オウンドメディアは会社運営において、特に集客において有用なコンテンツの一つ。
そのクオリティ次第で、得られる収益や企業にもたらすメリットは大きく変わってきます。
そもそもオウンドメディアとはどんなものなのかを踏まえた上で、ぜひとも参考にしたい成功事例を4つ紹介します。
オウンドメディアとは?
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社で保有、運営するメディアの総称で、主にホームページやブログ、メールマガジン、動画(YouTubeチャンネル等)を指します。
その他にも、広義では、パンフレットや広報誌など紙媒体のものも含みます。
しかし、最近では多くの場合、ウェブ媒体のメディアを指す言葉としてマーケティングを始めとするあらゆるビジネスの分野で使われます。
また、
など、ユーザーとの双方向性が確保されているアーンドメディアに並ぶ、企業のマーケティングの要となるメディアの一つと言えます。
オウンドメディアを企業が運営する主な目的
会社がオウンドメディアを運営する主な目的は、以下の3つとされます。
1、自社製品、サービスを知ってもらうため
オウンドメディアを運営する一番の目的は、自社製品やサービス、または、自社そのものを消費者に知ってもらうことです。
もちろん、広告を出すことも、認知してもらうための一つの手段。
しかし、広告を出稿するには、通常、期間に応じた掲載料が費用として発生します。
一方、オウンドメディアの場合は、制作費がかかる代わりに、掲載料はかかりません。
また、
- 自由なスタイルで情報発信できる
- 掲載期限がなく、修正も容易
- 一度作成したコンテンツを会社の資産として残せる
といったメリットもあります。
オウンドメディアは、「広告」より「自社広報」の色合いが強いと言えるかもしれません。
2、ブランディング
自社製品やサービスを知ってもらうだけでなく、ブランディングにおいても、オウンドメディアは欠かせません。
ブランディングとは、自社の理念や商品、サービスに対する思い、ストーリー等を消費者に発信し、共感を得たり、ファンを作ったりすることです。
もちろん、発信の仕方は様々で、自由です。
定番なのは、ブログ等の記事型のコンテンツやメールマガジン、SNS。
うまく情報発信していけば、固定客やコアなファンの獲得も見込めるでしょう。
3、採用
オウンドメディアは、主に商品やサービスのPRなどマーケティングで用いられるコンテンツ。
しかし、近年においては、採用活動の一環として利用する企業も増えてきています。
単に求人情報を掲載するよりも、社内の様子や、実際にそこで働く社員の声について定期的に発信すれば、入社を考えている就活生や転職希望者に興味を持ってもらいやすくなります。
そこから支持、理解を得られれば、結果的に人材が集まりやすくなります。
もちろん、「魅力的な企業である」ことが前提です。
ブラックなカルチャーが発信されてしまうと、逆効果になることもあります。
【参考】クイズをマーケティングに!?アメリカで流行中の手法を紹介
制作、運営時に留意しておくべきこと
実際のところ、オウンドメディアを立ち上げること自体は簡単です。
しかし、軌道に乗せ、成果に結びつけるまでの道のりは、長く険しいものです。
実際に発信する内容が消費者に浸透し、その効果が出るまでには、半年から年単位の時間を費やすこともあるでしょう。
それまで、辛抱強く、コツコツとコンテンツを充実させていく必要があります。
一方、費用は、広告に比べればリーズナブルで済むかもしれません。
Webであれば、かかる費用は、基本的にコンテンツを制作する人件費とサーバー、ドメイン料金程度です。
場合によっては、有料の写真素材を購入したりすることもある、といった程度でしょうか。
もちろん、制作から運用全てを外部に委託するという手段もあります。
実際、そのようなサービスを提供している会社も少なくありません。
しかし、自社のオウンドメディア制作を外部に委託して上手くいっているケースは稀。
やはり社外の人間が制作するとなると、
- コンテンツのピントがズレる
- 中身が薄くなる
といったリスクもあります。
メディアの評判やSEOのテクニックで露出を上げていく必要があることから、下手をすると、「誰も見てないメディア」になってしまう可能性もあるのです。
そのため、外部のアドバイスを得つつも、可能な限り自社の社員が携わることが大切だと言えます。
【参考】サブスクで成功するための6つのコツと3つのアイディア
オウンドメディアの成功事例
それでは、オウンドメディアで成果を出している企業の事例を4つ紹介しましょう。
1. サイボウズ式
ソフトウェア開発会社の株式会社サイボウズ。
この会社は、「サイボウズ式」と呼ばれるオウンドメディアを運営しています。
「新しい価値を生み出す、チームのためのコラボレーションとIT情報サイト」という理念を掲げ、2012年頃からコツコツと更新を継続してきています。
手がけるサービスの認知度アップやファンの獲得に成功した事例として有名です。
2. くらし良品研究所
無印良品でお馴染みの株式会社良品計画。
同社も、商品のプロモーションやブランディングのために「くらし良品研究所」というオウンドメディアを運営しています。
- 暮らしのお役立ち情報
- 商品紹介
- 生産・製造に関する情報
など幅広いテーマで情報発信しています。
無印良品のオンラインストアへの誘導につなげる形のコンテンツです。
3. mercan
フリマアプリでお馴染みの株式会社メルカリ。
同社は、採用プラットフォームの一つとして「mercan(メルカン)」を運営しています。
社内の雰囲気や、実際に働く社員の声などの情報発信に加え、社員と入社希望者が交流を深める場としての機能も備えています。
採用活動において非常に有用性のあるオウンドメディアとして注目を集めています。
4. LINE HR BLOG
LINE株式会社の「LINE HR BLOG」も、採用活動のためのメディア。
同社のメディアでは、社員のワークスタイルや活躍を大々的に取り上げているのが特徴的です。
LINEで働く社員に、まんべんなくスポットが当たっています。
コンテンツを見るだけで、どんな人が、どんなことをやっているのか、手に取るように分かるコンテンツ。
これにより、入社を希望している人の入社後のミスマッチ防止に寄与しています。
【参考】ストーリーテリングとは?共感や感動で集客する手法をご紹介
オウンドメディアを上手く活用しよう
一口にオウンドメディアと言ってもさまざまなスタイルがあります。
内容や発信の仕方も、目的によってそれぞれ異なるでしょう。
事例を参考にしつつ、まずは運営の目的を明確にした上で方向性を決めていきましょう。