マイクロ法人とは?個人事業との違いやメリットを徹底比較!

マイクロ法人、という「個人事業」と「法人」のいいとこ取りができる経営形態。

公式な名称ではありませんが、最近ジワジワと拡がりを見せてきているのだとか。

新たに事業を立ち上げようとしているのであれば、一考の価値ありかもしれません。

  • 会社員が副業として始めるパターン
  • 個人事業と兼業するパターン
  • 本業として始めるパターン

とさまざまなパターンがあるでしょう。

ここでは、マイクロ法人の概要を踏まえた上で、個人事業と比較した際のメリット、設立時の注意点について解説していきます。

【参考】そんなのアリ!?再就職手当をもらって起業する裏技を紹介

マイクロ法人

 

マイクロ法人とは?

マイクロ法人とは、他の従業員を雇わず、設立者一人で運営をする会社を指します。

プライベートカンパニー、とも呼ばれることもあります。

(※非公開企業のことも「プライベートカンパニー」と呼ぶことがあります)

法人というと、大きなオフィスがあり、たくさんの従業員がいるイメージがあります。

しかし、マイクロ法人の場合は、名実ともにワンマン経営。

オフィスも最低限の規模と設備か、場合によってはオフィスを構えないケースも。

シェアオフィスやレンタルオフィスに入っていることも多いようです。

実は、マイクロ法人という言葉は、作家の橘玲氏が自身の著書、「貧乏はお金持ち」の中で定義した言葉。

「フリーランスの法人化」と称されることもあります。

決して新しい会社経営の概念というわけではありません。

しかし、近年、働き方改革や副業解禁の流れを受け注目されるようになり、特に、

  • 起業したいけど大きなリスクは負いたくない
  • なるべくコンパクトな事業をしたい
  • 現在フリーランスで収入が増えた

という方におすすめの経営形態です。

【参考】起業の準備一覧!14項目の最低限やるべきことをリストで整理

 

個人事業と比較したメリット

それでは、個人事業と比較しながらマイクロ法人を設立するメリットについて見ていきましょう。

 

社会的信用を得やすい

規模が小さく、オフィスを構えなかったとしても、法人は法人。

登記を必要としない個人事業よりも社会的信用が得やすいのは明らかです。

というのも、実態は個人事業、フリーランスと変わりなくても、法人の場合には一つの会社として社会から認識されるためです。

社会的信用を得ることによって、

  • 事業を展開する上で必要な取引先が見つかり易くなる
  • 事業拡大や設備投資に伴う金融機関による融資の審査に通りやすくなる

といったメリットがあります。

 

代表取締役を名乗れる

次に、法人の場合、「社長」や「代表取締役」と言った肩書きを持つことが許されます。

個人事業の場合でも、事業主は「代表」や「所長」など比較的自由に肩書きを決められます。

しかし、個人事業だと法人のように取締役会は設置できません。

そのため、「代表取締役」や「取締役」を名乗ることは法律で認められていないのです。

これらの肩書きを持って事業を進めることにより、更なる信用や信頼を得やすくなります。

商談、取引、資金調達の際など、あらゆる場面で有利に働くことでしょう。

 

役員報酬で節税効果を得られる

信用を得やすいというメリット以外にも、節税しやすいという魅力もあります。

法人の場合、経営者自らに役員報酬という形で給与を支払うことが可能。

それは、自分で金額を決めることができます。

やり方によっては、役員報酬を低く抑え、事業継続に必要な費用として、諸々の経費を会社につければ、給与や利益を低く見せることも可能。

給与が利益が低く見えると、税金も低くなるのです。

【参考】知らないと損?個人事業主なら知っておくべき!税金対策9つ

 

マイクロ法人設立時の注意点

ご覧の通りマイクロ法人は、個人事業と比べて多くのメリットを享受することができます。

一方で、設立にあたり知っておくべきデメリットや、注意すべき点もいくつかあります。

 

設立の手続きが面倒

個人事業の場合は、開業届を提出するだけで事業を正式に始めることが可能です。

屋号も、別に決める必要はありません。

しかし、マイクロ法人を設立する際には、商号を決める必要があります。

法人は、我々人間(自然人と呼ばれます)と同じように、名前が必要なのです。

そして、登記するために専用の書類を作成しなければなりません。

設立時の各種手続きがやや面倒です。

最近は、会社設立書類が簡単に作れる

のようなサービスもあります。

 

設立や維持にお金がかかる

法人の設立や維持には、当然ながらお金がかかります。

株式会社の場合、設立は安くても20万円程度。

合同会社の場合、同じく設立に、安くても6万円程度がかかります。

また、維持費として、法人住民税が毎年7万円はかかることになります。

更に、以下で述べるように税務申告が複雑になるので、税理士を雇う必要が出てくるかもしれません。

顧問として雇えば、安くても月1万円程度。

税務申告だけであれば、安くても年間5万円程度が相場といったところでしょうか。

 

税務申告が複雑化する

設立時の手続きに加え、毎年実施することになる税務申告も個人事業と比べて複雑化します。

提出すべき書類の数がそもそも多いことが複雑化する理由として挙げられます。

また、会計ソフトとは別に申告用のソフトも用意しなければならないかもしれません。

そのため、税務申告に必要な手間とコストが余分にかかってしまうのです。

 

事務所を構えないと後々面倒になる

業種にもよりますが、マイクロ法人でも、オフィスや事務所を構えないと面倒なことになりかねません。

というのも、ビジネス関連の電話や郵便物の受け取りや、取引先が訪問する際などに事務所がないと、重要な連絡を取りこぼしてしまったり、信用性を疑われてしまったりする可能性があるためです。

かと言って、そのために大きな事務所を構えると、コストがかさむばかり。

マイクロ法人としてのメリットを享受できなくなってしまいます。

おすすめの方法としては、バーチャルオフィスを見つけることでしょうか。

  • 登記で住所を使用可能
  • 電話の取次や郵便物の受け取り対応
  • 来客用のスペースの貸し出し

といったサービスがあるところもあります。

【参考】今さら聞けない?レンタルオフィスとシェアオフィスの違い

【参考】バーチャルオフィスを使うメリット4つや利用のポイント3つ

 

まとめ

マイクロ法人の設立には、メリットが多いと言われます。

しかし、手間もコストもかかるので、本当にその価値があるかどうか、しっかり見極めることが必要です。

マイクロ法人としてのメリットを十分に享受できるようしっかりと見極めた上で設立を検討しましょう。

【参考】個人事業主なら提出すべき開業届の基礎知識と2つのメリット

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