ビジネスパーソンとして避けては通れない、よくある3文字のアルファベット。
辛くても、逃げたくても、一つずつ覚えていくしかありません。
さて「LTV」も、そんなよくある3文字の1つ。
「ライフタイムバリュー」の略なのですが、聞いたことがありますか?
ビジネスモデルを考える上で使う概念で、本で目にしたり、セミナー等で耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。
特にサブスク(サブスクリプション)ビジネス関連では、頻出の言葉です。
※サブスク関連記事はこちらです。
実はこれ、マーケティング施策に欠かせない重要用語。
ビジネスを考える際にはLTV(ライフタイムバリュー)をしっかりと理解して、長期的に利益が出る仕組みを構築していくことが大切です。
この記事では、いまさら聞けないLTVの意味、LTVとは何かについて、初心者の方にもわかりやすくポイントを解説します。
LTVとは
LTVはとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略語です。
そのまま訳せば「人生の価値」というような意味になりますが、ビジネスを考える上でのLife Timeとは、「顧客として」のLife Timeです。
つまり、Life Timeとは「とある人が、顧客になってから顧客でなくなるまでの期間」を指します。
よって、ビジネスをする側にとっての「LTV = Life Time Value」とは、「とある人が、顧客になってから顧客でなくなるまでの期間に、どれくらいの価値、すなわち利益をもたらしてくれるのか」を測る指標になります。
LTVの計算例
これは、サブスクのみで使われる話ではありませんが、わかりやすくサブスク型のビジネスを例に考えてみましょう。
サブスクの場合、LTVを計算するとは「顧客が契約から退会までにいくらの利益をもたらすのか」を計算するということです。
例えば、
売上が毎月1000円
コストが毎月500円
平均継続期間10ヶ月
といったケースを想定します。
(平均継続期間=顧客が契約してから辞めるまで、平均何ヶ月続けてくれるか)
この場合、
売上1000円 - コスト500円 = 1ケ月あたりの利益500円
これを10ケ月続けた場合にもたらされる利益は、
500円 × 10ヶ月 = 5000円
となります。
平均継続期間はどうやって出すのか
この式を見て、あれ?と疑問に思った方もいらっしゃるのではないかと思います。
計算式に登場する「平均継続期間」はどうやって算出すればいいのでしょうか。
1ヶ月で辞めてしまうお客様もいれば、1年、2年と続けてくれるお客様もいます。
「ずっと辞めないお客様もいるんだから、平均と言われても、実際には算出するの難しいんじゃない?」と思われるかもしれません。
しかし、これは理論値として算定できます。
ここでは理論的な難しい話はいったん置いといて、平均継続期間の出し方について、結論から簡単に説明します。
平均継続期間 = 解約率の逆数
「逆数?」と思った方は、昔、算数で習った内容を思い出してください!
結論としては、「1÷解約率」が平均継続期間です。
毎月の解約率が5%(20人につき1人が毎月解約する)であれば、
1÷0.05=20
よって「20ヶ月」が平均継続期間となります。
もちろん、解約率は常に動くものですから、
平均継続期間は流動的な指標となります。
LTVを高くするなら「解約率」を下げるのが大事
さきほど挙げた理論上の計算式からもおわかりかと思いますが、解約率を下げれば下げるほど、平均継続期間は長くなります。
つまり、解約率を下げるほど、LTVは高くなるということです。
逆に解約率が高くなればLTVの数値は下がります。
LTVが低いということは、せっかく獲得した顧客が、すぐに辞めてしまう状態とも言えます。
その場合、LTVが低いと、広告や営業などの獲得コスト(CPA)とのバランスがとれず、いくら顧客が増えても赤字から抜け出せない危険もあります。
解約率を下げる方法は色々ある
広告にコストをかけて新規顧客をどんどん獲得すれば、低下したLTVを賄えるのではないか?
もしかしたらそう考える方もいるかもしれません。
ですが、新規顧客を獲得するコストと既存顧客との関係を維持するコスト、どちらが負担になるでしょうか?
当然ながら新規顧客の獲得のほうが大きなコストがかかります。
一方、既存顧客と良い関係を維持して利益を得る場合、新規顧客獲得コストの5分の1のコストで済むと一般的には考えられています。
LTVが注目される背景にはこのような獲得コストの違いが隠れています。
では、既存顧客と良い関係を維持するうえで最も大切なものは何でしょう?
それは企業への信頼や愛着です。
「顧客ロイヤルティ」と呼ばれることもあります。
例えば、手厚いアフターフォローも解約率を下げるひとつの方法です。
顧客の満足度を上げてファン化を促し、
「このサービスを受け続けたい」
「次もまたここで買いたい」
そう思ってもらえば良いのです。
そのほか、メルマガやDMなどで定期的に購買を促す手法もあります。
LTVを上げるための施策は色々あるので、ぜひ他社の事例を研究して参考にしてみてください。
LTVアップは利益につながる
以上のように、LTVを上げることは、獲得コストを節約しながら利益を上げることにつながります。
そのためには顧客のファン化を促す施策が欠かせません。
- 顧客1人から1ケ月あたりどれくらいの利益が得られるのか
- (現在の)解約率がいくらか
- つまり、平均継続期間はどれくらいか
この3点を意識していれば、
LTVはだいたいこれくらいの数字になるはず、と計算することができます。
広告や営業にかかる新規顧客獲得コスト(CPA)を設定するうえでも、LTVは欠かせない数値です。
※CPA(広告や営業にかかる新規顧客獲得コスト)についてはこちらの記事をご覧ください。
LTVをしっかりと理解したうえで、 事業を上手にまわし、利益が出るビジネスモデルを構築していきましょう。