ちょっと想像してみてください…
あなたがいつも通りポストを覗いて郵便を確認していると、何やらくの字に曲がった大きいものが入っている封筒を見つけます。
送り主は普通の会社、封筒を開けてみるとそこにはブーメランが入っていました。
この状況、結構驚きませんか?
実はこの予想外なシチュエーション、実際にとある会社が実行した施策。
ここに、あなたのプロモーション成果を大きく変えるヒントがあるかもしれません。
この記事では、プロモーションの成果を大きく変えた、「封筒の中にブーメラン」という事例についてお伝えします。
【参考】えっ、何で?「詰め替え用」がなぜかボトル入りより高い理由
封筒にブーメラン!?
封筒にブーメランを入れたプロモーションを実践したのは、ダイレクト出版株式会社です。
海外のマーケティング知識を日本に広めるために作られた高品質な書籍や教材が有名。
その会社自身も、優れたマーケティング施策を展開しています。
そして、肝心の中身を要約すると、以下のようなものです。
ブーメランをプレゼントします。
理由は2つあります。
1つはあなたの注意を引くため、もう1つは以前に商品を買ってくれたので「また戻ってきてほしい」という思いでブーメランを入れました。
特別なご案内を用意しましたのでぜひ見てくれませんか…
という文章です。
このプロモーションによる具体的な成果は明らかにされていません。
しかし、プロモーションにおける最大のカベを突破するヒントがあります。
「Not Read」の壁を越える手法
封筒にブーメランを入れる、普通では考えられない方法。
実は海外にも似たような事例がありました。
日本では法律上できませんが、手紙に1ドル硬貨を貼り付けて投資・ビジネス関連の商品を販売した事例があったのです。
これらの方法は、試供品のように単にプレゼントを贈ってるわけではありません。
実際の目的は「プロモーションの案内が書かれた手紙を確実に読んでもらうこと」です。
コピーライターやマーケティングの世界では3つのNotという考え方があります。
あなたがプロモーションで販売したい相手は
- Not Read (読まない)
- Not Believe (信じない)
- Not Act (行動しない)
これを前提にして、プロモーションの企画やレターを作るという考えです。
そしてこの3つのうち必ず最初に突き当たるのが「読まない」という壁です。
まず、ここの壁を突破できなければ、成果につながることはありません。
コピーライティングの天才であった故ゲイリー・ハルバートは、
「紙のダイレクトメールの場合、見込み客は封筒の束をゴミ箱の上でAパイル(後で読むもの)とBパイル(その場で捨てるもの)に分ける」
という言葉を残しています。
つまり、読まれないで消えていくものもたくさんある、ということ。
そして、読まれるために、封筒の中に普通では考えられない物を入れていたのです。
オンラインのプロモーションでも同じ
そして、これはオンラインのマーケティングやプロモーションでも同じ。
あなたは、購読しているメルマガや、チャンネル登録したYouTubeチャンネルの動画を、全て欠かさず見ているでしょうか?
おそらくですが、読んでないし、見ていないと思います。
オンラインでも、家に届く封筒と同じと考えていて良いでしょう。
「見るものと見ないものに判断され、分けられている」ということです。
あなたがプロモーションや販売を成功させたいのであれば、見込み客の注意を引き興味を持ってもらい「Not Read」の壁を突破する必要があります。
「Not Read」を超えるプロモーションのアイデアの例
オンラインで、壁を突破するプロモーションのアイデアでも分かりやすい事例は、スマホゲームによく出てくる、遊べる広告です。
多くのゲームの広告は、動画や画像のみ。
時間が経てば、すぐに消されてしまいます。
一方、「インタラクティブ広告」とも呼ばれる、”遊べる広告”は、画面上で実際に遊んでもらうことで、楽しさを実感してもらい、ストアにアクセスしてもらい易くする、という手法です。
もちろん、そこからダウンロードされるかどうかは別。
しかし、ゲームに注目を集めて体験してもらうことで、ストアへのアクセスは増やせるわけです。
このように、オンラインでも、見込み客の注意を引き付けるアイディアは実践できます。
要は、「工夫」と「技術」次第なのです。
【参考】ゲーミフィケーションとは?マーケティングや研修での活用例
注目を集めるアイデアのヒント
そんな注目を集めるアイディアは、どのようにして作ればいいのでしょうか?
独特な発想やクリエイティブな思考もあるに越したことはないでしょう。
しかし、既にある事例やアイディアを組み合わせたり、変えたりすることで強力なアイディアを作ることもできます。
そんなアイディアのヒントはどこにあるのでしょうか?
3つご紹介しましょう。
1. 競合・ライバル
まずは、あなたの競合や、ライバルが何をしているか調べましょう。
「え、マネするの?」と思うかもしれません。
しかし、実際はその逆です。
「競合が言ってないこと、行なってないこと」を見極めるために調べるのです。
その中で、自社や自分ができることをアイディアとして採用すれば、たとえ既存のアイデアだったとしても、斬新なアイデアになり得るでしょう
2. 他の業界
次のヒントは他の業界です。
直接の競合やライバルのアイデアを真似するのは良くないかもしれません。
しかし、他の業界であれば、著作権違反などを除き、参考にしても問題ありません。
- 他の業界で上手くいっていて
- 自分たちにできて
- 競合が実践してない
そのようなアイディアは、たくさんあります。
このようなもので、成功事例があれば、単に「競合がやっていないことを見つける」よりもうまくいく確率が高いでしょう。
3. かなり過去の事例
同じ業界や、類似しているものでも、かなり昔の事例であれば参考にして大丈夫です。
そのアイデアを使ったプロモーションは、既に終わってることが多いもの。
そのため、それを今あなたが実践するだけで独自性が出せます。
もちろん、時代に合わない部分もあるのでそこは注意して選択してください。
まずは見てもらう、読んでもらう
この記事では、ブーメランを封筒に入れるという事例から、そんな奇抜かつ有効なアイディアを作るためのヒントの探し方をお伝えしました。
もちろん、斬新なアイデアだけでプロモーションが成功するというわけではありません。
しかし、少なくとも、あなたの見込み客や顧客の関心を強く引くことはできるでしょう。
そして、関心を持ってもらえなければ、あなたのプロモーションは失敗してしまいます。
プロモーションを成功させたいのであれば、「読んでもらう、見てもらうためにどんなことができるだろうか?」を考えてみてください。