不動産投資の方法にはいくつか種類があります。
代表的なのは、マンションなど現物の不動産を購入し家賃収入を得る方法。
そして、もう一つ知っておきたいのが、REITと呼ばれる金融商品を通じて不動産に投資する方法。
ここでは、現物購入による不動産投資とREIT、それぞれの違いや特徴を踏まえた上で、魅力やデメリットについて解説していきます。
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不動産投資とREITの違いは?
現物購入による不動産投資は、マンションやアパート、土地といった特定の不動産を自ら取得し、賃貸を通じて収益を得る方法です。
不動産投資と聞いた時に、多くの人が思い浮かべるのは医恐らくこちらでしょう。
また、賃料以外にも、取得した不動産を売却することによって、購入時と売却時の価格差をキャピタルゲインとして得ることもできます。
それに対し、REITとは、Real Estate Investment Trustの略で、いわゆる不動産投資信託を指します。
投資信託ということですので、不動産投資のプロに資金を預けて不動産への投資運用を任せ、収益を得る方法ということになります。
賃料収入やキャピタルゲインを主な原資とする分配金を通じて、出資者は投資資金を回収し、利益を出していきます。
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不動産投資の魅力、デメリット
それでは、現物購入による不動産投資の魅力やメリットについて見ていきましょう。
①市場の変動による影響を受けにくい
不動産投資信託も含め、株式投資やFX投資などは、投資対象の時価によって得られる利回りが変動します。
しかし、不動産投資の場合、物件の購入時には多少影響を受けるものの、実際に購入し賃貸経営を始めてしまえば、不動産価格の変動による収益の影響はさほど大きくありません。
もちろん、1990年前後に起こった不動産バブルの崩壊のようなことがあれば話は別ですし、悪徳業者に劣悪な物件を高値掴みさせられてしまうようなケースも、話は別です。
しかし、多くの場合、収入の額は入居者と結ぶ賃貸契約に記載されている家賃額であらかじめ決まっていることから、不動産価格が高騰しようが下落しようが、契約がある限り直接的に大きな影響を受ける可能性は低いと言えます。
②毎月、安定した収入を得られる
入居者がいる限り、毎月安定した収入を得られることも不動産投資の魅力の一つです。
入居者の入れ替わりが頻繁にある場合には安定が損なわれることもありますが、通常は得られる収益が前もって確定しているため収支管理がしやすく、資産形成のプランも立てやすくなります。
それでは、デメリットについても見ていきましょう。
①初期費用、ランニングコストが掛かる
不動産投資を始めるにあたり、多額の初期費用がかかります。
多くの投資家は不動産投資ローンを利用すると思いますが、それでも多くの初期費用が必要になることは間違いありません。
そして、初期投資の後も、入居者が安心、安全に住めるように修繕やクリーニングのための費用も継続的にかかってきます。
もちろん、管理費などランニングコストも毎月のように発生するでしょう。
不動産投資は、投資と言いつつ、事業としての側面があるため、細々としたことを気にして自分でコントロールしなければなりません。
③簡単にやめられない
現物を取得するとなると、辞める時も多額の手間とコストがかかります。
売りたいと思った時に、買い手を探すのも大変です。
そして、価格交渉が必要になりますし、思ったような価格で売れないこともあるでしょう。
かなりのストレスになることは間違いありません。
REITの魅力、デメリット
それでは、REITの魅力とメリットについても見ていきましょう。
①気軽に始めたり、止めたりできる
REITの最大の魅力はなんと言ってもそのはじめやすさです。
不動産投資のような初期費用やランニングコストは一切かからずかからず、数万円〜の自己資金があれば、誰でも気軽に始められます。
市場価格があるものなので、損をしないとは言えませんが、市場で取引されている投資信託を売買する形なので、買い手を探すも比較的簡単。
止めようと思ったら、売却すれば良いので、手間なく足抜けすることができます。
②不動産に関する専門知識が乏しくても始められる
REITの場合、出資者が直接的に不動産の取引を行うことはありません。
売買するのは、不動産投資信託であるREITのみ。
必要なのは、証券会社に口座を開設してお金を振り込むことくらいです。
よって、不動産に関する専門的な知識がほとんどなくても始められます。
投資そのものに関するある程度の知識はもちろんあるに越したことはありませんが、基本的には取引のプロに任せることになるため、負担もそれほどかかりません。
それでは、デメリットについても見ていきましょう。
①利回りがあまり高くない
手間がないことは、利回りの低さと表裏一体と言えます。
様々な手続きや業務等の面倒を誰かに任せることになるので、現物を取得するのに比べて利回りは下がる傾向にあります。
これは、やむを得ないでしょう。
②価格変動の影響を受けやすい
REITは、株やFX投資と同じ仕組みになっていることから、価格変動の影響を受けることになります。
例えば、新型コロナで観光業が打撃を受けた時、ホテル等を取り扱っているREITは大きく値を下げました。
コロナ前はインバウンド等もあって観光業は盛況だったため、関連するREITも大きく価格が上昇していました。
しかし、思わぬ出来事で、評価額が大きく下がってしまったのです。
これは、REITに投資する上での大きな注意点と言えるでしょう。
まとめ
手間やコストはかかるが、毎月安定した収入を得たいという方は不動産投資、なるべく手間やコストを掛けず、低リスクで収入を得たいという方はREITが向いています。
いずれにしても、投資事業である以上必ず儲かるということはなく、失敗した際にリスクを伴うことから、魅力だけでなくデメリットも十分考慮した上で始めましょう。