライフスタイルと働き方、「ちょっと…」と思う企業について話を聞きました。
人間関係はもちろんのこと、
- 多様性を踏まえて様々なニーズに応えること
- 「一緒に仕事しても大丈夫」という安心を与えられるか
がカギだと思いました。
後編では、いよいよ就職したい会社の特徴について深く聞いていきます。
取材協力:りんさん、仕事塾の皆様
りんさんのTwitter
仕事塾公式サイト
仕事塾代表、高村さんのTwitter