パソコンと最低限の設備があればどこにいても仕事ができる時代。
理由もなく出社を強制したり、働く場所を指定したりするのは最早ナンセンス。
ハイブリッド勤務も、徐々に市民権を獲得しつつあります。
ここでは、今注目を集めているハイブリッド勤務について、実施のメリットや注意点、事例を紹介します。
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ハイブリッド勤務とは?
ハイブリッド勤務とは、オフィス出社とリモートワークを掛け合わせた、いわゆる「ハイブリッド型」の新しいワークスタイルです。
実際のところ、明確な定義やルールはありません。
企業によって、出社とリモートのバランスは異なります。
週ごとにあらかじめスケジュールを決めているところもあれば、不定期で出社を社員に課しているところもあります。
大半のケースでは、出社よりもリモートワークの頻度の方が高い傾向にあります。
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ハイブリッド勤務の実施で期待できるメリット
ハイブリッド勤務の導入で期待できる効果、メリットについて見ていきましょう。
固定費の削減 → 新たな資源投資
- リモートワークをメインにして、社員の出社頻度を減らす
- オフィスの規模を縮小して交代制で出社させる
など、工夫することで大幅な固定費の削減が期待できます。
家賃や社員の交通費、光熱費、その他固定費などが浮きます。
浮いたコストを、新たな投資に回すのも良いでしょう。
双方のデメリットを緩和できる
出社にも、リモートワークにも、様々なデメリットがあります。
まず、出社する場合は、
- 交通費がかかる
- 通勤にストレスがかかる
- 時間をロスしてしまう
といったことがあるでしょう。
次に、リモートの場合、
- 社内コミュニケーションが停滞する
- 労務管理が難しくなり、サボりが発生しやすくなる
など、それぞれデメリットがあります。
しかし、2つのワークスタイルを組み合わせることで、それぞれのデメリットをカバーできます。
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ハイブリッド勤務を実施する際の注意点
ハイブリッド勤務を導入する際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
交通費の処理が複雑になる
まず、交通費の処理が複雑になります。
あらかじめ出社する頻度や集まる場所が決まっていればそれほど面倒にはなりません。
しかし、不定期で集まる場合や毎回レンタルオフィスを利用するケースもあるでしょう。
そのような場合、定額の交通費や、定期券をそのまま支給するわけにはいきません。
オフィスを賃貸にするか、レンタルにするかの判断と手配が必要
すでにハイブリッド勤務を導入している企業には、固定のオフィスを廃止したところも。
そして、出社の際は、レンタルスペースを手配するというスタイルをとっているところもあります。
もちろん、従来のオフィスをそのまま残す方法もあります。
しかし、そうすると、大幅な固定費の削減は見込めません。
かと言って、レンタルの場合、スケジュール調整や場所を押さえるための手間もかかります。
どのようなスタイルで実施するのかは慎重に議論して判断しましょう。
評価制度の見直し、勤怠状況の把握
その他にも、社員のワークスタイルを変えるとなると、考えねばならないことが増えます。
- 社員の間に偏りが生じないよう考慮する
- 評価制度を見直す
といったことが必要にもなるでしょう。
また、日によって社員のワークスペースや勤務時間も変動するかもしれません。
ツールを導入するなどして、しっかりと勤怠状況を把握することも必要不可欠です。
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ハイブリッド勤務の導入事例
それでは、ハイブリッド勤務を実際に導入している事例を2つ紹介しましょう。
皆さんご存じの、アメリカのIT大手、Google。
2021年の9月から従来の勤務スタイルを一新し、ハイブリッド勤務へ移行しました。
1週間の内、最低3日は出社します。
そして残りの2日は自宅を含め、社員にとって最も働きやすい環境で働くことを認めるという内容。
また、許可を取れば、1年のうち、最大4週間の社外勤務が認められます。
- 柔軟な働き方の確立
- 健康維持
- 生産性のアップ
など、多くのメリットが期待されています。
パソナグループ
人材派遣事業を手がける、パソナグループ。
同社も、2020年から本格的にハイブリッド勤務の導入を始めました。
都内にある本社に加え、淡路島にも第二の拠点を構えました。
それによって、本社×支社、リモート×オフィス出社の多様なワークスタイルを確立。
自宅やオフィス以外からの勤務も認めるようになりました。
都会から離れ、自然に囲まれながら柔軟な働き方ができるとして、社員の満足度も上々。
国内でハイブリッド勤務を導入している企業の中で最も成功している例と言えます。
ハイブリッド勤務を上手く取り入れよう
ハイブリッド勤務はこれからの時代に求められる革新的なワークスタイルの一つ。
しかし、まだまだ課題があるというのも事実のようです。
しっかりと運用していくためには、綿密な仕組みづくりが欠かせません。
まずは試験的に実施するなど、対策を立てながら進めていきましょう。