「どうしてうちの商品が選ばれないのだろう?」
「競合他社より、明らかに良い条件なのに…」
ビジネスにおいては、業種や業界、BtoC、BtoBを問わず、こういうことが起こります。
「どうにか、競合より自社の商品・サービスを選んでほしい…」
そんな風に思っている社長や担当者も多いのではないでしょうか?
この状況を打開して、選んでもらうためのヒントがGooglePixelの広告にありました。
【参考】サンクコスト効果とは?見込客を逃がさない禁断のマーケ施策
GooglePixelの選ばれるための広告
その広告がこれです。
※この動画は再生できません
「iPhoneから乗り換えるのは大変?アダプターを刺す、たったこれだけ」というフレーズが流れます。
最後に、「Googleのスマホなら1ステップ乗り換え」と言って、CMは終了。
恐らくiPhoneユーザーだけに絞って配信された広告なので、見たことない人もいるかもしれません。
YouTubeでたまたま見かけたとき、この広告は素晴らしいと思いました。
普通、スマホのデータ移行は、かなり大変なイメージがあります。
そこまで難しい操作はないものの、時間がかかって面倒です。
同じ会社・機種同士でも大変なのに、別の会社の機種になったら余計に大変そうに思います。
それだけでスマホの買い替えすら「なるべくしたくないなぁ」と思いがちです。
ですが、GooglePixelは「簡単にデータ移行ができる」という主張をしました。
これによって「iPhoneじゃなくてGooglePixelに変えたいけど面倒くさそう…」という乗り換えるための障壁を取り除くことができるのです。
【参考】4P分析とは?楽天モバイルを事例にフレームワークを解説!
選ばれないのは「スイッチングコスト」のせい?
これと似たようなことが、あなたの商品・サービスのお客さんにも起きていることがあります。
つまり、彼らはあなたの商品・サービスの質や取引条件に不満があるわけではないのです。
単に、「切り替えるのが大変だから」あなたの商品・サービスを選ばないのかもしれません。
この時の物理的・心理的な負担を専門用語では、スイッチングコストといいます。
実際、長期的に契約していると、そこから取引関係を変えるのは、
「なんか悪いな」
「慣れているから」
という感情的な理由で躊躇しているだけかもしれません。
「論理的に考えれば、乗り換えた方が得なのに変えられない」というのは良くある話。
また、単純に契約で縛られていることもあるでしょう。
携帯電話の長期契約縛りはスイッチングコスト
例えば、携帯電話。
かつて、携帯電話会社のプランは、一定期間契約しないと違約金をとられていました。
携帯電話会社のプラン体系は、今でこそ消費者有利になるよう見直しがされています。
しかし、継続的な商品・サービスの場合、契約によってスイッチングコストを高めるというのは、携帯電話に限らず、よくある話。
いずれにしても、あなたの商品・サービスが競合より劣っているから選ばれていないわけではありません。
ただ、切り替える際のスイッチングコストを低減させるための施策を行わないと、切り替えてはもらえないでしょう。
スイッチングコストを乗り越えて選んでもらうには?
スイッチングコストが原因の場合、商品・サービスのアピール自体にはあまり意味がないかもしれません。
なぜなら、それらの良さやメリット自体は見込み客も既に理解していることが多いのです。
それでもなお、切り替えるための行動を起こしてくれません。
なので、アピールするのは、以下の2つです。
- 切り替える際の障壁
- 障壁を取り除くための方法
最初に出てきた、GooglePixelに話を戻しましょう。
これは、ワンステップでデータ移行ができることを提示し、iPhoneから切り替えるのは簡単であることをアピールしています。
また、携帯電話会社でも、プラン解約時の違約金を実質負担するプランも見受けられました。
このようにスイッチングコストを低減する、こちらが負担すると切り替えてくれる可能性は高くなります。
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「乗り換えるの面倒」をいかに解消するか?
あなたの商品が選ばれないのは、スペックが劣っているからでも価格が気に入らないからでもありません。
すでに他の商品サービスを選んでいて、切り替えるのが面倒という心理があります。
そのため、乗り換える時の壁を取り除くような取引条件を用意するのは有効な手段です。
あなたの見込み客が乗り換える時に発生している障壁は何でしょうか?
そしてその障壁を取り除くには何ができるでしょうか?
それを考えてみることに、あなたの商品やサービスが選ばれるようになるためのヒントが隠れているかもしれません。