企業にとって、人材確保は経営戦略の肝でもあります。
そのため、あの手この手で求職者を自社へ入社させるべく仕向けることは、昔から行われていました。
しかし、最近は、その手法の強引さが「ハラスメント」扱いされることも出てきています。
就活を「終わ(オワ)」らせるための「ハラ」スメントで、「オワハラ」と呼ぶのだとか。
今回は、そのオワハラに該当する主な行為や、危険性、企業が被るデメリットについて解説します。
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「オワハラ」とは?
オワハラとは、主に新卒の採用面接時に、内定を出す代わりに、いますぐ就活を終わらせること、もしくは他社の内定を蹴るように仕向けること、圧力をかけることを意味します。
企業の採用戦略の一環として行われるケースがほとんどで、内定を出した人材を他の企業に取られないようにすることが主な目的です。
オワハラは仕方ない!?
内定者に辞退されないようにするため、候補者を接待して恩を着せ、辞退させにくくするような行為は以前から行われていました。
1970年代のバブル期は、内定者を豪華な旅行に連れて行ったりもしていたようです。
しかし、近年のオワハラは、より直接的で悪質なケースが増えてきています。
人事担当者も、優秀な学生を確保するように上から圧力をかけられ、数字目標もあります。
せっかく内定を出したのに辞退され、目標未達となると大変なので、必死です。
一方の学生も、内定をもらうために「御社が第一志望です」と嘘を言ったりします。
企業もそれを信用してプロセスを進めるという側面もあります。
そのため、一概に企業が悪いというわけではありません。
- ハラスメント意識が社会全体で高まっていること
- 就活生同士のコミュニティの拡大で情報共有が活発化したこと
等が原因で、社会問題として扱われるようになったという側面も大きいでしょう。
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オワハラに該当する主な行為
それでは、オワハラに該当する主な行為について見ていきましょう。
他社の内定辞退を強要する
最も典型的なのが、他社の内定を辞退するように強要することです。
具体的には、
- 面接の場で強めの口調でその旨を伝える
- 誓約書を無理矢理書かせる
- またその場ですでに内定を貰っている他社に辞退連絡をさせる
といった例もあります。
候補者の悪い評判を他社に吹聴すると脅す
悪質な例としては、候補者の悪い評判を他社に吹聴すると脅すようなこともあるようです。
候補者が興味のない素振りを見せたり、面接官自身が手応えを感じられなかったりした際、面接の終了間際に態度を急変させ、叱責したり脅したりする、といった例はよくあるようです。
就活を間接的に妨害する
また、直接的な圧力ではなく、間接的に就活を終わらせるよう仕向けるケースもあります。
一部の中小企業が行っている手口で、大手企業に人材を取られまいと、
- 大手が就活を解禁する6月上旬あたりに採用面接を被せる
- 選考を故意に長引かせる
- 一度内定を出した後、心移りされるのを避けようと、研修や課題という名目でやり取りを頻繁に行う
といったことで就活を妨害するという例もあります。
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オワハラで企業が被るデメリット
ノルマ達成や人材確保など企業にも事情があります。
「やむを得ないもの」と思っている人事担当者も多いのが実情でしょう。
しかし、悪質な場合にはデメリットもあります。
脅迫罪や強要罪になり、刑事罰が課されることも
まず、自社に入社させるために、他社に悪い噂を流すと言って脅すと脅迫罪になり得ます。
また、無理矢理誓約書を書かせたり辞退連絡をさせたりすると強要罪に該当することも。
そうすると、場合によっては刑事罰を課されることにもなります。
また、刑事罰にならなくても、就活者から訴えられ、慰謝料や損害賠償を請求されるようなことも実際に起きています。
悪評が就活生のコミュニティで拡散され、企業イメージが悪くなる
法的な問題に発展しなかったとしても、その実態が就活生によって拡散されると、企業イメージを傷つけてしまうことがあります。
というのも、TwitterをはじめとするSNSや就活生らのコミュニティ上で、企業や面接官の評判はすぐに共有、拡散されてしまうためです。
「オワハラなど嫌がらせ行為を頻繁に行っているブラック企業」
というレッテルを貼られると、更に人材が集まらなくなってしまう可能性も十分にあるのです。
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まとめ
SNS時代、〇〇ハラスメントという言葉がブームになっているという側面もあります。
「オワハラ」という言葉が一人歩きし、就活生らが敏感になっていることも否めません。
また、オワハラを含めハラスメント問題は定義や判断基準が曖昧になりがち。
無意識に行っているケースもあります。
しかし、人材確保、ノルマ達成のためなら何をやっても構わないわけではありません。
王道は、「辞退されないような、魅力的な企業作り」であるはずです。
就活者も、「御社が第一希望です」と嘘をつくのはいけません。
誠実に企業と対話しながら、就活を乗り切っていきましょう。