「顔採用」は実在するのか?
都市伝説のように扱われることもあり、賛否両論が渦巻くこの話題。
見ると、イケメンや美人しか受からないから不公平、差別的だ、という意見が主流。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
今回は、今なお残っていると言われる顔採用について、就活生、転職者が事前に知っておくべきことや、面接に臨む際に必要な「見た目」に関する心構えについて解説します。
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顔採用の文化はまだ残っている
最近では、ルッキズムに当たるとして、見た目や容姿の良し悪しで採用の合否を決めると言われている「顔採用」に否定的な意見が増えてきています。
しかし、実際のところ、企業の顔採用は令和となった現在でも存在しているようです。
もちろん、
「うちでは顔採用を行なっています!」
と公表しているケースはほとんどありません。
しかし、一部の業界や一部の企業では、「顔」を評価ポイントに加えているのです。
特に航空、アパレル、美容、広告、マスコミなどの業界は昔から顔採用が多いことで有名。
例えば、化粧品メーカーの株式会社伊勢半では、あえて「顔採用」を公に打ち出していたりもします。
候補者の個性を評価する、独特な採用方式を採用しているのです。
なぜ企業は顔採用を行うのか
営業や接客業では、見た目が良いだけで、客がついたりすることがあります。
「あの人に会いたい」と思ってもらえるだけで、業績に繋がることがあるのです。
一部の企業では、社長や役員の趣味で顔の良い人を積極的に採用しているケースもあります。
また、企業が顔採用を行う本当の理由は、企業のイメージ戦略とも言われます。
特に、美容やアパレル業界では、社員が商品の広告塔としての役割を担うという側面も。
そのため、見た目が重視されます。
また、容姿に自信がある人ほど、コミュニケーションスキルが高い傾向にあると言われます。
- 一緒に仕事がしやすい
- その他にも会社の雰囲気が華やかになる
- イメージアップにつながる
などの理由が挙げられます。
顔採用に関して知っておくべきこと
世間からは差別的だ、などと批判される、顔採用。
しかし、面接を受ける側と企業との間で、考え方には若干のズレがあります。
「見た目の良さ」の意味
まず、見た目が良いという表現の意味が異なります。
これは、必ずしも、イケメン、もしくは美人であることと同義ではありません。
もちろん、それが要素に含まれないということではありません。
その他にも、スーツの着こなし方、髪の整え方、歩き方、その他視覚的な情報も含まれます。
また、顔採用を実施している企業とはいえ、顔だけで採用するわけではありません。
見た目はあくまでも一つの評価基準。
見た目の良し悪しだけで合否を判断している企業は、非常に稀なのです。
そして、見た目、中身、どちらを重視するかは業種、業態、職種によって異なります。
専門職や技術職の場合には、当然個人のスキルや経歴。
つまり「中身」が重視されます。
中身も大事、でも見た目も大事
「自分の容姿に自信がない…」
「私は中身で勝負する!」
このような人も、見た目を疎かにして良いわけではありません。
顔採用の有無にかかわらず、採用面接に臨むにあたり、見た目に関する最低限のマナーがあります。
どこの業界、企業であろうと、そのマナーを守ることは絶対と言っても良い程です。
面接官に少しでも好印象を持ってもらうために、以下の5つのポイントを意識してみましょう。
1、清潔感がある
第一印象を決める大きな要因の一つに、その人の清潔感が挙げられます。
清潔感は誰でも気軽に演出可能。
例えば、
- 女性なら髪を後ろで結って額を出す
- 男性なら前髪を上げるか、もしくは左右どちらかに寄せる
といったところです。
服装に関して、
- スーツやシャツ、ズボンのシワをなくす
- 靴を磨く
- ネクタイをしっかり締める
など、少し意識するだけで印象が大きく変わります。
2、表情が豊か、笑顔がある
清潔感と同じくらい大切なのが、表情の豊かさです。
面接の時は、緊張によって顔が強張ってしまうかもしれません。
しかし、
- しっかりと顔を上げて話す
- 時折笑顔を見せながら受け答えする
このように、表情に関して少し意識するだけでも、印象は大きく異なるのです。
3、ハキハキと話す
口ごもることなく、ハキハキと話したり、受け答えしたりすることも大切です。
もちろん、単に声量を上げれば良いというわけではありません。
その場にいる誰もが聞きやすい、聞いていて心地の良いトーン、スピードで話します。
4、姿勢、仕草が美しい
面接官は、履歴書の内容や、質問に対する受け答え以外にも、細かくチェックしています。
例えば、入退室の仕方、座り方、その他仕草。
そのため、それらの所作が美しいと、高い評価につながりやすくなります。
これは、本番ですぐに実践することは難しいもの。
日頃から鏡の前に立ってトレーニングするなど、日頃の準備が欠かせません。
5、コミュニケーション能力がある
質問に対してどんな回答をするかももちろん大切なことです。
しかし、話し易さ、聞き易さといったコミュニケーション能力も重要な評価基準の一つ。
これも、姿勢や仕草のようにすぐに改善できるものではありません。
そのため、模擬面接で経験を積むなど、スムーズに会話のキャッチボールができるよう鍛えておく必要があります。
見た目を整えて「顔採用」を跳ね飛ばそう
今なお、実質的に顔採用を行なっている企業はあります。
しかし、見た目をしっかり整えるだけで、十分に挽回可能なのが実際のところ。
多様性が尊重される今、見た目、個性をあえて武器にして面接に臨むのも採用を勝ち取るための手段の一つです。
顔採用があるからといって悲観的にならず、ポイントを押さえて臨めば勝機はあります。
しっかりと準備して面接に臨みましょう。