ダイバーシティ&インクルージョンとは?先進的な企業の常識

性別や人種、国籍、年齢、宗教を根拠とした差別に対する批判が、社会全体で高まるようになってきています。

そして、それを是正するためのあらゆる活動が、ビジネスシーンでもみられるようになってきました。

今回は、これからのビジネスパーソンとして必ず知っておくべき、ダイバーシティ&インクルージョンについて、基本的な概念やその重要性、推進するメリットについてご紹介します。

ダイバーシティ&インクルージョン

 

ダイバーシティ&インクルージョンとは?

ダイバーシティ&インクルージョンとは、組織において、人材のDiversity(多様性)を、Inclusion(容認、受容、活用)することです。

もう少し具体的に言うと、年齢や国籍、出身地、性別、宗教に至るまで、バックグラウンドが異なる多様な人々に対し、それぞれの個性や特性を生かせる仕事、環境を確保しようとする総合的な取り組みを指します。

 

具体例

例えば、経営において、

  • 男性よりも社会的地位が低くなりがちとされる女性が活躍しやすい環境を作ること
  • 外国人や高齢者、障害者の活躍を推進すること
  • LGBTなど性的マイノリティへに対して理解、配慮すること

などが挙げられます。

また、近年では働き方の選択肢を増やすためのテレワークやフレックスタイムなどの実施もダイバーシティ&インクルージョンの一環として多くの企業で採用されるようになってきています。

【参考】時代の波に乗る!テレワーク導入検討の際のポイントを解説!

【参考】フレックスタイム制とは?メリットとデメリットを解説!

それに加えて、特定の職業に対する固定概念を取り払うための取り組み(男性のCA、看護師、女性のエンジニア、制服問題など)もその概念に含まれます。

今の若い人にとっては違和感があるかもしれませんが、

  • 看護師 → 看護婦
  • 保育士 → 保母さん
  • キャビンアテンダント → スチュワーデス

と呼ばれていたような時代もあったのです。

 

ダイバーシティ&インクルージョンが広まった背景

ダイバーシティ&インクルージョンは、元来、あらゆる状況における人種差別的な行為を是正するためにアメリカ国内で広まっていた概念です。

国内でもグローバル化が進み、日本で働く外国人労働者の数が増加していることや、働き手不足、少子高齢化などによる労働環境の変化などの社会変容がきっかけで、徐々にその考え方が浸透してきていると言えるでしょう。

また、働き方改革による雇用や働き方の多様化、シェアリングエコノミーなど、消費の多様化などもそれが注目される背景として挙げられます。

【参考】ABWとは?働き方改革の中で脚光を浴びている仕組みを紹介

 

ダイバーシティ&インクルージョンが企業に求められるのはなぜか

これからの時代における企業運営において、ダイバーシティ&インクルージョンが求められるのはなぜでしょうか。

その主な理由について見ていきましょう。

 

①誰もが働きやすい環境を作るため

大きな理由の一つは、誰もが働きやすい環境を提供するためです。

子育てとの両立を図りたい方、副業している方など、従業員にはそれぞれのライフスタイルがあります。

それを実現できるような環境を提供することは、今の時代、企業に求められることの一つです。

 

②変化する社会構造に対応するため

かつて、多くの企業で終身雇用が一般的でした。

しかし、近年では転職することも一般的になり、一つの会社に縛られない働き方がスタンダードになりつつあります。

また、テレワークやフレックスタイムの普及にみられるように、働き方自体も多様化しています。

そのような変化し続ける社会構造に対応していくためにも、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方は重要になるのです。

 

③イノベーションを生み出すため

時代の変化とともに消費者のニーズや消費行動も変化しています。

例えば、性別によって使用者が制限されない化粧品や衣料品など、新しいものを産み出し、消費者ニーズを満たすためにも、企業側はより新しい価値観を持っていなければなりません。

 

ダイバーシティ&インクルージョンを推進するメリット

それでは、ダイバーシティ&インクルージョンを推し進めていく主なメリットについて見ていきましょう。

 

優秀な人材の確保、維持

まず、企業側にとっての大きなメリットは優秀な人材の確保が可能になることです。

優秀な人材とは、ただ単にスキルが高いというだけではなく、社会動向や、日々アップデートされる社会、消費者の価値観を汲み取り、それを事業につなげられる人を指します。

そしてダイバーシティ&インクルージョンを社内で推し進めれば、社員の成長だけでなく満足度アップにも貢献できるため、人材の維持も期待できるのです。

 

社会的評価の獲得、イメージの向上

また、ダイバーシティ&インクルージョンの活動に積極的に取り組んでいる企業は、社内だけでなく、世間からも高い評価を得られることがあります。

その結果、メディアに取り上げられるなどして露出が増え、商品やサービスに対するイメージもアップし、新たな顧客の獲得や業績アップなども期待できるでしょう。

 

イノベーションの実現、他社との差別化

企業が勢力的にダイバーシティ&インクルージョンを推進していけば、従業員の意識も大きく変わってきます。

それが少しずつ組織に影響を与える用になれば、結果的にイノベーションの実現につながっていくでしょう。

アメリカの先進的なIT企業の多くが既にこのような考えを取り入れていることも、決して偶然ではありません。

多様性が求められる今の時代に適した経営を推し進めれば、それがまだ出来ていない他社との差別化を図ることができ、市場において優位に立てるチャンスも増えるでしょう。

 

まとめ

ダイバーシティ&インクルージョンを推進していくことで企業にとってのメリットはもちろんのこと、性別や国籍、年齢による差別や不満が生じず、安心、安全に仕事に従事できる、活躍できる場が広がるなど、従業員側も多くのメリットを得られるでしょう。

これらは、新しい時代における経営の常識になりつつあり、他社との生存競争で勝ち抜くためにも必要不可欠な概念になると言えます。

とは言っても、いきなり大きく変革していくことは難しいのもまた事実。

まずは、社員の教育や理解を得ることから始めていくことがおススメです。

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