ワンルームマンション投資は、近年、サラリーマンが副業として始めるケースも増えてくるなど、多くの人気を集めています。
しかし、その手軽さだけに見惚れていると、思わぬ落とし穴にはまることになりかねません。
そうならないために、そのリスクと注意点についてあらかじめ知っておく必要があります。
ここでは、初心者が不動産投資において陥りがちな落とし穴について5つご紹介します。
【参考】一歩踏み出す前に知るべき賃貸経営のメリット5つとリスク4つ
ワンルームマンション投資とは?
ワンルームマンション投資とは、1つの居室と浴室、キッチン、トイレがコンパクトに配置された単身者向けの物件を購入して、入居希望者に貸し出し、利回りを得て利益とする投資手法を指します。
ワンルームマンションとは、一般的には、1R、もしくは、1Kで、20平方メートル程度の広さの物件のことです。
物件によって具体的な広さはまちまちですが、占有面積がおよそ20㎡前後の物件がほとんどで、通勤や通学に適した地域、都心部に多いのが特徴的です。
ワンルームマンションの場合、元々賃貸マンションとして建設された物件と、投資用の分譲マンションとして売りに出され、部屋(区分)ごとに所有者が異なる物件の2種類あります。
ワンルームマンション投資は簡単なのか
不動産投資=富裕層向けの事業という考え方はもう古く、サラリーマンが副業感覚で投資を始めるケースも増えてきています。
特にワンルームマンションは、物件を一棟丸々購入するよりも初期費用を大幅に抑えられることから、比較的気軽に購入でき、物件総数も多いことから、希望にあった物件も比較的見つけやすい傾向にあります。
しかし、利点だけに魅了されてしまい、入居者の回転率の高さや空室リスクなどを見誤ったり、ファミリー向け物件、もしくは一棟購入する場合よりも管理規模が圧倒的に小さいため、修繕費などのコストと手間が少ないと勘違いしてしまったりする方もいます。
ワンルームマンション投資も一つのビジネスです。
十分な知識を持たず、安易に手を出すと思わぬ落とし穴にはまってしまいます。
ワンルームマンション投資のリスク、注意点
それでは、具体的にどんなリスクや注意点があるのか見ていきましょう。
①就職や転勤に伴い入居者がコロコロ変わる
ワンルームマンションの入居者は、単身のビジネスマンや近隣の学校に通う学生がその大多数を占めます。
そのため、就職や転勤に伴い引っ越すケースが多く、ファミリー層向けの物件よりも頻繁に入居者が替わります。
一定の需要はあるため、空室期間が長く続くリスクは比較的低いと言えますが、入退去に伴う手続きの手間が発生しやすいのです。
②利回りが低く、まとまった収入を得られない
ワンルームの区分投資は、他に比べてたしかに手軽さがありますが、利回りが低いケースがほとんどです。
また、たとえ一室だけでも、都心部の好立地な物件は不動産投資ローンがないと購入できないほどの価格であることも珍しくありません。
利息などの負担が大きいと、うまくいったとしても、期待するような収入は得にくいでしょう。
そして、「家賃も毎年下がっていく」ということも念頭に置いておかねばなりません。
そうしてあれこれと考えていくと、期待していたより大きく利益は下がってしまいます。
一般的なサラリーマンの給料よりも大きな額を区分投資だけで稼ぐのはなかなかハードルが高いと言えます。
③入居者がいないと収入は即マイナスになる
一棟買いの物件の場合、たとえ満室にならなくてもある程度の収入は維持できますが、ワンルームマンション1件のみに投資した場合、入居者がいなければ収入は当然ゼロになります。
入居者がいなくても、物件を所有している以上、管理費などランニングコストはかかってしまいます。よって、マイナスになってしまうリスクもあるのです。
④物件の管理に関する権限が限定的になる
物件を丸ごと購入する場合、改築やリフォームの実施を自分の意思で自由に決定できます。
しかし、区分投資の場合は物件全体のオーナーになるわけではないため、管理に関する権限が限定的になってしまいます。
入居者が決まらない理由が共有部分だったりした場合にも、自分の権限だけでは自由に改善のための手を打てないのです。
また、自分の購入した部屋だけペットOKや喫煙OKにしたり、自由に内装を変えたりすることも容易ではありません。
⑤ニーズが低い物件も存在する
ワンルームマンションの物件の中には当然ニーズが低いものも存在します。
立地調査や競合調査をしっかり行わず、始めやすいからという理由だけで手を出してしまったり、営業の人のセールストークを鵜呑みにしてしまったりすると、多くの損失を被ることになります。
営業マンに勧められて買ってはみたものの、全然入居者が決まらない、なんてこともあるのです。
【参考】不動産投資詐欺の主な手口4パターンと騙されないための対策
まとめ
ワンルームマンション投資は、確かに初期費用が抑えられ気軽に始めやすいと言えます。
しかし、多くの場合、利回りが低いケースが多く、入居者の回転率も高いことから、安定した収入に繋がらないことも考えておく必要があります。
中には、築古物件など利回りが高いケースもあるため一概には言えませんが、他の物件同様、いずれにしても入念な調査、計画が必須です。
利害関係のない、知見のある人間に事前に相談をするなどして、安易に手を出さないように注意しながら進めましょう。
【参考】サブリース契約に関するトラブル