農業は儲からない?若者が注目する農業の理想と現実

「農業は田舎者やお年寄りがやるもので、きつい仕事」

このようなイメージを持たれていた方は少なくないかもしれません。

しかし、そのような偏見、ネガティブなイメージはもう時代遅れかも。

最近、農業は若い人にとっての人気の働き口の一つになりつつあるとも言われます。

しかし、実際のところどうなのでしょうか。

近年、農業が若者から支持されるワケやこれからの農業の可能性について詳しく解説していきます。

【参考】田舎起業とは?注目を集める起業方法のメリットと成功の秘訣

 

農業

 

農業のネガティブなイメージは払拭されつつある

もともと、農業は3K(きつい、汚い、危険)な職業とのイメージがありました。

また、「家業として継ぐもの」というイメージも強かったかもしれません。

しかし、近年、若者の間で人気の転職先の一つとして注目を集めていると言われます。

農林水産省のある調査によると、29歳以下の農業への新規参入者はここ10年で3倍にまで増えたという結果もあるのだとか。

それはなぜなのでしょうか。

【参考】プロ人材とは?政府も進める地方創生の切り札について知ろう

 

農業が若者から注目されるワケ

農業が若者からの支持を集めるようになったのには、以下のような理由があります。

 

1. 初心者でも気軽に始めやすくなった

まず、就農の敷居が低くなりました。

それゆえ、初心者でも気軽に始めやすくなったことが挙げられます。

農業の大変なところは、何より、始める時の大変さ。

まず、自主的に知識やノウハウを身につけ、土地を用意しなければなりませんでした。

しかし、近年は自治体による就農研修や農地のあっせんなど、第三者からの支援も充実。

農業に関する知識が乏しい人や、十分な資金がない方でも参入しやすくなったのです。

 

2. IoTの活用で悪イメージが払拭された、楽になった

農業は、ある意味で自然との戦いでもあります。

どうしても、自然災害や気候により左右される側面は否めません。

また、前述したように、農作業は過酷で汚れ作業とのイメージもありました。

更に、大きな重機を使うこともあるため、常に危険が伴うものとされていました。

しかし、技術革新によって、これらが大きく変わりつつあります。

これまで人の手で行われていた農薬散布や収穫、管理業務全般が、ドローンやロボット、ITで実現できるようになってきているのです。

それによって、農業に対する悪いイメージも払拭されてきました。

実際、業務も以前に比べて圧倒的に楽になったのも大きいでしょう。

 

3. 業務の幅が広まった

農業における技術革新は、農作業自体を快適にしてきただけではありません。

新たな雇用の拡大にもつながっています。

実際にドローンやロボットを操作したり、データの収集、管理をしたりするためには、専門的な知識とスキルが必要。

つまり、これまでIT関連の企業で働いていた人にとっての働き口にもなってきました。

IT業界で身につけた知識やスキルを存分に生かせる転職先としても新たな選択肢になってきているのです。

 

4. 大企業が参入したことで雇用が安定した

例えば、楽天やソフトバンク、トヨタ。

その他異業種の大企業、事業者が近年、続々と新規事業として農業分野に参入してきています。

このような農業を取り巻く環境の変化によって、農業従事者の雇用が安定してきました。

そして、これまでの「農業は自分で生計を立てていくもの」という考え方から「従業員として働くもの」に変わってきています。

安心して働きやすくなったのも注目を集める理由の一つと言えるでしょう。

【参考】ふるさとワーキングホリデーとは?活動内容と参加のメリット

 

農業を始める際に押さえておくべきポイント

農地のオーナーではなく、従業員として働けるようになったり、周囲からの手厚い支援を受けられるようになったりしているのは事実。

しかし、かと言って農業で生計を立てていくなら、主体的な姿勢が求められます。

仕事のことも含め、生活のことも考慮する必要があります。

その上で、

  • どこで始めるか
  • 何を育てるか
  • 誰にどう売るか

少なくともこれら3つのポイントは必ず押さえておかなければなりません。

また、将来どうしたいのか、も考えておく必要があるでしょう。

農業に従事する明確な目的を決めていくことも、長く続けるためには重要なことです。

【参考】ワーケーションとは?夢のような「未来の働き方」を先取り!

 

拡大する農業の可能性

農業の収益に関して、従来は、農協を通して売るのが一般的でした。

そして近年は、近隣のスーパーや道の駅で直接販売するケースも増えてきています。

そして、更に最近では様々な販路ができ、以前よりも収益を上げやすくなっています。

たとえば、

  • 国内ではあまり流通していない珍しい品目の野菜を育て、都内の高級スーパーやレストランに出荷する
  • フリマサイトやインターネットを利用して、全国の不特定多数の消費者に届ける

といった方法があります。

また、本来廃棄される規格外のサイズの野菜を収穫した際、従来通りそのまま廃棄するのではなく、切り刻んで「カット野菜サラダ」として売り出し、新たな価値を見出す、という例も実際にあります。

この他にもアイディア次第で、対応できるニーズが広がってきています。

そういった意味でも、農業は非常に大きな可能性を秘めた事業と言えるでしょう。

【参考】シニア人材とは?雇用するメリットと注意点、採用方法を解説

 

農業で生きていける道は拡がっている

もちろん、新規参入の敷居が低くなったとは言え、現実は甘くありません。

農業で生計を立てるには、技能取得の勉強、準備、そしてそれなりの苦労もあるでしょう。

しかし、企業の参入や技術革新によって注目度が高まっているというのも事実。

持続可能性があり、需要が続くビジネスであることには間違いありません。

興味があれば転職先の候補の一つとして検討しておくのも良いでしょう。

【参考】意識高い系は仕事はできない?そう言われないために

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