移動販売は店舗不要で低リスク?その魅力と必要な準備や許可
- 2021/8/27
- 起業・開業
【PR】起業家限定:ロゴ+名刺+Webが3つセットで50,000円~
新型コロナの流行で「密」の回避が叫ばれる昨今、再び注目を集めている移動販売。
場所に縛られることなく柔軟に営業できるその仕組みは、コロナ禍においても大いに強みを発揮しています。
もちろん、起業家にとっても、有力な選択肢の一つとなっているようです。
しかし、本当にメリットがあるのか、どんな準備をすればよいのか、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
ここでは移動販売の魅力や、開業に必要な準備について解説していきます。
【参考】えっ調理師免許は不要?飲食店開業に必要な準備ステップ5つ
移動販売(キッチンカー)とは?
移動販売とは、テナントや実店舗などを構えず、専用車両を用いて主に飲食の販売をするビジネスのことです。
以前から存在する事業形態ではありますが、コロナ禍において需要が増加傾向にあり、起業家から熱い注目を集めています。
ラーメン、おでん、焼き鳥、焼き芋を始め、たこ焼き、メロンパンやクレープは、昔からある最もオーソドックスな事業例です。
また、近年ではスムージーやタピオカ、カレー、サンドウィッチ、ハンバーガーなど、時代やライフスタイルの変化に伴い新しいメニューも増えてきています。
移動販売の魅力
「中食ブーム」による需要拡大や誰でも始められるその気軽さから注目を集めていますが、移動販売にはそれならではの魅力があります。
①開業時のコストと時間が安く済む
余計なコストと時間をかけず、誰でも気軽に始められることが移動販売の最大の魅力と言えるでしょう。
実店舗経営のようにテナントの物件探しや契約、資材の準備は必要なく、車両と最低限の設備、資金があればすぐに事業を始められます。
開業資金の目安としては、
- 中古車両を活用する場合、100万〜300万円程度
- 新車を購入する場合〜350万円前後
で、それに10万円程度を追加して、必要な設備を整えます。
実際に店舗を構えるよりも、大幅に安い投資額で事業を始められます。
②家賃、人件費などの固定費がかからない
移動販売の場合、ガソリン代はかかりますが、当然のことながら、家賃はかかりません。
駐車場代はかかるかもしれませんが、家賃がかからないというのは、かなり大きなメリットと言えるでしょう。
また1〜2人いれば営業できることから人件費も最小限に抑えられます。
固定費を最小限に留められるため、時短営業命令や営業自粛などが発令された際に赤字が出る心配が少なく、社会の動向による影響を受けにくいことも移動販売のメリットです。
③営業場所や営業時間を自由に決められる
移動販売の場合、営業場所や営業時間に縛られないことも魅力の一つとなります。
人の往来が活発な市街や、ビジネスマンが多く集まるオフィス街でランチタイムを狙って営業すれば効率的に集客、収益を見込めます。
人の流れを読んで、戦略的に事業展開できるのも移動販売の魅力。
そして、花火大会や音楽フェスなどのイベント事がある際に臨機応変に販売場所を移動して営業することも可能です。
【参考】オンラインサロンとは?有名人も続々参入!実は起業に最適?
移動販売を始めるための準備や許可
それでは、実際に移動販売を始めるにあたり必要な準備や許可について見ていきましょう。
ステップ1:移動販売用の車両を準備する
まず、車両を購入することになりますが、移動販売をするための車両には
- 食品営業自動車
- 食品移動自動車
の2種類あります。
何だか少し似た名前ですが、何が違うのでしょうか。
まず、食品営業自動車とは、たこ焼きやクレープなど、車内での調理が必要なものを販売するための車両です。
対して、食品移動自動車とは、メロンパンやサンドウィッチなど、調理済みであらかじめ包装されているものを扱うための車両です。
少し分かりにくいですね。
ステップ2:車両を改造し設備を整える
車両が購入できたら改造や設備を整えるための計画を立てていきますが、その際に必ず最寄りにある保健所の指導を仰ぎましょう。
というのも、移動販売を始めるためには設備や内装にある程度の要件があり、それを満たさない場合営業許可が降りません。
食中毒防止等の観点から、
- 運転席と調理場は完全に仕切られているか
- 公衆衛生の観点から給水や排水の設備はあるか
- タンクの容量は十分であるか
- その他シンクや換気設備、収納スペースがあるか
などが主な要件となります。
確認ができたら要件を満たすように改造計画を練り、実際に設備を整えていきます。
ステップ3:営業許可、食品衛生責任者の資格の取得
移動販売を始めるにあたり、必要になる許可、資格は
- 営業許可
- 食品衛生責任者
この2つになります。
営業許可とは、その名の通り屋外で営業するために必要な許可で、営業予定地の自治体にある保健所で申請し、審査、検査のあと取得できます。
食品衛生責任者とは、食中毒などを防ぐために食品衛生上の管理を行う者を指し、保健所が定期的に実施している講習会でその資格を得られます。
飲食店に行くと、たまに店内に貼ってあるのを見ることもあるかと思います。
食品を扱う仕事をする以上、この2つは必須であるため取得のための準備も同時進行で進めていきましょう。
ステップ4:その他許可の取得、営業開始
また、路上で販売業務を行うための道路使用許可(警察署で取得)や公園など公共施設内で営業するための国土交通省の許可、その他許可が必要になる場合があります。
以上が移動販売を始めるために必要な準備、許可になりますが、準備手順は事業内容によって異なる場合があるので注意しましょう。
けっこう、色々な許可を取得しなければならないんですね。
しかし、たかが食、されど食。
食中毒事件が起きて、大勢が病院に運ばれる事態になってしまったりすると、大変なことになってしまいます。
安全を担保するためのものと割り切って、必要なステップは確実にこなしていくようにしましょう。
【参考】週末起業のアイディア3選!サラリーマンが始めるならこれ!
まとめ
移動販売はコロナ禍においても非常に魅力的な事業ですが、季節や天候によって売上が左右するという欠点もあります。
台風など悪天候の場合にはそもそも客が集まらない、夏場には食中毒が出ないよう細心の注意を払わなければいけない、など数々の困難に直面することもめずらしくありません。
移動販売を始める際にはこれらのリスクや欠点もしっかりと把握した上で開業準備を進めていきましょう。