退職勧奨とは?会社の悪質な手口と受けた時の対処法は

会社は、当然ですが、会社の利益を守ろうとします。

経営が苦しいわけではなくても、リストラに踏み切る会社もあります。

Googleに加え、Meta(FacebookInstagramの運営会社)が日本国内でも人員削減を行ったのも、記憶に新しいでしょう。

これは、会社員であれば、誰であろうと他人事ではありません。

ここでは、労働者としての利益、そして身の安全を守るために必ず知っておくべき、悪質な退職勧奨の手口と、被害にあった際の適切な対処法について紹介します。

【参考】レイオフとは?社員にも利点が?目的や注意点を解説

 

退職勧奨

 

退職勧奨とは?

退職勧奨とは、退職してもらいたい従業員に対して、解雇をするのではなく、自主的に退職するように促す措置のことです。

会社は従業員を一度雇ってしまうと、合理性、相当性がない限り、法律上簡単に辞めさせることはできません。

労働基準法で守られた正社員を解雇するのは、実際、かなり大変です。

退職勧奨そのものは、合法という扱いになります。

しかし、やり方によっては不当解雇のような扱いとして違法になる場合もあります。

しばしばニュースにもなりますが、中には非常に悪質なケースもあります。

雇われている立場の人は十分に注意しなければなりません。

 

会社が退職勧奨する理由

会社は、経営が傾いたりして、人件費を削らざるを得ない状況に陥ることがあります。

いわゆるリストラになりますが、その場合、通常は「会社都合」の解雇になります。

しかし、会社都合で解雇すると、会社側にデメリットが多いのが実情。

裁判になったりすることもあれば、行政からの支援や、補助金・助成金も受け辛くなってしまいます。

また、会社都合の解雇をした実績があると、ハローワークで求人を出す際に不利になります。

そのため、ハローワーク経由で求人を出しても人が集まり辛くなってしまいます。

会社としては、そのような事態はなるべく避け、穏便に済ませたいもの。

そこで、自主的に「自己都合で」退職するように勧める、退職勧奨をするのです。

【参考】リストラの種類や解雇の際に満たさねばならない4つの要件

 

会社による悪質な退職勧奨の手口

しかし、合法とはいえ、無理矢理その流れに持っていこうとする会社があるのも事実。

ここでは、会社による悪質な退職勧奨の手口をいくつか見ていきましょう。

 

人事権で嫌がらせをする

最も典型的なパターンは、これです。

人事権を行使して対象の社員に嫌がらせを行い、無理矢理辞めさせようとすることです。

例えば、

  • 名ばかりの部署や地方に左遷する
  • 通常業務とは全く関係のない草むしりや掃除をさせる
  • 研修部屋に押し込んで何もさせない
  • とにかく無意味なことをやるように強制する

といったことをして、精神的に圧力をかけ、退職に追い込みます。

以前、誰もが知る大手企業がリストラのためにこのようなことをして社会問題になったことを、覚えている人もいるかもしれません。

 

会議室に閉じ込めて、自分で辞めると言うまで帰らせない

事実上のパワハラ行為で退職勧奨を迫ってくるパターンもあります。

例えば、

  • 面談と称して会議室などに呼び出す
  • 直接「辞めろ」とは言いませんが、自分から「辞めます」と言うまで長時間拘束する
  • 「君にこの仕事は向いていない」などなじったり説教する

といったことを通じて、自主的に退職するよう仕向けます。

その他にも、精神的に圧力を加え「辞めます」と言うまで嫌がらせ行為を続けるのもよくある手口です。

 

自己都合退職したと見せかける書面にハンコを押させようとする

また、酷い場合だとこのようなものもあったようです。

  • 自己都合退職したと見せかける書面を作成する
  • それに無理矢理ハンコを押させたり、勝手に押したりして従業員を陥れようとする

といったケースです。

【参考】労働基準監督署で相談できる問題と、相談できない問題

 

悪質な退職勧奨をされたら取るべき対処法

では、万が一会社からの悪質な退職勧奨にあったら、どうすればよいでしょうか。

以下のような対策が考えられます。

 

基本的には拒否し続ける

退職勧奨は、あくまでも自主的に退職するよう勧める措置です。

そのため、退職勧奨の対象になったとしても拒否し続けることはできます。

しかし、会社はあの手この手でなんとか辞めさせようとしてきます。

最後の手段としては、「解雇」もカードとしては持っているのです。

精神的、肉体的に我慢の限界を迎えたら、無理しないことも重要かもしれません。

 

一旦保留にして証拠を集め、労基署に通報、弁護士に相談

すぐに結論を出すのではなく、

「考えておきます」

と言って、その場を離れましょう。

そして、明らかに悪質だと思ったら、具体的にどんなことをされたのか記録や証拠を残しておきます。

そして、労働基準監督署に通報し、必要な場合には弁護士に相談しましょう。

違法性が認められれば、あとは労基署なり弁護士が動いてくれます。

取るべき処置を教えてくれたりすれば、それに従うのが良いでしょう。

 

出社拒否、もしくは一度退職したことにして法的判断を仰ぐ

  • 対処しようにも身や精神が持たない
  • 更なる嫌がらせをされたら耐えられない

そう思ったら、出社拒否をしたり、一度実際に退職したりして、会社と距離を置くことも取るべき一つの対処です。

意地になって居座り続けても、悪い会社は改善する努力はしないと思われます。

身の安全を守ることに努めましょう。

【参考】労働審判制度とは?裁判の前に利用すべき制度を知ろう

 

不当な退職勧奨に負けないようにしよう

もし、退職勧奨をされたとしても、それを拒否する権利が従業員にあります。

従いたくないなら、まずはその権利を行使するのが最善。

しかし、自分の利益が侵害されそうになり、身の安全が危ぶまれる場合もあります。

その時は、躊躇することなく、然るべき対処をしましょう。

【参考】労働基準監督署で相談できる問題と、相談できない問題

関連記事

最新の記事

  1. 不動産投資に資格
  2. 経年劣化、通常消耗、特別消耗
  3. 短期賃貸
  4. 固定金利と変動金利
  5. 家賃債務保証
  6. 再建築不可物件
  7. 駐車場経営
  8. 不動産投資でカモ
  9. 家賃の値下げ交渉
  10. 木造・鉄骨造・RC造

ピックアップ記事

  1. STP分析
  2. FABフォーミュラ
  3. インサイドセールスと営業の違い
  4. 地雷クライアント
  5. 空室保証
  6. スタートアップの戦略
  7. フリーランスの契約書
  8. 競争戦略
  9. マイナーな海外製ツール

おすすめの記事

  1. 田舎起業
  2. miro
  3. オンラインサロン
  4. 音声入力
  5. ITリテラシー
  6. 地方起業
  7. 抜擢人事
  8. リモハラ
  9. Convertkit
  10. マイクロ法人
ページ上部へ戻る