「集中ブース」と呼ばれる設備をオフィスに導入する企業が近年増えてきています。
快適に仕事するための空間を、効率的に確保できるのが魅力。
これから導入を検討している企業のために、主なメリットや導入する際の注意点について分かり易く紹介していきます。
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集中ブースとは?
集中ブースとは、周囲の視線や雑音をシャットアウトできる機能を備え、仕事に集中できるように設計されたワークスペース設備です。
- パーテーションなどで仕切りを作る簡易的なタイプ
- イスとデスク、仕切りが一体型のタイプ
- 外部の音を完全にシャットアウトできる遮音性に優れたボックスタイプ
まで、様々な種類があります。
ボックスタイプのものに関しては、駅の構内など、屋外に設置されていることもあります。
駅の構内に設置されているのを見たことがある人も少なくないでしょう。
働き方改革や新型コロナウイルス感染症対策に対応するため、テレワークやオフィス改革を進める企業が増え、集中ブースに対するニーズも急上昇したと言われています。
ブース内には、
- 電源コンセント
- 高速インターネット
- Webカメラ付のパソコン
などが備え付けられています。
そのため、ただの作業スペースではなく、Web会議用のスペースとしても活用できます。
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集中ブースを設置するメリット
集中ブースのタイプによっては、設置に多くの手間とコストを要する場合もあります。
気軽には導入できないかもしれませんが、多くのメリットを期待できるのは確かです。
1. 仕事に没頭しやすくなる、生産性が上がる
一般的なオフィスは、ただデスクとイスが並べられて、音や視線を遮るための十分な仕切りなどが設置されていないこともあります。
周囲に話しかけられたりもして、仕事に集中するのが物理的に難しいケースもあります。
しかし、集中ブースを設けることで、一定の個人用スペースが生まれます。
そのため、1人で黙々と作業したい場合や、誰にも話しかけられたくない場合に、仕事に没頭しやすくなります。
生産性もアップしやすくなるでしょう。
2. 従業員がリラックスできる空間ができる
特にフリーアドレス制を導入している企業では、オフィス内における人の流れが活発になります。
固定席もそもそも用意されていません。
そのため、一人になりたいと思っても難しい場合があるでしょう。
集中ブースは本来、作業するためのスペース。
しかし、仮眠をとったり、お菓子を食べたり、休憩したりリラックスするための空間としても活用できるのです。
3. プライバシーが守られる
会社によっては、通常業務において他の従業員に見られてはいけない機密情報を扱う場合もあります。
一般的なオフィスのレイアウトだと、うっかり大事な書類を見られるリスクがあります。
また、会話が漏れたりする懸念があるかもしれません。
そのような時、遮音性があり、周りの視線を遮る造りになっている集中ブースを設置すれば、そういったことを心配は大いに軽減できます。
4. 遠隔コミュニケーションに適している、周りに迷惑をかけない
最近では、Zoomなどを利用して遠隔コミュニケーションを必要とする機会が増えてきています。
在宅勤務の従業員を交えてWeb会議を行ったり、クライアントと面談したり。
その際、他の作業をしている従業員のすぐ隣でWeb会議に参加すると迷惑がかかります。
音声が聞こえにくくなったりすることもあるでしょう。
そこで、遠隔コミュニケーションを取るためのスペースとして集中ブースを活用すれば、誰もが快適に仕事に打ち込めるようになるでしょう。
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集中ブース設置の注意点
集中ブースの導入を検討する際、以下の注意点を必ず押さえておきましょう。
1. 十分なスペースの確保
タイプにもよりますが、新たに設置するとなると、オフィス内に広めのスペースを確保する必要があります。
特にボックスタイプのものや、デスクやイスが一体型のタイプの場合、搬入や組み立てのためにもある程度のスペースが必要です。
集中ブースは、いざ置いてみると、案外存在感があり、圧迫感があります。
オフィス内が窮屈になり、移動しづらくなってしまっては元も子もありません。
十分なスペースを確保できるか確認した上で、必要に応じてフロア全体のレイアウトも見直しましょう。
2. 利用ルールの制定、周知の徹底
また、集中ブースの利用におけるルール決めや社内周知も欠かせません。
1回の利用時間やブースの用途など、細かなルールを決めておいた方が良いでしょう。
誰もが利用したい時に利用できるわけではありません。
その点の対策も練っておきましょう。
3. 設置目的や意義を明確に決めておく
多くのコストをかけて導入したは良いものの、利便性が悪く、結局誰も利用しなくなってしまった、という事態に陥ることもあります。
利用ルールはもちろんのこと、設置する目的や意義を明確に決めておく必要があります。
4. ボックスタイプは多くの費用がかかる
ボックスタイプのものは、遮音性が最も優れています。
そして、周囲からの視線も完全にシャットアウトできます。
Web会議などを頻繁に行う企業では重宝しますが、そこまで安いものでもありません。
メーカーによって具体的な費用は異なりますが、1つあたり、100万円程度。
リーズナブルなものでも数十万前後が相場となっています。
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集中ブースを活用しよう
集中ブースを設置することで、従業員の生産性アップや、リモートワークのための快適な環境づくりがしやすくなるというメリットがあります。
一方で、導入する目的や利用ルールをあらかじめ明確に決めておかないと形骸化しやすいというデメリットもあります。
上手く活用して、生産性をアップさせていきましょう。